白猫テニスは誰がなんと言おうと「本格テニス」である
「白猫テニス」にはテニプリを彷彿とさせるような超人的な技の数々が登場する。そのため、「指先1本で本格テニス」というコンセプトは、キャラが巨人化したり、打球がテニスコートを破壊するような新技が登場する度に「どこが本格テニス(笑)」と常々イジられてきた。
しかし、小1の頃よりリアルテニスへ人生を捧げてきた自分から言わせれば、どのテニスゲームよりも確かに本格的なのである。今回はそんな白猫テニスの凄さをちょっぴりお伝えしたいと思う。
結論から言うと、白猫テニスのゲームシステムの一つである「スイングエリア」というものが過去のテニスゲームになかった画期的な発明ともいえる代物で、リアルテニスさながらの奥深さを生んでいるのである。
スイングエリアとは上の画像にあるようにキャラの周囲についてくる白い枠のことで、その名の通り、ラケットをスイングした時に球にヒットする範囲を示している。つまり、この枠内にボールがある時ならば球を打てるし、そうでなければ空振ったり、球を打つことに失敗する。加えて、このエリア内のどこに球が位置している時にスイングするかによって、飛んでいく球のコースが変わってくる。
このシステムの存在によりリアルテニスの面白さをゲームに落とし込むことに見事に成功しているのである。
私が考えるところでは、リアルテニスの面白さとはズバリ狙ったコースへ球を正確に飛ばすところにある。そして、狙ったコースへ球を飛ばすために最も大事なのはどのタイミングでラケットを球にヒットさせるかという「打点」。この打点がコンマ1秒でもずれると球が狙った場所へ飛んでいかない。
この打点という概念がスイングエリアによって上手くゲーム化されている。
私の知る限り、これはテニスゲームでは初めての試みで、マリオテニスやパワースマッシュといった他のゲームでは球を打てる範囲が視覚化されておらず、プレイヤーは何となく球へ近づき、何となく左右へ打ち分けることしかできず、そこに成長の余地はない。しかし、白猫テニスではスイングエリアの存在により、左のコースへ打つ時には、例えばどれほど浅く打つのかまで細かく計算して打つことができ、無限の成長の余地がある。これがリアルテニスさながらの面白さを生んでいるのである。
リアルテニスプレイヤーの自分がなぜマリオテニスなどの他のゲームにはハマれず白猫テニスにはハマることができたのか考え、スイングエリアの存在に気づいた時、コロプラ社のゲーム作りの巧みさには本当に感動した。
リアルスポーツをゲーム化する際、そのスポーツの面白さの芯の部分をいかにゲームに落とし込むかが重要になるかと思うが、それに成功している好例だと思う。