愛する人になりたい
今日お墓掃除に行くと、お墓の周りの草むらにたんぽぽが咲いていた。
日中はまだ暖かくて今年の冬は暖冬なのかな?と、ふと思った。
毎月のカウンセリングを続けて8年目に突入した。
本当に少しずつ前に進んできた感覚がある。
私の最大の難関は母との関係だった。
母を心から愛せないことが苦しかった。
ずっとずっと本当に苦しかった。
いつも心が晴れなくて、違和感があって、
すっきりしなかった。
カウンセリングを受け始めるときの目的は、
母との関係のことではなく、自分自身の問題を解決したい、と
思ったからだ。
アトピーがひどく、肥満で、たばこも止められなくて、
人への攻撃もひどかった。
仕事も異常なまでに「やらないと」と固執していた。
あらゆることがうまくいかなくて、
夜、1人泣き崩れてしまうことも多々あった。
私は自分に心底疲れていた。
でも、どうしたらいいのか?何をしたらいいのか?全く分からなくて、
完全なお手上げ状態だった。
そんな状態を抜け出したい一心でカウンセリングを受け始めた。
20代半ばにも一度短い期間でカウンセリングを受けたことがあるので、
カウンセリングへの抵抗や心配は特になかった。
カウンセリングが進んでいくと、どうしても母が出てくる。
私のありとあらゆるものに母の影がある。
すごくイヤだった。
母のような女性になりたくない。
母のような生き方は絶対したくない。
そう思っていたのに、気が付けば、
母と同じことをしている自分に愕然とする。
母の呪いは想像以上に強い。
ラスボス。
「子どもは親を選んで生まれてくる」と
何度か聞いたことがある。
私にはその真偽は分からないけれど、
だとしたら、自分のセンスのなさに、
自分を恨みそうになる。
私は生まれながらにして不幸を背負ってしまっている、と
確信していた。
母との根深い問題に向き合うことに、ほとほと疲れて、
カウンセリングを止めようと思ったこともある。
もう母とは分かり合えない運命なんだ、ということにしないと、
やってられない!と、何万回も思った。
それでも、カウンセリングの度に、少しずつエゴが外れて
「自由な感覚」が私の内側に育っていっているのも、
確かに感じていた。
それは、「とても良い感じ」だった。
だから、諦めずに、「まだ先に私が本当に掴みたい何かがある」という
思いだけで、カウンセリングを受け続けてきた。
たくさんの時間とお金を費やし、たくさん泣いた。
「私は母を心から愛したかった」
やっと「本当の思い」「本当の望み」に辿りつけた!と思った。
もうここまで辿り着けたら大丈夫!とも思った。
が、現実は厳しかった。
「本当の思い」を元にした言動を母にとれなかったのだ。
母の言葉にイライラしてしまうクセがなかなか抜けないし、
母の生き方にケチをつけてしまう思いもなかなか消えない。
言動や思考の習慣の修正は、けっこうな鍛錬が必要なんだな、と
身を持って体験した。
自分の「本当の思い」に出会うことは、すごく大切なことだけれど、
それと同じくらい
その「本当の思い」に沿った言動がとれる自分へと
自分自身が成長していく過程も本当に大切なことだと知った。
この体験は、自分自身への信頼となっていった。
そして、今、
心から母を愛せるようになった。
すると、「愛されたい」と思っていたことが
浮き彫りになった。
私はずっと「愛されたい」という強い欲求を持っていたことに
気づいた。
そして、今もきっとあると思う。
だけど、そこから一歩先に進んで、
「愛する」という体験を私はこれから積んでいくのだろうと思うし、
そうしたい、と思っている。