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産前産後を含めた女性に対する運動療法のオススメ本(運動指導者向け)

はじめに(本を紹介する経緯)


友人に、産前産後の運動指導のために必要な本を紹介してくれないかと頼まれたので、数日、何がいいのか考えていました。

目的はふたつ。

・女性のホルモンバランスについて知りたい
・産前産後に運動を教えるために必要な情報を知りたい

実はこの分野は日本ではまだまだ未開拓というか、理学療法の分野でもやっと世界基準の講習会が頻繁に開かれるようになった、という状況で、他の分野に比べて日本での生活スタイル・社会状況・性の扱われ方にフィットした本もとても少ないのです。

ですので、まずは英語の本や訳本からの紹介になりますが、最近出始めた日本語の本も含めて数冊ご紹介したいと思います。


Women's Health in Physical Therapy


わたし自身は、自分の産前産後のために、まずは以下の本を書いました。英語に不便がなければおすすめです。(また、PDF読み込みでネット上で翻訳にかける荒技を駆使すれば、綺麗な英語で書かれているので十分日本語でも読むことができます→おすすめ翻訳サイト「DeepL」)

女性の生涯にわたる身体のトラブルに対しての基本的なエビデンスとアプローチが書いてあります。こういう本を読むと、例えば乳ガンや子宮ガンなどの術後や、更年期障害など、産前産後だけでなく女性の身体は男性とは違うものなんだなと気づきます。もちろん、男性特有の疾患もあるわけで。

*現在アマゾンで異常に高額なので、Kindleか、別の購入方法のほうがいいかも・・・


妊娠・出産でもっと輝く女性のからだのケアガイド


次に購入したのが、産後直後の運動に関してより実践的な説明をしてくれているこの本です。これはフランス人医師が産後の骨盤底筋群の保護を目的に開発した「ガスケ・アプローチ」の入門書でもあります。読み込んでみると、産後の腹腔や腹圧のコントロールに関してとても詳しく、また実際の姿勢や運動など詳しく紹介されていました。結局は、ガスケ・アプローチの講習会にも参加して、初級の指導の資格もとりました。


標準生理学(第9版)

次に、そもそも生理学についての知識自体が必要な場面も多く出てくるので(女性特有のものを知る前に、人間としての生理を知る必要があります)、この本も紹介したいです。もっと簡便な生理学の本もたくさんありますが、省略して簡単に書かれているものはテスト対策には便利だけれども本当に必要になった時に情報が足りない!となるので、生理学や解剖学などの基本的知識・各専門の基本的知識には、標準シリーズがおすすめです。難しく感じるかもしれませんが、とりあえず一生使えます。(版は改定されますのであれですが・・・わたしが持っているのは第8版で、一昨年買い替えました。)



ウィメンズヘルス リハビリテーション と 
理学療法士のためのウィメンズ・ヘルス運動療法


以下の二冊は、近年出版された新しい知見を組み込んだ運動療法の本です。最初に紹介した英語のものと比較すると、内容は妊娠・産前産後の情報が多いように思いますが、日本におけるこの分野の研究者・臨床家のオムニバスで女性の身体のための運動療法がまとめられています。



Evidence-Based Physical Therapy for the Pelvic Floor と 
The Pelvic Girdle: An integration of clinical expertise and research, 4e

もし今から改めて骨盤底筋群に対するアプローチを真剣に学ぶとしたら買いたい二冊。後者は、図書館で借りて読んだことがあります。前者は、未読。


女性アスリート指導に必要な基礎知識


最後に、わたしの所属するスクールオブムーブメントでも、女性特有の生理に関わる指導について、日本ラグビー協会でお仕事をされている平井晴子さんに講義をしていただいたことがあります。成長期の女子アスリートや、女性に運動を指導する皆さんにはぜひ見ていただきたい内容が、わかりやすく説明されていますので、もしよければこちらもぜひ。