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【NYAUWとMAPIのクロスミッション】③「間違いも理解のできるAIから」(導入編)

クリニックでの診療以外にMAPI(医療AI推進機構)の想いに賛同し活動に参加させていただいております。
(この記事も井手個人の見解として記述をしております)


先日は

【トータルで見たときには医療AI導入は今でなくても、一般のAIについて触れる機会を今から持ち続けることは大切だと思います。】と書かせていただきました。

これからの目的は一般のAIを使うことでメリットやデメリットや使い分けの理解がでてきて、医療AIでも結局そういったケアをしながら使うことでメリットが大きくなるので 悪くないんじゃないと考える先生方や医療機関が増えることが大切だと思うのです。


AIと風邪症状

このブログの読者は医師の先生という前提ですので風邪症状を例にAIを例えます。風邪様症状というマクロな定義には様々な風邪様症状を引き起こす疾患の可能性が隠れているのはご理解いただけるかと思います。同様にAIにも様々なAIが有るのです。

まずは大きな分類からですが、上のリンク記事にわかりやすく3大別しております。
特化型人工知能(ANI: Artificial Narrow Intelligence):Narrowですから狭い・限られた機能という意味ですね
汎用人工知能(AGI: Artificial General Intelligence):Generalですから広い色々な・汎用性の高いという意味ですね
人工超知能(ASI: Artificial Superintelligence):Superですからすごいんです!

このように真ん中の
N-Narrow
G-General
S-Super

だけ違って、最初と最後の
A-Artificial 人工
I-Inteligence 知能

は共通ですので
こういった組み合わせでANI,AGI,ASIという言葉が形成されているとイメージ出来れば暗記しなくてすみますね。

みなさんが未来のSF映画などで見ているのはASI(Superなもの)やAGI(汎用性)でまだまだ実現しておりません。

先生方の現時点の最終ゴールである医療AIも、まずはお試し頂く無料で試せるAIもChatGPTも自動運転も特化型人工知能(ANI: Artificial Narrow Intelligence)なのです

https://www.ai-souken.com/article/ai-types-introduction  から


識別系AI


医療AIの多くは特化型(ANI)の中でも病変の発見などの識別系AIに属します。しかし、皆さんは医療AIプログラムの使用経験が無い、一般のAIの使用経験もあまりない先生方がこの記事を読まれている前提とします。

前回の記事でも書きましたようにAIにPerfectなものは無く、その時点のBest Practiceに触れ続けて、メリット・デメリットや注意点経験や知見を蓄積して行くのが良いというスタンスで行ってまいります。

これは通常の診療のスタンスと同じではないでしょうか?

そのためにはまずは無料で簡単に試せるものでかつエラーがわかるもので試すのが良いと思います。

例えば診断を行う医療AI(識別系)ですとそのAI診断があっているのか間違っているのかの判別が難しいこともあります。
明らかに正常なものを異常と診断(偽陽性)または、明らかに異常なものを正常と診断(偽陰性)の場合には自身でそのエラー確認ができますが、そうでない悩ましい症例の場合にはその確認ができないのです。そのあたりがみなさんがAIに対して漠然と持っている不安や危惧だと思います。

3人のDr登場

そこで理解しやすい(?)ように、医療AIに対する異なるスタンスを持つ3人の医師の例で表にしてみました。

ここでは画像読影を行う医師が3人いるとします
・AI不使用ドクター:この先生の場合にはAIによる異常所見の候補シグナルの助けが無いため、従来通り自分で全て読影することになります。従来と比較してメリットもデメリットも発生しないので合計では±0になります

・「AIに完璧性を求める」AI使用ドクター:AIによっての異常所見の可能性のある場所にシグナルが出るため、注意喚起までの時間と読影時間が短くなるというメリットがあります。所見のシグナルが出ない偽陰性症例に対しては盲信しているため見逃しというデメリットが発生します。そのメリットとデメリットの合計でマイナスになることが有るため採用を見送ることになるというパターンが多いと考えられます。

・「AIは完璧ではないと理解している」AI使用ドクター:AIによっての異常所見の可能性のある場所にシグナルが出るため、注意喚起までの時間と読影時間が短くなるというメリットがあります。所見のシグナルが出ない偽陰性症例に対しては「AIは完璧ではない」と理解しているので、従来通りの読影を行いますので、シグナルが出ない症例ではメリットは発生しませんが、マイナスにもなりません。しかし、陽性のシグナルが出ているときのメリットが有るため、トータルではプラスになるのです

つまり、前回の投稿で書いたPerfectとBestの違いを理解しながら医療AIを使用すればプラスになるのです!!




今日はここまで

どうです?
ちょっと医療AI悪くないな!と思い始めているのでは?

ところで何?

表題にある
「静かなご飯の盛りの影から、、、」これはなんですか? 長くなったので次に解説します

(再掲)とにかく試してみよう!

ChatGPTやCopilotやGeminiでは無料で試せるものがありますのでまずは触れてみてください。どのように触れるかはまた実例を後日書かせていただきます。

目的は一般のAIを使うことでメリットやデメリットや使い分けの理解がでてきて、医療AIでも結局そういったケアをしながら使うことでメリットが大きくなるので 悪くないんじゃないという先生方や医療機関が増えることが大切だと思うのです。

(再掲)AIと間接民主主義

これはMAPIのメンバーの言葉で感動したものです・

「データを提供していなければ、AIはその施設の特性を無視して判断するように、基準が作られていきます。学習データを提供することで、間接的に、自分たちの医療判断や患者層を基準に取り入れさせるという意味では、間接民主主義みたいだなと思いました。」

そういった意味でデータを提供してくださいということも大切ですが、AIを使ってダメさ加減にため息を感じていただくことでデータ提供が更に進むと思います



(再掲)このシリーズの目的は?

こういった③のステージの先生が増えることが医療AIのデータ流通や医療機関へのAI導入が増え、患者さんケアの向上、医療従事者への負担減少、社会保障の負担軽減、医療レベルの上昇などにつながるというマクロは視点でのミッションと考えます


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