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電験2種 2次試験の所感・使用した参考書

 2年間の勉強を経て電験2種に合格しました。この経験をもとに、電験2種の取得過程や電験2種 2次試験の所感、さらに使用した参考書などについて整理しました。
 使用した参考書は「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」「電験二種完全攻略 二次試験対応: 過去問240問を体系的に学ぶ(オーム社)」の3冊です。


1.電験2種 2次試験での目標得点 / 自己採点

1-1.目標得点

 電験2種2次試験の合格基準は「2科目の合計点が6割以上」且つ「2科目ともに平均点以上」です。2次試験の対策する中で、次のような得点を目指しました。

<目標得点>
電力・管理 60/120点以上
機械・制御 50/60点以上
   合計    110/180点以上 (6割は108点)

勉強期間は、1次試験日(8月)から2次試験日(11月)までの約3か月間でした。電力・管理の計算問題は難しく感じましたが、機械・制御の計算問題は演習を重ねれば対応できるか感触がありました。限られた時間の中、電力・管理の論説問題は運良く部分点を狙う程度で、期待できない状況でした。以上を踏まえて、機械・制御で出来る限り高得点を取り (一部に難問が出題されることを考慮して8割以上)、そして合格点(6割以上)から逆算し、電力・管理は最低限として5割得点できれば合格に滑り込めると考えました。

1-2.自己採点

 2次試験終了後、公式解答を参照して自己採点を行いました。公式からは合否のみが発表され、正式な得点は開示されません。これはあくまで私の予想得点です。
 電力・管理の計算問題では、2つとも過去問の類題が出題されました。これを確実に得点出来たことが合格に繋がりました。これは非常に運が良かったと感じています。

<自己採点>
電力・管理 60/120点 
( 内訳:計算①30/30点 計算②30/30点 論説①0/30点 論説②0/30点 )

機械・制御 50~55/60点
( 内訳:変圧器25~30/30点 制御25/30点)

合計 110~115/180点 (6.1割~6.38割) ⇒ 電験2種合格


2.各科目の所感

2-1.電力・管理

 始めに「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」を用いて、計算問題で得点出来るよう繰り返し取り組みました。その際、問題を解いた日付と記号(〇、△、✕)を付けました。
 内容をある程度理解して後は、「電験二種完全攻略 二次試験対応: 過去問240問を体系的に学ぶ(オーム社)」にて問題演習を行いました。しかし、私は勉強期間が短いこともあり、「電験二種完全攻略」の電力・管理の計算問題は1週しかできませんでいた。

難易度が低い計算問題が1つ出ると予想、その問題を確実に取る
 電験1種にも言えますが、過去問演習を通して、本試験では難易度が低い計算問題が1つ出ると私は感じています。この問題を確実に得点出来るかどうかが、合否を左右します。私は電力・管理は60点以上を目指していたため、この計算問題で20~30点を確保することが重要でした。もしこの計算問題を落とすと、他の問題で60点以上取ることが非常に難しくなります。

 本試験では、次のような流れで取り組みました。
①試験開始直後は、すべての問題と図にざっと目を通す
②その中で、(直感で)計算問題で取り組みやすそうな問題、又は過去問の類題があるか確認する
③その問題を優先して解く

試験時間は120分であり、計4問を解答するためには1問当たり30分が目安です。しかし、得点出来そうな問題は30分以上かけも良いと考えでいました。

4問すべて解答する必要なく、得点を伸ばすために1問捨てる覚悟で
 電力・管理は計4問に解答します。試験時間は120分ありますが、実際問題を解いていると、非常に時間が足りないと感じました。最低でも60点を取る目標でしたので、本試験の問題によっては3問解答、1問捨てという場合も想定し、得点出来る問題に時間を割くようにしました (この時、私は論説問題を大方捨てていたので、必然的に1~2問捨てのような形になっていましたが)。

2-2.機械・制御

 始めに「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」を用いて、計算問題で得点出来るよう繰り返し取り組みました。その際、問題を解いた日付と記号(〇、△、✕)を付けました。
 私としては、機械・制御 は比較的解き易い科目であったため、電力・管理よりも過去問演習を多く行いました。過去問演習には「電験二種完全攻略 二次試験対応: 過去問240問を体系的に学ぶ(オーム社)」を使用しました。

「自動制御」問題は必ず選択、本試験時には最初に解答する
 「自動制御」は大学時代に講義を受けており、ブロック線図、伝達関数、最終値の定理、ラプラス変換、ナイキスト線図などの知識があったため得点が期待できると考えました。さらに、過去問演習を通して、一定の出題形式をカバーすれば高得点が得られると思いました。
 試験時間は60分で、電力・管理科目と比べてとにかく時間がありません。予め「自動制御」を解答すると決め、時間ロスを極力減らすように心掛けました。

<補足1>
 もちろん、本試験で「自動制御」問題の難易度が高いと感じた場合は、他の問題に切り替える柔軟性も必要です。しかし、私は過去問の傾向から、「自動制御」で得点が期待できると判断していました。

<補足2>
 電験1種では「自動制御」分野において現代制御が出題されます。これは大学時代に学習したことが無い内容でした。ただ、現代制御も出題形式が似ているため、過去問演習を通して理解をしていきまいた。

「自動制御」以外は「変圧器」「誘導機」「同期機」を選択
    (※「直流機」「パワーエレクトロニクス(パワエレ)」は捨てる)

 1問目は必ず「自動制御」を選択、2問目は「変圧器」「誘導機」「同期機」から出題される問題の内、解き易そうな方を選択しました。機械・制御は50点以上を目指していたため、「変圧器」「誘導機」「同期機」のどの問題が出題されても対応できるように勉強をしました。
 次の2つは勉強せず、本試験では捨てる問題としました。勉強期間が約3カ月と時間が限られていたため、出題頻度が低い又は得点が期待できないものは捨てるようにしました。
・「直流機」:過去問を見ると出題頻度が低いため
・「パワーエレクトロニクス(パワエレ)」:問題が難しいため


3.使用した参考書

 使用した参考書は「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」「電験二種完全攻略 二次試験対応: 過去問240問を体系的に学ぶ(オーム社)」の3冊です。

<「これだけ電力・管理 -計算偏-(電気書院)」
 「これだけ機械・制御 -計算偏-(電気書院)」を使用しての所感>
 2021/11/17にて、2冊とも改訂新版されています。私が使用したのは改訂新版される前のものです。改訂新版された書籍の中身を確認しておりません。以下は改訂新版前の私の所感です。

 この2冊の参考書は、2次試験で必要な基本事項が整理されている印象です。いきなり2次試験の問題を解ける方、解答を読んで理解できる方には不要かもしれませんが、そのそうな方は少数だと思います。私自身もこちらの参考書で基本事項を理解したことが大変良かったと感じます。電験1種 2次試験対策を始める前に、まずこちらの参考書で基本事項を復習しました。
 ただし、昭和に出題された過去問が一部掲載されているため、近年の出題形式とはズレがあるかな?と感じました。しかし、昭和に出題された過去問がダメという訳ではなく、基本事項の定着を目的とした問題としての意義があると思います。

<「電験二種完全攻略 二次試験対応: 過去問240問を体系的に学ぶ(オーム社)」の所感>
 過去問が厳選されて掲載されています。以下にその利点と欠点をまとめます。

●利点:
 電力・管理 / 機械・制御がそれぞれの分野ごとに整理されて、過去問が掲載されています。分野ごと集中して問題を解きたい方は良いと思います。私は個人的に、分野ごとに集中して問題演習を行うスタイルが好きです。

●欠点:
 直近の過去問は掲載されていません。本書とは別で過去問を集めることになります。ただし、この点に関しては、過去問題集の購入、又は公式の試験センターHPや電験王殿のHPなどで過去問を参照できます。


4.さいごに

 これらはあくまで私の所感です。勉強方法や参考書がすべての方に合うとは限りませんのでご注意を。

ではまた!

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