【NYAUWとMAPIのクロスミッション】⑨「(紹介状作成)音声文字起こしをAIできれいな文章へ③ プロンプトの試行錯誤」
クリニックでの診療以外にMAPI(医療AI推進機構)の想いに賛同し活動に参加させていただいております。
(この記事も井手個人の見解として記述をしております)
先日は
音声文字起こしAIと校正AIを利用して紹介状の文章を作成しましょうというプロジェクトで必要なプロンプト作成は医師の皆さまが得意なはずですと書きました。
プロンプトのトライアル①
先日文字起こしで
「えっとええ、平素より大変お世話になっております。当院初診の患者様ですが、白内障による視力低下と無視を認めました。患者様と相談させていただきましたところ、ご年齢の割にえっと非常にお元気な方ですので、金にて日帰り手術をご希望されました。ご多忙の中、大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。東京ビジョンアイクリック阿佐ヶ谷井手武」
という文字起こしが行われました。これを紹介状に適切な文章にAIでしたいと思います。
プロンプト(AIに対する指示であるプロンプトを試していき、回答に応じてFEEDBACKを得てドンドンプロンプトを改変していきましょう。
以下の文章を次の指示に従って校正してください
・つなぎ言葉は消してください
・他院への紹介状に適切な文調にしてください
えっとええ、平素より大変お世話になっております。当院初診の患者様ですが、白内障による視力低下と無視を認めました。患者様と相談させていただきましたところ、ご年齢の割にえっと非常にお元気な方ですので、金にて日帰り手術をご希望されました。ご多忙の中、大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。東京ビジョンアイクリック阿佐ヶ谷井手武
このプロンプトをGEMINIに投げてみましょう
得られた回答は
修正案:
[医療機関名]
紹介状
氏名:生年月日:紹介元: [貴院名] [医師名]
主訴: 右眼/左眼/両眼の視力低下、眩しさ
現病歴: [貴院での受診日]に初診。[検査名]の結果、[検査結果]。患者様は、白内障による視力低下を自覚しており、日帰り手術を希望されている。
現症: [視力、眼圧、眼底所見など、客観的な所見を記載]
診断: 白内障
治療方針: 患者様と相談の上、日帰り白内障手術を検討している。
備考:
[貴院名] [医師名] [日付]
と返ってきました。
これは追加記入が必要な部分も多く、編集がたくさん必要なので私の意図したとりあえず文字起こしの校正を行ってすぐにコピペできるような形では無いので使いにくいです。
プロンプトのトライアル②
次のプロンプトを考えてみましょう。前回はフォーマットまで変えられていたのでフォーマットまでは変えなくて良いですという指示にしました
以下の文章を次の指示に従って校正してください
・つなぎ言葉は消してください
・紹介状に使えるような文調にしてください
・フォーマットは変えなくて大丈夫です
えっとええ、平素より大変お世話になっております。当院初診の患者様ですが、白内障による視力低下と無視を認めました。患者様と相談させていただきましたところ、ご年齢の割にえっと非常にお元気な方ですので、金にて日帰り手術をご希望されました。ご多忙の中、大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。東京ビジョンアイクリック阿佐ヶ谷井手武
得られた回答は
改良後の文章
[医療機関名]
紹介状
氏名:生年月日:紹介元: [貴院名] [医師名]
主訴: 右眼/左眼/両眼の視力低下、眩しさ
現病歴: [貴院での受診日]に初診。[検査名]の結果、[検査結果]。患者様は、白内障による視力低下を自覚しており、日帰り手術を希望されている。
現症: [視力、眼圧、眼底所見など、客観的な所見を記載]
診断: 白内障
治療方針: 患者様と相談の上、日帰り白内障手術を検討している。
備考:
[貴院名] [医師名] [日付]
と返ってきました。全く変わっていないじゃないですか!!①の回答と!
これも医療機関名や日付などを入れなくてはなりませんので面倒です。これは紹介状を作る画面で別入力項目で有るので不要なんです。まだ使いにくいですね‐。何が問題なんだろうか?
プロンプトのトライアル③
次のプロンプトを考えてみましょう。紹介状という用語をいれるのでAIが気を遣って、良かれと思ってやってくれているので、あえてそのキーワードを入れない方が良いと考えました。
以下のテキストを最低限の校正をして下さい(感嘆詞やつなぎ言葉は消して下さい) えっとええ、平素より大変お世話になっております。当院初診の患者様ですが、白内障による視力低下と無視を認めました。患者様と相談させていただきましたところ、ご年齢の割にえっと非常にお元気な方ですので、金にて日帰り手術をご希望されました。ご多忙の中、大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。東京ビジョンアイクリック阿佐ヶ谷井手武
というプロンプトで、以下のような文章が返ってきました。
「平素より大変お世話になっております。
当院初診の患者様ですが、白内障による視力低下と霧視を認めました。患者様と相談の結果、ご年齢の割に大変お元気なため、日帰り手術を希望されました。
ご多忙の中、大変申し訳ございませんが、よろしくお願い申し上げます。
東京ビジョンアイクリック阿佐ヶ谷 井手武」
という、病院名や日付などの追加編集が必要なくそのままコピペをすれば良い形式になりました。皆さんはどの形式が好みかわかりませんが、私はこのプロンプト③のような最低限の編集が好みですのでこれで行くことにしました。
今日はここまで
指示(プロンプト)によって得られるレスポンスが変わるのがおわかりになったと思います。 これはあくまで私の好みの編集用のプロンプトですが、先生方もご自身のクリニックに適する形式になるようにプロンプトを工夫して下さい。
しかし、こんな面倒なことを毎回するのは現実的ではないので、現実的に運用でいるような工夫をしていきます。
ちなみにノートPCと違ってデスクトップPCにはマイクが無いので、当院では
と、効果がどれほどあるかはわかりませんがノイズ低減のためにUSB変換をしております
(再掲)とにかく試してみよう!
ChatGPTやCopilotやGeminiでは無料で試せるものがありますのでまずは触れてみてください。
目的は一般のAIを使うことでメリットやデメリットや使い分けの理解が出来て、医療AIでも結局そういったケアをしながら使うことでメリットが大きくなり、悪くないんじゃないという理解をされる先生方や医療機関が増えることが大切だと思うのです。
(再掲)AIと間接民主主義
これはMAPIのメンバーの言葉で感動したものです・
「データを提供していなければ、AIはその施設の特性を無視して判断するように、基準が作られていきます。学習データを提供することで、間接的に、自分たちの医療判断や患者層を基準に取り入れさせるという意味では、間接民主主義みたいだなと思いました。」
そういった意味でデータを提供してくださいということも大切ですが、AIを使ってダメさ加減にため息を感じていただくことでデータ提供が更に進むと思います
(再掲)このシリーズの目的は?
医療以外の日常でAIに触れることで、医療AIのデータ流通や医療機関へのAI導入が増え、患者さんケアの向上、医療従事者への負担減少、社会保障の負担軽減、医療レベルの上昇などにつながるというマクロ視点でのミッションと考えます。