1年に1回、校庭に犬が入ってきます

私の学校では、1年に1回、校庭に犬が入ってきます。平均的な犬より少し大きい、猟犬の血の混じったような雑種です。私たちのうちの誰かが犬に気づくと、ある人は歓声をあげ、立ち上がり、ある人は窓に注意を向けます。

彼らは授業の最も重要なところから、気をそらすために校庭に毎年やってきていたのではないでしょうか。ざわざわとした雰囲気の後、教室のスピーカーからは「犬が校庭にいるので外に出ないように」と注意がされ、学校という組織の集中力は見事に削がれます。穏やかな反逆です。

反教育団体というものが存在するのならば(反洗脳教育団体とも言えます)、全国の小学校に突如として大きめの犬が入ってくる事態も一応納得ができます。犬たちにはそれぞれ愛された名前がつけられ、年に1回の「あの日」に向けて、校門の真ん中から優雅に侵入し、胸を張って校庭を何周かする訓練が施されてきたのでしょう。

犬が追い出されると、祭りの後のような気持ちになりました。

「あの日」の夜、犬たちにはそれぞれの大好物が振る舞われ、私たちも思い思いの感情を胸に抱き、下校します。

来年に向けての1日目は今始まったばかりです。


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