ダンジョンエンカウンターズが面白い話
※大したネタバレはなく、地下20階に到達したばかりの人のプレイ感想です。
10/14に発売されたダンジョンエンカウンターズが面白い。
写真のようにマス目の床と数字で構成されるダンジョンゲームだ。
正直に言うとプレイ直後は困惑したし、地下3階位までは面白さがわからずに「単調だなあ」と思ったりもした。thinkって何だよ、考えるとこないじゃんと思っていた。
それでも今は違う。このゲームは面白い。
キャラメイクやボイスは無い。グラフィックもストーリーも最低限だ。むしろ目に見えて用意されたものは無いレベルだと思っていい。ダンジョン探索ゲームなのにダンジョンはマス目の床と数字だけで表現される。
それでも、「05」「06」の数字の並びを見ると安心するし、白い数字が密集するエリアを見つけると、「街だ!」と思うようになる。
死体回収なんて生まれて初めてやった。
ゲームで全滅なんて久しぶりだった。
このゲームは説明がない部分の方がほとんどだ。
それでも、何故か私の中にストーリーが生まれた。
自分の想像力が勝手に使われる
仲間が瀕死スレスレになったので、いつものように「06」の床を探そうとした地下数階目、私の頭は「ナンガパルが死にそうだから生命の泉を探さなきゃ」になっていた。このゲームに生命の泉なんてものはない。あるのは「06」と書かれた床一枚だ。
それでも、清浄な水が湧き出る小さな噴水で私のナンガパルは傷を癒やした。
なんならラウラギは顔を洗っていた。近くにエルバが立っていたし、少し離れたところでゲイシャブランは石造りの床に腰を下ろしていた。
想像しようとした訳ではないけれど、自分の想像力が勝手に使われる。
私のパーティのラウラギもナンガパルとエルバもゲイシャブランも、キャラ情報として数行の過去がある程度で、どんな振る舞いかも知らないし喋り口調も声の高さも性格も知らない。
地下3階程度では彼らもまだ記号だった。
地下7階あたりで、ブリタニア銃をドロップした。
その付近の敵をサクサクと屠れる便利な武器だった。初めはエルバに持たせていたが、獣人のエルバにはどうしても遠距離武器のイメージが付かず、ゲイシャブランに持たせた。
するとアカデミー校長ゲイシャブランは後衛で魔法と銃をぶっ放す頼れるおじいちゃんになった。
エルバにはランダムで大ダメージを与える斧、ラウラギには弓、ナンガパルには剣を与えた。
武器が違うことで、私のパーティでの彼らの役割や雰囲気が生まれた。ついでにエルバは何も喋らないイメージも勝手についた。
なお、全員ブリタニア銃を装備して敵を屠りまくるのは、その後すぐの話だった。
全滅の予感
地下9階あたりでブリタニア銃による脳筋プレイをするよりも、固定ダメージ武器で敵を殴ったほうが早く倒せるパターンが出てきた。
それでもブリタニア銃は猛威を振るったが、少しずつ色んな倒し方を試していた。これもまた楽しい悩みだった。
相変わらず敵は黒い数字で表現されるが、ふと気が抜けた時に踏んだ16進数の床の敵がやたらと強かった。
エルバが死んだ。なんか事故でラウラギも死んだ。敵は倒した。残りの味方は2人、生命の泉も近くにない。
そもそもこの階層にあったかすら覚えていない。
行き着いた先に、謎の転移装置があった。
既にこの頃には、このゲームでは唐突にパーティも全滅するのだろうなという事は分かっていた。大人しく地上へ転移した。
久しぶりにアカデミーに戻った時に、パーティ以外のキャラクターのレベルが低い事に気がついた。死体回収という古典ファンタジーによくあるアレを私もいよいよやる時が来るのかというワクワク感と、死体回収時に一人は強いヤツがいないと危ないよなという気持ちが生まれた。多分ゲイシャブランもそう思うと思う。
万が一に備え、ナンガパルをアカデミーに置いていく事にした。
ナンガパルを置いた理由は、パーティの中でもいまいちキャラが掴みきれなかったという些末な理由だった。
代わりに引きこもりのシュローツェが加入した。
13階南62東15
唐突に全滅した。
シュローツェを迎えたパーティは順調だった。
ブリタニア銃を4本から2本に変え、ラウラギのロングボウもキレがよく、ゲイシャブランの全体魔法も強かった。
12階の街で装備も買い揃え、パーティは準備万端だった。
※12階に突如現れる活気のある街並み。
地下13階にも早々に到達した。大きな変化はないだろうと思っていつも通り進もうとした。慣れが来ていた。床の数字もろくに見なかった。
出くわしたのは見慣れたかわいいゴースト一匹だった。
能力値がすべて5桁くらいの。
13階南62東15でパーティは全滅した。
念願の死体回収
死んでしまった彼らを回収すべく、地上のアカデミーで新たなパーティが編成された。
ナンガパル、記憶喪失のセスパーレ、伝説の戦士ロードピーク、武器集めのジュンガだ。
レベル上げも兼ねて4人で出向くことにした。
先行のパーティではいまいちキャラが掴めない理由で置いて行かれたナンガパルの出番がやってきた。全滅に備え一人退避した、ラウラギ達と唯一面識のあるナンガパルだ。
13階までの道中、一番頼れる役回りだった。セスパーレ達が死んでもナンガパルが耐えきった。
取りこぼしの地図問題も回収し、12階の街についた頃にはレベル差もあまり気にならない程になった。
昔の仲間がみんな死んでしまったナンガパル、バスタードソードで敵をなぎ倒すロードピーク、ブリタニア銃をうっとり眺めるジュンガ、ロングボウで敵をはたき落とすセスパーレ達もまた、街で一休みした。
13階南62東15に着いた。死体回収というのはパーティに空きがある状態で無いといけないことを知った。連れて帰るのだから当然なのかもしれない。
2回に分けて、ナンガパルがラウラギ達を背負って帰った。転移装置はありがたかった。地上でラウラギ達は生き返った。ゲイシャブランの読み通り、ナンガパルを残したのは正解だったのだ。
ダンジョンエンカウンターズはオススメ
私の許可なく勝手に脳みそが使われるし、バトルもそこそこ面白いし、探り探り色んな事が出来るようになるのが面白い。
唐突に知らない効果にかかった時の焦りや、16進数に囲まれたときの嫌な感じ、白い数字に感情を抱き始めるなど、実は結構気に入っていたりする。
今の時代に変なゲームだとは思う。
FFTAのユニット加入みたいにランダムでも良かったと思うけど、そうすると完全に沼になりそうなので有限のネームドキャラの中でやりくりするくらいが丁度いいのかもしれない。
また明日もラウラギ達とダンジョンを潜りたい。
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