【医師の幼稚園:医療AI編④「AIは破壊者?救世主?」
クリニックでの診療以外にMAPI(医療AI推進機構)の想いに賛同し活動に参加させていただいております。
(この記事も井手個人の見解として記述をしております)
先日の記事は「’普通’は普通?」という話題で書かせていただきました
テレビドラマと医療
クリニック院長の皆様、今回の6月の診療報酬改定では結構厳しいものだったと感じられたと思います。絶対的な意味だけでなく相対的な意味でも厳しいですよね
・物価上昇
・消えない消費税増税の噂
・他業種の賃金上昇
・競合医療機関の出現
そういったことが起こると 診療報酬の下げ圧力強い保険診療ではさらに厳しい未来が予想され、院長先生としては理不尽に思えますよね?
しかし、医療業界以外の方の
・社会保障費の増大
・労働人口の減少
・高齢者比率の増大
という視点から見ると医療費の下げ圧力は当然の流れに見えてしまいます。
更に、AIやDXを推奨する流れによって
・DX:ハードやソフトの負担増
・AI:医師じゃないステークホルダーやAIへのタスクシフト
という未来も見えてきます
これも医療を第三者的に見たときには当然の流れに見えてしまいます
実際に厚労省の工程表がでております。
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001274832.pdf
それぞれのパーツを見てもDXによる共有化、標準化による未来でどうなるかは想像に難くありません。
みなさんもテレビドラマを見るときに「もっとこの主人公こうしたら良いのにー!」とか第三者的に見るように、僕もできるだけ医師ではなく、患者さんや一般納税者などの立場となって見るようにしています
コロナとZOOM
コロナ禍前でもZOOMというサービスはあり、一部利用されておりました。しかし、コロナ禍によって強制的に移動がしにくい状況となりZOOMやTEAMSを使わざるを得ない状況状況になり、Userが激増してZOOMの株価が上昇しました。
このように何かをきっかけにこのような工程表が前倒しになる未来も想定する必要があります。
つい先日、南海トラフに対する注意喚起が行われましたが、南海トラフが実際起こった場合の経済損失は20年間で1400兆円を超えるという試算もあります(あくまで一つの試算記事ですが)
そんな非常事態には
・医師からコメディカルへのタスクシフト
・診療報酬の大幅な引き下げ
・AIやオンライン診療へのシフト
・データ共有の義務化で他院で最近行われた検査をXヶ月間請求を禁止する(検査はしても点数をいただけない)というようなことが一気に進むかもしれません
これは以前の働き方改革のシリーズ記事の最後のパートで何回も再掲してきたことですが
(再掲)960時間時代に起こることは 「じゃない」
・タスクシフト(これまで医師がしていた仕事を医者「じゃない」 看護師さんや薬剤師さん)
・IT化(これまでのアナログ「じゃない」)
・AI診断(これまでの経験「じゃない」)
・オンライン診療(これまでの対面診療「じゃない」)
【ヨーロッパ文明における軍事革命の背景軍隊を維持するための【人件費が重かった】ので武器が発達した】
【ゴールドマンサックスでは2000年には600人のトレーダーが2017年には2人にまで。この背景にあるのは人工知能技術。この技術を呼び込んだのはトレーダーの【人件費が高かった】ことだ】
【イノベーションの多くは人件費の問題のないところをターゲットにしないのである。【医師の人件費は?】リフィル・認定看護師などは【医師の人件費】をターゲットにしていないですか?】
さらに、10年以上前の本の中で「なるほどなー」と思ったのは
P32 言いたいのは企業自体の存続でありません。そこで働く人たち、つまり個人の雇用などイノベーションの波に襲われたら、最後簡単に崩壊してしまう時時代になったということです。
P33 企業が生き残るということと、従業員の雇用が守れることは全く別の話。
P51 こんなことを言うと身も蓋もないのですが、消費者というのは利便性を見出し、更にそこに価格の安さという要素が加わったら、最後、既存の技術あっさり捨ててしてしまうもの。既存産業に従事する人間の思いいれなどものの見事無視します
P53 たとえ欠点があったとしても、メリットと比較して許容しうるものであれば良しとする。それが消費者だからです。
P77 長い時間の中で確立された産業であればあるほど、イノベーションの波に襲われた時の衝撃は甚大です。何しろ自分たちが長く従事してきた仕事の多くが新しい技術に取って代わられ、全く不要のものとなってしまうのです。人事、財務、法務など。業種に転じてもそのまま通用するスキルを身につけている方はまだしも 破壊される産業の技術や製品に特化した仕事をしていた人ほど次の仕事を得るのが困難という状況になりかねないのです。
このようなメッセージを医療、医師個人、AIなどと言い換えて考えてみて下さい。そうするとAIとどう付き合えば良いのか見えてきませんか?
AIは破壊者?救世主?
そんなことを知るとAIは個々の医師にとって敵や破壊者に見えるかもしれません。しかし、医療はSCIENCEの中でもばらつきの大きい分野であるため、最終的にAIがSUGGESTした提案について最終判断するのは医師であることに変わりありません。その判断の基礎を人間以上のスピードで行うHELPをしてくれる救世主と考えてみては?
なぜこんな話をしているの?
昨日読んだ雑誌で門外漢の私でも「へーっ!、ほーっ!」という医療AI情報が満載でそれを引用し、私見を交えながら書かせていただきます。
「AIサービス普及のための情報セキュリティーのあり方」というテーマの記事の中で
【1点目は、2024年4月から適用された医師の時間外労働の上限規則による働き方改革であり、医療機関の業務効率化やタスクシフトが求められる中、医療AIサービスの活用が増えていく。
2点目は団塊の世代。800万人がすべて後期高齢者となる2025年問題である。全人口の18%(2180万人)が75歳以上となることで、医療費の増大や人口減少が加速し、医療介護の担い手不足が深刻化する。
今後の人口構成の推移も大きく異なるため、必要とされる医療の見越した先手の対応が必要となる。具体的には、オンライン診療や在宅医療への対応、医療機関内外を含めた。データ連携や医療AIサービスによる専門医と非専門医のギャップを埋める対策や、院外からの電子カルテのアクセスが必須となる。医療従事者と医療AIサービスの共同は、医療従事者の働き方改革や医療の均てん化の実現には欠かせない要素であり、それを支える安全安心にリーズナブルなコストで利用できるネットワーク環境の提供も不可欠である。】
つまり
・医療従事者の働く時間が足りない
・お金がない
・医療従事者が足りない
そんな無いことづくしの中で現実解の一つがAIだと思うのです。
医師がどう思おうとも
・AIを求める患者さんが増え
・診療報酬の政策誘導でAIが推進されると
医師個人の思いとは関係なくAIの流れに行くことになるのでは?と考えています。
もちろん揺り戻しは有るかもしれませんが、個人的にも2022年からこの2年間で検索や文章作成はGeminiなどのAI無しではもう生きていけなくなっております。そしてこの記事も音声文字起こしで書いております。だからといって盲信して使っているわけではありません、最後のチェックは自分で行っています。このように大きな流れとしては「AI採用していないの?」になるのだと思います
以前書いた記事の中の表ですが、トータルではプラスになるという理解をしてながら触れ続けることが大切だと思っています。 いきなり医療AIにふれることはなくても一般のAIツールに触れ続けていくのがよいかなと
今日はここまで
(このシリーズの趣旨)まずは「へーっ!」だけでOK
「noteで新たなシリーズ【医師の幼稚園:医療AI編】を勝手に始めます!」
このシリーズの趣旨は以下の記事に書いております
内容は自分の興味のままに学習した医療AIに関することを備忘録的に、脈絡なく、系統立てずに書き残すシリーズです。ですので、話題は飛びまくりですしレベルが低いです!
しかし、自己紹介にも書かせていただいておりますが「①【医療・開業医のため息】をまず自分のために解決したい。」と、自分のために行っている活動ですので苦情は受け付けません(笑)
(再掲)とにかくAI試してみよう!
ChatGPTやCopilotやGeminiでは無料で試せるものがありますのでまずは触れてみてください。どのように触れるかはまた実例を後日書かせていただきます。
目的は一般のAIを使うことでメリットやデメリットや使い分けの理解がでてきて、医療AIでも結局そういったケアをしながら使うことでメリットが大きくなるので 悪くないんじゃないという先生方や医療機関が増えることが大切だと思うのです。
(再掲)AIと間接民主主義
これはMAPIのメンバーの言葉で感動したものです・
「データを提供していなければ、AIはその施設の特性を無視して判断するように、基準が作られていきます。学習データを提供することで、間接的に、自分たちの医療判断や患者層を基準に取り入れさせるという意味では、間接民主主義みたいだなと思いました。」
そういった意味でデータを提供してくださいということも大切ですが、AIを使ってダメさ加減にため息を感じていただくことでデータ提供が更に進むと思います