自分の文章が意図せず誰かを傷つけていないか気をつけよう
こんにちは!テキスパートの今野です。
日頃ライターさんが書いた記事をチェックしていると、
「あーこれは読む人によっては傷つく人がいるな」
と思ってしまう表現が度々見られます。
記事は「宛先の顔が見えない手紙」のようなものです。
一応、想定読者である「ペルソナ」が設定されてはいるものの、特定の個人の顔が浮かばないため、つい配慮の欠けた表現をライターさんが使ってしまうことがあります。
動画でも解説しています。
何かを上げるために別の何かを下げる
商品比較記事などでよく見られます。
例えば、今年発売されたばかりの冷蔵庫Aと、2年前に発売された型落ちの冷蔵庫Bを比較する記事を書くとします。
比較サイトの運営者であるクライアントとしては最新の冷蔵庫Aを押していきたいため、冷蔵庫Aの良さを中心に書くようライターに依頼します。
このような場合、ライターは冷蔵庫Aの性能を分かりやすく強調するため、比較対象として冷蔵庫Bのことを必要以上に下げて書いてしまうことがあるのです。
上記の文章を読んでいただくと分かりますが、冷蔵庫Aの性能を強調するあまり、比較対象である冷蔵庫Bを必要以上に下げてしまっています。(砕けた表現を使うのであれば必要以上に”ディスって”います)
また、”ディスり”の対象は冷蔵庫Bだけでなく、冷蔵庫Bを購入した人々にも向いています。
片方を必要以上に持ち上げるために、もう片方に該当する人々を不必要に傷つけてしまっています。
もう一つ、「正社員と業務委託契約の比較」というテーマで過去にこのような文章を読みました。
これを読んだ今正社員として働く人々はどう思うでしょうか。
イラッとするはずです。
業務委託契約で働くことの魅力を紹介することが記事のテーマであっても、比較対象をけなしたり、軽んじたりするような表現は控えるべきです。
読者の心理状態を分かっていない
これは以前こちらの記事でも書いた内容です。
「ペット 火葬」というテーマでライターさんに記事を書いていただいた時、以下のような文章がありました。
自分にとって大切な人やペットが亡くなった時、上記のような言葉をかけられたらどう思うでしょうか?
「ペット 火葬」というキーワードで検索している人の精神状態を考えてみましょう。
大切なペットが亡くなったばかり、もしくは病気や怪我などでペットが近いうちに亡くなってしまう可能性がある、そんな状態にいることが推測できます。
焦り、不安、恐怖、寂しさ、様々な感情が渦巻いていて、居ても立っても居られない状態のはずです。
「死」という表現は使わずせめて「亡くなったら」。
「効率的」のような、火葬を面倒な”作業”と捉えるような表現は使わない。「コストを抑えられる」も「ご予算に応じた」などより丁寧な表現を使う。
自分が知っている人に言葉をかけるつもりで使う表現は選びましょう。
面白い・役に立つの前に「思いやり」を
面白い・役に立つ記事を書くのがWEBライターの仕事ですが、その目的意識が先行するあまり、悪気なく誰かを傷つけるような表現を用いていないか注意しましょう。
最近では、敢えて過激な言葉遣いや他者を傷つけるような表現を使い、人々の注目を集める所謂「炎上商法」も様々な媒体で見られます。
個人のSNSやブログであれば、炎上による批判の矛先は投稿者個人にのみ向きますが、クライアントワークではそうはいきません。誰かをいたずらに傷つけるような記事が仮にそのまま公開されてしまった場合、社会的制裁を受けるのはライターではなくクライアントです。
「バズる」ことばかりが重視されがちな昨今ですが、コンテンツ制作においては「思いやり」の心を忘れないようにしたいものです。