リーダーシップ進化論とNYAUW⑨

【リーダーシップ進化論―人類誕生以前からAI時代まで について】

前回の投稿は「情報爆発・専門性・剛性の誤謬」についてでした。

小さなクリニック院長視点として気になった部分を少しずつNYAUW的視点で書かせていただきます(あくまで個人の感想ですので お許し下さい)


P128 【他者から多くの感謝を集める個体いざ自分が困った時には多くの他者に助けてもらえるからだ。つまりそのような社会では困ってる他者を助けることが貯金のような働きをするまさに情けは人の為ならずである】

P129 【自己開示が人間関係を発展させるわけ  返報性は自己開示を促進する そして自己開示は集団内における親密な人間関係の構築に貢献する ここで自己開示とは自分が意図的に打ち明けなければ決して相手が知ることができない事柄を特定の相手に対して伝達することである 重たい自己開示はキャッチボール的に繰り返される結果としてこの2者はたくさんの個人的な秘密を共有するそして2者の関係性が強化されるのである 自己開示が持っているこのような機能を2者関係の発展機能と言う】

P130 【お金を支払う行為には返報制によって生じた心理的負債を帳消しにする機能がある お金を払ってしまったほうが心理的負債を抱えたまま生きるよりもずっと気楽だ その気楽さは想像以上に大きなものとなるように人間は進化してきた 手元に積み上がったお金は過去にどれだけ多数の他者を助けてきたかの証明となる それは信頼という本来は定性的なものの定量化である また手元のお金は自分に支援が必要なときに自由に使うことができる特定の他者に対して発揮したりたせいの見返りが別の確からしを受ける時にも使えるのだ】

P133 【1時間あたりで生み出せる価値が相対的に高いリーダーはそれが相対的に低いフォロワーを気遣うだけでもフォロワーに対して心理的負債を与えることができる 社会的地位が相対的に高いと誰かのために時間を割くだけで返報性による利益を得られるのだ 新約聖書にも おおよそ持ってる人には与えられいよいよ豊かになる しかし持ってない人は持っているものまでも取り上げられるという言葉が出てくるこれは富めるものはますます富む よというマタイ原理として知られる】

P135 【組織であれば組織のメンバーが組織にもたらした利益に正しく報いる態度を貫く必要がある メンバーがもたらした利益ではなくそのための労力に報いることは危険だその場合組織は自己犠牲的な労力をアピールする場になってしまうからである】

P128-P135で抽出した部分から感じたこと

通常、私のような小規模クリニックは医療機関は 【単価X人数ー固定費ー流動費】というシンプルな収益構造でありますので

①患者さんの単価を上げる
②患者さんの人数または受診頻度を上げる
③人件費などの固定費を下げる

というのが誰もが考える方法です

①患者さんの単価を上げる


これはスタッフにも「単価を追求することは麻薬なので、診断・治療のストーリーとして必要なもの最低限のみをしてください」と口を酸っぱくして言っています。これは出来高制を取っている日本で点数を取りこぼすことがないようにと汲々とすることは経営努力というより運営のような気がしております。

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Posted by NYAUW on Sunday, October 20, 2019

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Posted by NYAUW on Sunday, October 20, 2019




②患者さんの人数または受診頻度を上げる


これも診察間隔を半分にすれば診察頻度は2倍になります。 これも麻薬ですので 自分はそうしないようにできるだけ注意しています。 自分自身が患者だったとしたらこれくらいが妥当だという患者さんにお伝えするように心がけ、当院では 受診間隔をできるだけ長くするようにしております。

①②というのは外部的に気をつけないといけないと個人的に考えております。というのは、独裁国家で情報統制がされている某国ならいざしらず この日本では患者さんは知人や家族などから様々な医療情報を手に入れております。 近隣の医療機関よりも極端に受診費や診療間隔が異なると そういった噂は流布します。 

しかし、情報化社会とはいえ、情報格差が医療従事者と患者さんで大きいことことは2つの意味で問題があります。


1-医療従事者がその格差にあぐらをかき 患者さんは気づかないと思って無茶なことをする(でも見抜かれます)

2-患者さんの根拠のない思い込みや間違った医療情報に基づく口コミサイトへの悪評の投稿が 他の治る可能性のあった患者さんがその医療機関の受診を控えることによって治らなくなるという不幸(これは取り返しのつかないことに繋がります)

ですので

 医師が信頼する医師を登録することで 患者さんのメリット 医師同士の信頼のネットワークを可視化しようとしています

③人件費などの固定費を下げる。


これはもちろん一番高くて価値のあるのは人材・人財です。しかし、その機能だけに最低限ペイするという感覚の先生方も時にはいらっしゃいます。私の診療科である眼科では患者さんの検査をいろいろして最後の最後にその検査結果を見て 医師が患者さんに話をさせていただくという診察スタイルで 彼らの貢献がなければ診察など出来ません。 ですので 彼らには勉強してほしいですし、報われてほしいです。 そういった活動もはじめています。

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Posted by NYAUW on Tuesday, February 11, 2020




それを当院のスタッフが感じているかは不明ですがやはり仕事やクリニックや院長に対してPOSITIVEな感情(またはNEGATIVEでない感情)をスタッフが持っていないと それは患者さんにも伝わり 受診体験が悪くなります。

つまり、ここで言いたかったのは短期的に収益を上げるのはテクニカルには難しくはありません。 しかし、そういったことにばかり目が行くと 外部の目である患者さん、内部の目であるスタッフからの評価が下がり結局はうまくいかなくなるのでは?という考えがあるからです。


こういった感覚は特に事業構想大学院に通っていたときに ファイナンスの授業で GOING CONCERNというキーワードを聞いてから、単に目の前の刹那的な方法ではなく「因果応報」「風が吹けば桶屋が儲かる」「バタフライ効果」のような長期的な視点が必要だと考えるようになりました【継続企業の前提(けいぞくきぎょうのぜんてい)とは、企業等が将来にわたって存続するという前提のこと。ゴーイングコンサーン(going concern)とも呼ばれる】

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Posted by NYAUW on Thursday, November 21, 2019

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Posted by NYAUW on Friday, November 22, 2019

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Posted by NYAUW on Saturday, November 23, 2019

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Posted by NYAUW on Sunday, February 14, 2021



そういった意味で 疑義照会プロジェクトでは患者さんの受診体験をクリニック内だけでなく 薬局内にまで俯瞰できる院長先生を集めたい



信頼する紹介先登録プロジェクトは 自分の紹介先を登録することで 他の先生が紹介先さがしが楽になり 患者さんや社会保障費に優しく いつかは自分が専門にする患者さんが回ってくるという遠いバタフライ効果を理解できる院長先生を集めいたというものです


そうやって情報をシェアしないと 自分にも情報は集まってこない裸の王様になるという仮説からです

【医師の幼稚園<86>情報とフラットな関係について】 【ばかな と なるほど 吉原英樹 PHP】 p84 情報は情けに報いると読むことができる。 プラス情報は経営者のところにどんどん集まって来る。 なぜか 経営者がプラス情報に情けをかけ...

Posted by NYAUW on Friday, March 26, 2021


今日はここまで




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