”Because it’s there.”

ぼくは、投資家から年利10パーでお金を借りて、15パーで貸しています。

いまは、不動産を担保にお金を貸しています。

抵当権の順位が2番、3番、4番でも余力があると判断すればお金を貸します。

共同持分でもお金を貸します。底地でも借地でもお金を貸します。

15パーで借りた債務者の大半は自力で完済できません。

よその街金に借り換えてぼくのもとから旅立つか、売って返済します。競売申立てすることもあります。

街金の15パーは暴利だ！反社だ！ネタでしょ？とツイッターでは日々弄られますが、よく考えてください。

1000万融資したとします。債務者が月に支払う利息は12万くらい。

1000万を30人に融資したとします。毎月入ってくる利息は370万くらい。

単純計算で370万の12ヶ月で4400万くらい。これが年間の粗利です。

給料払って、事務所の家賃払って、取立てカーのガソリン代や車両保険、飲み代や投資家への貢物、あちこちに納税して、貸金業協会への上納、JICCの検索や登記情報サービスの登記情報取得費、そんなこんな支出を考えると、1000万を100人に貸してもらえる利息の1億5千万くらいは最低必要だと思いません？

1000万を100人に貸すと貸付残高は10億円です。

しかし、です。

冒頭に言いましたように、ぼくは投資家から10パーで借りて15パーで貸してるんです。

1000万を100人に貸して得られる利息の1/3しか残らないわけです。

100人に貸して5000万。はい、やっぱり会社が成り立ちません。

この3倍貸さないといけません。1000万円を300人に貸して…。貸付残高は30億…。

はい、もう無理です。回収も取り立ても無理です。少人数で抱えられる債務者の数ではありませんし、15パーで借りるひとが次々降ってくるわけでもありませんし、みんなが1年借りてくれるわけでもないですし、3億とかまとめて借りてくれる債務者は早々に沈没しますし。

債務者全員が期日通りに利息を払ってくれないのに、ぼくは投資家に期日通り利息を払わなきゃいけません。

もうこうなってくると、ぼくが15パー街金をやってる意味あるの？って思いますよね。

だから、ぼくは甲区に登るんです。

乙区（不動産登記簿の所有権以外の権利-不動産担保で借りた借金など-が記されるところ）に抵当権者（債権者）として名を刻み、
甲区（不動産の所有者が記されるところ）にも名を刻むんです。

ぼくは日頃、「そこに、山（甲区）があるからだ。」と、甲区にいとも簡単に登頂しているようにツイートしていますが、そこには債務者との壮絶な闘いがあるわけです。

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「なあ、利息ぜんぜん払ってないのわかってる？もう遅延損害金20パーになってるのもわかってる？」

「はい…。来月にはまとまったお金が入るんでそれで払います…。」

「それ、先月も先々月もずっと言ってるけど？」

「はい、すいません、今月はまちがいありません…。私がかかわってるメガソーラーを韓国のファンドが買ってくれるんで…。」

「いまどきどこの韓国人がメガソーラー買ってくれるんだよ。おまえ大概にしろよゴラァ。」

「はあ！？おまえって言った！？あんたにおまえ呼ばわりされる筋合いない！」

「はぁ！？利息払ってないコジ（ﾋﾟｰ）が逆ギレかゴラァ。」

「もう警察に言う！」

「コジ（ﾋﾟｰ）が勝手にしろやゴラァ！いまから家行くかんな！」

ほら、もう子供のケンカです。

数日後---

「先日はすいません…失礼なこと言いました…。」

「オレもカッとして言いすぎたよ。」

「やっぱり、利払い苦しくて…相談したくて…。」

「じゃあ、お宅をうちで一旦買い取ってあげるよ。で、そのまま住めるように賃貸借契約結ぼうよ。いままでの利息を家賃として払ってくれればいいから。」

「でも、家賃遅れるかもしれませんよ？」

「いままで年利15パーだったけど、13パーになるくらいの家賃設定でいいよ。これまでの遅延損害金もチャラにしてあげる。だいぶ楽になるでしょ？」

「でも、わたし、いずれ買い戻したいんですけど…。」

「もちろんだよ、ちゃんと買い戻せる書類作るよ。」

「嗚呼、神様…。」

ここまでくれば、ぼくの取立てから解放されるという理由だけでトントン拍子で手続きが進みます。

先順位の銀行やノンバンクの債務を肩代わりして、ぼくへの所有権移転を登記します。登記はキャバクラせんせ（@popoyoman）にお願いします。

ぼくが15パーから13パーに下げたところで、先順位の債権者は一桁前半の年利だったわけですから、毎月の支払いは増えるのに、もうそんな計算できないのが多重債務者です。

これで、表面利回り13パーの収益物件の完成です。
これを、
「オーナーチェンジ　表面利回り8％」
にして、レインズにでも放り込んでおけば問合せ電話ラッシュです。

”Because it’s there.”     ジョージ・マロリー

債務者が買い戻せる書類？売渡し承諾書でも渡しとけばいいんですよ。

おしまい。

＊細かい計算して、あれ？おかしくね？とかやめてください。

【お知らせ】

実は明日、ちょっとしたお知らせします。今までしょうもないツイートを積み重ね、融資契約中もTLに常駐してただけのぼくにとって、アサックスからスカウトされるくらい名誉なことで。

告知ツイート、RTしてくれるとうれしいです。