見出し画像

テレワークと在宅勤務(WFH)の違い

どれだけ「働き方改革」や「在宅勤務」という単語が飛び交っても普及しそうになかった日本において、目の前の危機と、御上の号令(というか学校お休み要請)に端を発して、腰が重かった企業や、「face to faceが一番大事」なんて言っていた役職層世代が、いそいそと、しかしあわあわと、そしてバタバタと「テレワーク」や「在宅勤務」を奨励せざるを得なくなった2020年3月。

ところで、その働き方を表して使われている言葉(「テレワーク」や「在宅勤務」)の使い方がバラバラ。社内で使われる言葉も、電車の放送も、テレビの報道も、まちまち。ここに「モバイルワーク」や「リモートワーク」も加わってくる。しかし、いずれも同じ意味を指して利用されているように見えるので、私なりの解釈と整理で言葉の違いと定義を整理してみた。

そもそもTeleWork(テレワーク)とは?

まず、前提として「テレワーク」は、オフィスをメインに働いている人が、オフィス以外で働くこと、と考えられるということ。メインはあくまでもオフィス

ちなみに、厚生労働省が作成した「テレワークではじめる働き方改革」から転載させてもらうと、政府の定義としては「離れたところで働く」のようだ。

テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。インターネットなどのICTを利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をすることができます。さまざまな場所での柔軟な働き方は、「従業員の育児や介護による離職を防ぐことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時に事業が継続できる」など、多くのメリットをもたらします。
テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会社全体の働き方を改革するための施策の1つとして期待されています。
出展:「テレワークではじめる働き方改革」厚生労働省
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category7/01_01.pdf

趣旨が在宅メインになっていたり、ざっくりしているような、そうでないような。視点としてはオフィスが中心にあってそこに場所のオプションを付加した考え方と見える。

言葉の定義と種類

とすると、きっとこんな感じで分かれているのかな?て。

画像3

ここでいうSatelliteOfficeは、企業がオフィスとして契約している空間のことを指していて、家賃を払って借りてるビルの一室などの物件や、WeWorkとか三井不動産のWorkStylingとかの中に企業占有スペースを有している場合のイメージ。軸がオフィスにある

ShareOffice & co-Working Spaceは、WeWorkやWorkStylingの共有エリアを企業の契約範囲内で使ったり、個人で有償・無償でスペースを手に入れて使ったりするイメージ。軸が個人にある

WFHとは、Work from Homeつまり在宅勤務。Work at Homeじゃないのか?て思いそうだけど、Work from Homeは、OfficeWork > TeleWork > WFH となっている通り、仕事というものの所在が企業にあることになる。それをインターネットなどを介して遂行している。at Homeだとこれ自体が全て家にあることになり、つまり自営業なんかはこれに近いのかもしれないが、企業人は F である。

こうやって見てみると「テレワークを推奨」と「在宅勤務(WFH)推奨」では働く場所の範囲が違っていることになる。

つまり「在宅勤務推奨!」て言われたら「家の中だけで働きましょう!」という意であり、近所のカフェで働くことは認められていない。でも「テレワーク推奨!」て言われたら「わざわざ出社しないで、働きやすい場所で働きましょう!」という意となり、とても融通が利くことになる。「テレワーク」という言葉のやさしさよ。

そもそもTeleWorkは和製英語

だが、そもそもTeleWorkなんて英語は存在しない。オンライン英会話で

I teleworked at a cafe near my home in the morning and at home in the afternoon.

なんて言っても「はぁ?」だ。どういう言葉を使うのか?って確認しても、そもそもあまり場所に依存した考え方なんてのがなくて、何をそんなに出社にこだわってるんだ?てなってしまう。

そんなわけで、英語の世界で、使うのだったら「Office」「RemoteWork」「MobileWork」「WFH」あたりが伝わる単語であって、間違っても「TeleWork」なんて言うと、「はぁ?」てなることを知っておくといいのかもしれない。

「ノートパソコン」や「サラリーマン」、テキマカおなじみの「ソフトクリーム」と同じく、「テレワーク」は和製英語なのです!

働き方改革元年は2020

さて、そんな「テレワーク推奨」の世の中も3週間となり、景気も未来も働き方もいろいろと議論されています。暗い話ばかりなのは仕方ないと思います。

こと働き方という点では、オフィスに出社というのがなくなると、明確に、働き方(特に個人のスタンス(自主的か受け身か、コミュ力あるかなど)やITスキルなどで、個の能力の差が明確になってきたり、マネジメントする側の意識の差、指示の出し方が問われる状態になってきたのを、日本企業は気が付き始めているのではないかと思う。

本職がITの世界ということもあり、ITスキルの話はまた別途考えてみたいと思います。

トリガこそ残念だけど、まったく中身のなかった「働き方改革」という言葉が、意味のある言葉に変化しようとし始めたという点では、2020年が働き方改革元年になるのかもしないですね。

いいなと思ったら応援しよう!