順番待ち用紙システム
前回の投稿では クリニックの扉があく前の 患者さんの難しいポジショニングの読み合いを善意に任せる自由行列制では一人抜け駆けする人がいるとモラルが崩壊してしまいがちなので 導入が比較的容易なものだと
・番号札システム
・整理券発券機システム
・順番待ち用紙システム
があると書きました。 前回登場してもらったA先生は整理券発券機システムが、井手は順番待ち用紙システムが一番進んでいると言っていました
しかし、私は順番待ち用紙システムが3つのシステムの中では一番素晴らしいと言ったのに採用していないという矛盾していることを書いて前回は終わりました。
なぜ 素晴らしいのに採用しない?
あくまで 容易に導入できるものの中では王将などのファミリーレストランで見かける順番待ち用紙システムが一番素晴らしいとは思いますが 実際には採用していません。
クリニックのベネフィット/コスト比のベネフィットに対する考え方について 「患者さんやクリニックの手間の再利用効率が良いか?」ということです。
患者さんの利便性という視点だけで採用しても、運用するクリニックスタッフのストレスが大きいと長続きしないため 患者さんのためになりつつスタッフにもメリットがないと 院長がいくらお願いしても うまくいきませんと考えるからです。
番号札システム
患者さんのメリット:一旦札を取ってしまえばあとは開院時間までどこで待っていても安心
クリニックのメリット:患者さんにポジショニング争いをさせているのが申し訳ないと思わなくて済む
患者さんのデメリット:その札には個人情報との紐付けがないので受付の手間は以前と変わらない
クリニックのデメリット:札の管理が増えただけで受付の手間は変わらない
整理券発券機システム
患者さんのメリット:一旦整理券を取ってしまえばあとは開院時間までどこで待っていても安心
クリニックのメリット:患者さんにポジショニング争いをさせているのが申し訳ないと思わなくて済む
患者さんのデメリット:その整理券には個人情報との紐付けがないので受付の手間は以前と変わらない
クリニックのデメリット:整理券発券機は高いにも関わらず受付の手間は変わらない
順番待ち用紙システム
患者さんのメリット:一旦名前を書けばばあとは開院時間までどこで待っていても安心
クリニックのメリット:患者さんにポジショニング争いをさせているのが申し訳ないと思わなくて済む。個人情報が手に入るので受付の手間は1つ減る。
患者さんのデメリット:個人情報は書いてもそれ以外の受付の手間は以前と変わらない
クリニックのデメリット:開院してその用紙を回収するのであれば 確認の手間が増える割に 患者さんの満足度が上がらない 受付スタッフの手間はそれほど軽減されない。
つまり 患者さんがお名前を書いていただいて分 確認の手間がワンステップ減るという意味で用紙システムが一歩リードしているのです。 しかし、それは患者さんの期待値が上がった以上の体験の向上を提供できないのと 当院はテナントビルの都合上早くビルに入れないという制限があるためそこまでメリットが多くないと考え 導入をしていないということがあります。
ですので既存のシンプルなシステムのなかでは良いと思いながら採用していないのです。
次回は手間の再利用ということを書かせていただいきます。
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