見出し画像

リーダーシップ進化論とNYAUW⑪

【リーダーシップ進化論―人類誕生以前からAI時代まで について】

前回の投稿は「キャリアの離脱」などについてでした。


P166 【ネットワーク外部性には直接外部性と間接的外部性がある 直接外部性とはユーザー数が増えることで直接的なコミュニケーションが増加することの効用示す ユーザー数が多ければ内部でのコミュニケーションが活性化しコレクティブラーニングがすすみやすくなることは 明白であろう これに対して間接的外部性とはユーザー数が多くなることで内部における市場が大きくなることの効用を示す 大きな市場では様々な商品やサービスを販売するインセンティブが高まる小さな村で専門店開いても生きていけない しかし大きな都市ではニッチな商品を提供する専門店がむしろ繁盛することになるのだ】

P175 【群れのサイズと食料確保のトレードオフ 群れは大きくしたい しかし可能な限り移動はしたくない 群れの大きさが移動頻度を決めるのだからこのトレードオフには数学的な最適解が存在するはずだ 考古学的には狩猟採集生活を営んでいた頃の人間の群れは10から30人程度の小規模集団であったと考えられている 狩猟採集生活とはいえ豊かな自然を背景にして移動することなしにこれよりも大きな群れを維持できたケースもあっただろう ただその場合でも霊長類の脳の大きさと平均的な群れのサイズの研究から人間が安定的に繋がりを持てるのは平均150(ダンバー数)までと言われている なので第一次集団のみで構成される狩猟採集社会において人間の群れは150人を超えることはほとんどなかったはずだ さらに群れが大きくなってくると血縁度が下がってくる 血縁度が低下すると順位制が現れてくる 順位制においては劣位になるとその群れを離れるインセンティブが強く働く。この自己組織化によっても狩猟採集社会の胸のサイズは最適解に近づくようほぼ自動的に調整されたであろう】

P189 【経営学者ピータードラッカーはリーダーに求められる要件としてこの真摯さを特に重要したことでも有名だドラッカーはしつこいほどに真摯さが欠如した人間をリーダーにしてはならないと述べた】

P190 【問題はドラッカーが求めたような理想的な真摯さを持っている人間がこの世に存在するのかという部分である そんな人間はおそらくが存在しないと私は思うが権力者となる人間に真摯に振る舞うことのメリットを提供することができそうだ 高潔な内面(観察できないもの) を期待するよりも 真摯な行動( 観察できること) に対して具体的なメリットを設定する方が現実的ではないだろうか

P195 【自然に任せておくと破綻してしまう環境がリーダーを必要とするからだ】

P199 【そして現在の日本は自己組織化の結果として人口が自然と抑制されている 過去とは異なり現在の人口規制が政府主導でないのは権力者と一般人の情報格差がなくなった証拠なのかもしれない。 現在の日本人は権力者に言われるまでもなく自然とこの社会で子どもを産み育てることはできないと感じている】

P205 【農耕の開始以降に登場した多数の文明には地球の中緯度で大きく花開いたという共通点がある この理由については説得力のある仮説がある。 地球における中緯度の地域は一般に蒸発量が降水量より上回る このために中緯度の地域は日常的に乾燥する そんな不毛の地で暮らしていくためには水を求めて大河のほとりに集うしか生き残る方法がない 農業の技術も貴重な水で少しでも多くの生産物が得られるよう高度なものに発展させる必要があった 変化しないと生き残れない環境は進化を促す これと同じように不毛な環境に適応しないと生きのこれないことが文明の後押しをしてきたと考えられる 不毛な地域だったからこそ進化する必要があった。死にそうだったからこそ必死にいきたのである。

P166-205で抽出した部分から感じたこと


狩猟採集社会から農耕社会によって 支えられる人間の数が多くなり 移住から定住生活になり 所有できるものが増えてきた。 日本も右肩上がりの時代には環境週応力が多かった時代は企業が社員を終身雇用することもできました。 しかし、
・仕事のサイクルは短くなっている
・スキルの陳腐化が早い

・情報爆発で自分自身のカバー領域はせまい

このビデオ見てください

・企業はGOING CONCERN 事業の永続性を求められる
・そうなると家族ではない2次集団であることが多い企業の経営者側の視点としては そういったことに寄与できるようにOTJ(ON THE JOB TRAINING)をするというのはもちろん理想ですが それが追いつかないほど 色んなものの変化スピードが早くなっており、 外部からそういったスキルをもつ人材を雇い入れる ということが視野に入ってきます
そういったことで 先日の投稿でも記載した 「45才定年制」や 「学び直し」の議論も出てくるのだと思います


クリニック医療の視点から言いますと


・社会保障費の増大
・医療技術の進化
・新しい医療技術はコストが掛かる
・医療費のシーリングの中での分配
・高度医療の比率が少ないクリニックでは従来の医療の比率が多く 診療報酬は下げられる。
・競合クリニックの出現
・患者さんは情報化社会で情報の非対称性は少なくなっている

どうですか? こうやって 言語化・可視化すると結構クリニックが厳しい状況がおわかりになると思います。そして皆さまご存知のように これから人口動態や産業構造を考えても なにかのブレークスルーがなければ社会保障費に余裕が出てくることは考えにくいと思います。

経済的な視点だけでなく 医療内容についても書かせていただくと

・医療知識のDOUBLING TIMEはどんどん短くなっている
・患者さんの期待値は上がっている
・クリニック院長としてはなかなか新たな専門性を多く身につけることは厳しくなっている(THEORETICALLY POSSIBLE, BUT PRACTICALLY IMPOSSIBLE)

<専門性とソーシャルの失敗> IBMの推定によると医者は自分の専門分野の新たな文献に目を通すだけでも毎週160時間を費やす必要があるという。 (https://www.forbes.com/sites/steveandriole/2015...

Posted by NYAUW on Friday, December 13, 2019

<医療従事者はモテにくい?② 期待値と不確実性> 先日の記事<医療従事者はモテにくい?①>をもう少し抽象化してみます。 ①スタート地点の確定が難しい:最新の論文を参考にして、最新の医療機器を使っても診断能力は100%ではない。つまり、現...

Posted by NYAUW on Wednesday, December 4, 2019

<医師だけが連携する必要があるのか?①「特許と専門医」> 我々は、医学の全てを熟知した「神」のような医師を作り出すのは現実的でないと考えます。むしろ、個々の医師が専門科の一般的な医療に加えて、さらに深い自分の専門分野にも安心して専心してい...

Posted by NYAUW on Friday, November 1, 2019

<再度、ONAKAMA小括をします> 私は、医学の全てを熟知した「神」のような医師を作り出すのは現実的でないと考えます。むしろ、個々の医師が専門科の一般的な医療に加えて、更に深い自分の専門分野にも安心してディープ・ダイブしていけるような環...

Posted by NYAUW on Saturday, November 9, 2019



となると これはやはり他に専門性を依存して 自分の専門性を残しておくことも大切です そういった意味で 何でも出来ますというのも大切ですが その中で あらたな患者さんの流入を促すチャンネルというのが大切です それは単に XX科というのであれば 患者さんも紹介する先生も地域を超えて受診してもらうインセンティブとしては高くはないので利域の人口動態と疾病罹患率の関数に縛られます。そですので 患者さんや紹介してくれる先生が すこし遠くまで受診する(してもらう)言い訳となるサブスペシャリティというものをニッチでもいいので持っておくのが大切かと仮説を持っています。

もちろんWEBなどであまりにもニッチな専門性を掲載すると 地元の患者さんが来れなくなるので WEBには診療科についての紹介をする。そして医療従事者にはサブスペシャリティを知ってもらうという2チャンネルの立て付けが大切かと思うんです。そういった背景で出てきたものがこの紹介先プロジェクトなんです

2021年10月28日14時31分31秒
2021年10月28日14時31分31秒_001


今日はここまで



よろしければサポートお願いします。 NYAUWの活動は現在マネタイズを考えずに意義のみを追求するフェーズです。 ニッチな分野のやせ我慢プロジェクトですので お気持ちだけでも嬉しいです。