クリニック院長のChatGPT⑱【AI時代も患者さん紹介には苦労します】
先日の投稿では
ドライ情報とウェット情報があり、ドライ情報獲得コストがどんどん下がって来ると書かせていただきました(参考リンクは下に)
情報はドライだけあれば十分?
これまでのGOOGLE時代も同じようにたくさん情報はあったわけですが、AI時代に入ると容易により複雑なドライ情報が大量に手に入るようになります。しかし、同時にAIはエラー増幅にもなりうるとも先日の記事で書きました。(参考リンクは下に)
まずは先生、ChatGPTで無料アカウントを作って下さい
皆さん、まずはここでアカウントを作ってご自身の仕事分野についていろいろ質問してその回答を見て下さい。
「ホー、悪くない」という部分と「これは違う」というものが混在していると思います。それに気づけることが先生の価値なんです。専門外の我々は「そうなんだ!すげーChatGPT!」としか思わないので。
そのようなインサイトや医師の人間性などのウェット情報についてAIはクローリング出来ないので現時点では得られない情報です。
ウェット情報は不要?
医師の専門性や地理の局在のようなドライ情報は今まで以上にすぐに出てくるようになると思います。特に医師は全国で30万人しかないので厚労省のデータやウェブページのクローリングをしてしまえば。患者さんもドライ情報にアクセスできるようになるのでいざとなれば自分でそのクリニックで受診することは可能です。そうなるとドライ情報だけで良いような気がしますねー。
しかし、医師の先生に質問です
先生方、ご自身が医療機関にかかる時にWEBのドライ情報だけでかかりますか?まずNOだと思います。誰かのREFERENCEを探して、リサーチしてからかかると思います。
生死に関わる・緊急性のある疾患
医師が嫌な奴だろうが、受診体験が悪かろうが、遠方だろうが神の手・スーパードクターにかかりたいかもしれません。そんなときにはREFERENCEなしにWebのドライ情報だけで受診するかもしれません。名医本や症例数などのドライ情報が転がっていますので。
一般的な疾患・慢性疾患
実はこういったときの情報がないのです。
・遠方「じゃない」近隣クリニック
・大病院「じゃない」クリニック
・神の手「じゃない」サブスペシャリティの中の一般レベルの専門家
・でも、自分の専門「じゃない」専門性
こういった「じゃない」いつもの紹介先情報というのがないのです。これは、医師の電子カルテや頭の中に少しずついつもの紹介先として蓄積されているのです。
【人類全体としては膨大なドライ情報を有していますが、個人の知りうる知の量はその内の本当に僅かな一部です。】書いたように(参考リンクは下に)【医師全体としては多くの紹介先情報を有していますが、個人の医師の知りうる紹介先はその内の本当に僅かな一部です】皆さんの普通(いつもの紹介先)は他の人にとって普通では無いのです。それらを適切に他の人に橋渡しすることが期待されているのです。
医学におけるウェット情報
むかしも記事で書いたのですが
自分の専門領域についての勉強だけでも大変なのに、社会からは、医学一般に関する知識に精通していることが求められます。
しかし、先にも述べた情報爆発の時代には、これはもはや不可能と言わざるをえないことです。では、こうした前提が正しいとした場合、医療側の役割はどのように変化していくのでしょうか。
そこで重要になるのが、入手した医学情報の文脈を読み取り、臨床実地での経験と照合しながら、その情報の意味をとらえるという医学リタラシーです。医学情報というのは、こうした医学INDISERとしての医学リタラシーを踏まえてはじめて意味を持つものです。私たち医師は、プロフェッショナルとして日々こうした医学リタラシーを鍛えてきたわけです。
こういったものの一つとしていつもの紹介先があるのです。
紹介先プロジェクトにご参加ください
今日はここまで
ChatGPTはクリニック院長に向いている!?
今回のChatGPTが医師に向いていると信じる理由は
・コーディングなどなくても使える領域がある
・スタート地点が同じで恥ずかしがる必要がない(医師は負けず嫌いが多い(?)ので勝ち試合をしたがる?これは今から始めればFrom Scratch)
・多くの応用が効きそうなので、ため息の多いクリニック院長には良い?
・情報が錯綜しているからこそ学習意欲が刺激される
などなどです。
まずは真似事からできるものを探します
いきなりCreativeなことはできないので、クリニック院長でもできるものをまずは自分で探しながら勉強していきたいと思います。
参考リンクまとめ
先日の投稿
AIでエラー増幅?
普通は普通ではない
KINDLE出版
チャットボットのKINDLE出版について