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人間の子供とペットは何が違うの?(こどもてつがく 高学年)

ゲスト:きんちゃん(桝形公也先生)

今回のテーマは前回のノラとペットは何が違う?の振り返りから面白いと思ったキーワードをもとに、
「人間の子供とペットは何が違うのか」に決まりました。

前回と同様に金魚鉢の方法で対話を行いました。2グループに分かれて、観察者はそれぞれ決めたポイントに注目して観察します。
そして今回、観察者は「質問だけできる」というルールが新しく追加されました。
でも、意見は言ってはいけませんよ~。金魚さんたちが話しているときに、これってどういうこと?と思った事を質問してみましょう



では一つ目のグループからスタートです。

「人間とペットは種族が違うけど、気持ちがあることや、大切にされている事など、他は割と似ている」

「心や気持ちなどがある、目に見えない所は同じだけど見た目や食べ物など目に見える所が違う気がした

「人間と動物で見た目が違うけど部屋があったり餌をあげる、可愛がられていること、扱われ方が同じで、同じところ違うところがある。

比較的、人間の子供とペットは共通点が多いと考える子が多そうです。

他に違う意見があるか聞かれると、本日のゲストきんちゃんから

「人間の子供に対して飼われれているや、餌を与えるとは言うかな?」


と質問が。

確かに、子供に対して飼うや餌を与えるとは言わないですよね。

それに対し


「人間の子供もペットも愛情をかけられているのは同じ。」

「動物はオス、メス、人間は男、女と、使う言葉の違いがある。」

と、使う言葉は違うけど、やはり愛情のかけ方は似ているという考えでした。

ペットは家族同然というより、大切な家族なんですね。


ここで新たな疑問が。

「人間は動物じゃなかったっけ??」

そう、私たち人間も動物です。なのに、人間に対してだけ、違う言葉を使う必要があるのかな。


「人間は特殊な生き物だから」

「人間は動物だけど、他の動物とはかけ離れていて、特別だから


どういったところが特別なんでしょうか。

これについてはもう少し考えてみたいところです。



「飼う側や可愛がる側が人間」で「大人が上で、子供が下」という関係性から、ペットと子供が似ている点が多いと感じているようでした。


ここでこんな疑問が出されました。

「人間の子供とペットは何が違うのか、というこの問いには、大人の視点が入っているのではないか? 動物と人間の違いはあるけど、どうして子供とペットを並べて考えたんだろうか。

確かに、人間が飼い主ということは、子供も飼い主の一員です。
なのに飼い主である子供とペットを並列して比べるのは不思議です。子供たちも、それを聞いて、


「そうすると、違う点が多くなる。」

と考えていました。



ここで、観察者さんから質問がきました。

餌をあげるはペットに使うけど、人間には使わない、

でも、愛するのは一緒。

言葉の表現の違いはあるけど、

所有しているを言い換えると、人はペットを飼っている。

じゃあ、大人は子供を・・・・・???


「持っている?」


「養っている!!」

なかなか難しい言葉が出てきましたね。さすが高学年です。


「人間の子供は親が結婚して産まれるけど、ペットは親が違う。

動物の子供を買ったり、もらってきている感じがある。」

「人間の子供はやりたいことなど親に伝えることができるけど、ペットはしゃべる言葉が違うので、自分のやりたいことを伝えることができない。」


今日のゲストは親でもあるので、親の視点からの意見が出ました。

「同じ意見です。

やっぱり、親ということを考えると、自分の子供をペットとは言えない。」

と子供とペットは違う意見が改めて出ました。


人間の子供は親子の関係で、ペットは飼い主とペットの関係であって、親の代わりに育てているということになる。

そうすると、養子にもらうのは、ペットと何が違う??


と新しくファシリテーターから問いかけられたところでタイマーが鳴りました。


では観察者からのコメントをもらいましょう。


  • 全体の流れとその変化について

最後にかけて発表やコメントが多くなっていた気がした。

  • 言葉や話し方について

いろいろな所と紐付けて話せていて良かった。

  • 聴くことについて

うなづいていたり、意見を言っている人の顔を見ていて、聞いているのが分かって良かった。

質問して話が続いていたし、反応もしていた。

  • 議論のポイントについて

人間と動物はどんな感じで違うのか。

人間は特別なのか。

大人が上で子供が下という親子の関係性。

人間の子供は親子、ペットは飼い主の関係。というポイントがあった。

養子だったらペットと同じなのか。

人間の赤ちゃんはペットと似ているのではないか。

この二つは時間が足りなかったのでもっと聞きたかった。

  • 助け合いについて

うなづきながら聞いている人が多かった。

具体例をたくさん出していて分かりやすかった。

相手が言いたいことを聞き取ろうとしていて、話を聴くことはちゃんと考える

ことなんだ、と勉強になった。

同時に話す事がなく、1人が話しているときみんなよく聞いていて、話しやすかったのではないかと思った。

  • 考えることについて

終わりに向けて子供とペットの

違うことが多いことが分かった。


観察者さんも自分の注目すべき部分をしっかり観察出来ていましたね。


では中の金魚さんが変わります。

同じテーマなので、先ほどの議論も聞いていますね??それを踏まえて、議論を深めてください、、、とファシリテーターからプレッシャーが。


「ペットショップはあるけど、人間ショップはない。」

「ペットはお金で買えるが、子供はお金で買えない。」

人間の子供もペットも同じだと思う。ペットになる条件は子供が生きていくために必要なこととほぼ同じだから。」

「ペットのお誕生日を祝う人はいるのか気になった。」

「見たことない。」

「ペットショップにケーキが売っていたのを見たことがあるので、祝う人はいると思う。」


皆、先ほどの対話をしっかり聞いていただけあって、よく考えていますね。

ここで、

生かすための条件がペットと人間の子供がほとんど一緒だからかわらないんじゃないか、という意見に対してどう思う?とファシリテーターが、改めて問いかけました。


人間にも動物にも病院はあるし、、、、一緒かな??」

でも、人間の病院はいろいろ分かれているけど、動物は動物病院しかないよ。」

確かに人間の病院は内科や外科、歯科など専門で分かれていますね。


ペットは四足歩行だけど、人は二足歩行で違うよ。」

「でも赤ちゃんは違うよ??」

と笑いがおきました。

初参加スタッフの、のぶくんが、

「引っ越しをしようと思っていてマンションを調べているんだけど、ペットがダメという建物は多いけど、人間の子供がダメな建物は聞いたことがないと思って。」

確かに~と皆の賛同を得てました。

何がちがうんだろ?

「そういえば、動物アレルギーはあるけど、人間アレルギーは聞いたことないかも。」

「動物は鳴いたら近所迷惑になるけど、赤ちゃんが泣いたら心配する人もいるかも?」


「親からの愛情がちょっと違うかもしれない?」

今までは愛情という点では人間の子供もペットも同じという意見が多かったように感じますが、ここで愛情のかけ方も違うかもしれないという意見が出ました。


「動物だったら狩りを教えるけど、、、」

「ペットに狩りは教えなくない??」


「人間はお米、肉魚を食べるけど、動物は餌を食べる。」

「生活に違いがある。トイレとか。」


親からの愛情がどう違うのかもう少し聞いてみたいところです。


対話は進みます。

「ペットと家畜とどう違う??」

「ペットが人間に近いかもという話は多かったけど、逆に人間がペットになる事はある??」

「人間より強い動物がいたら?人間がペットになる?」

「猿の惑星とか?」

自分がペットになるのは、主のほうが大きかったり、強いわけではないけど、有利なんだそう。

「可愛がってもらいやすいような品種改良を動物はするけど、人間はしない。」

「人間の子供は親に恩返ししてくれるけど、ペットは恩返ししない。」

なんて意見も出ました。

あっという間に15分経ちました。

では次に、観察者さんからのコメントです。

  • 助け合いについて

みんなたくさん話していて、誰かが話すとすぐに誰かが話していて、時間を有効的につかっていたと思う。

  • 全体の流れとその変化について

人間ショップはない

人間のアレルギーはない

人間の子供がダメな物件はない

と面白い意見がでてきて、それぞれについてもっと話を聞きたかった。

「人間ショップはない」から一気に議論が雰囲気つけられ、それに対する反論も出てきて面白そうだと思った。

ファシリテーターがもう一度まとめて、議論が深まった。

様々なテーマで議論が展開された。

  • 考える事について

人間ショップの意見が面白い

観察しているときに考えたのかな?と思った。

愛情のかけ方がちがうんじゃないかっていうテーマに関して、どう愛情が違うかをさらに議論が膨らんだ。

笑いや笑顔になるワードで議論が深まっていた。

  • 聴くことについて

相手の目を見ていたり、すぐ反論があったり、人の意見を聞いているのが分かった

  • 言葉や話し方について

人間にしかない概念がたくさん出てきた。

  • 議論のポイントについて

人間の生活や動物の生活に関して多く出ていた。

観察者さんたちもさらにしっかり観察出来ていました。

犬やネコなどのペットを飼った事がなく、皆と同じくらいの子供がいる筆者にとって、今回の対話は驚きが多かったです。ペットは大切な存在であるだろうとは思っていましたが、想像以上に地位が高く、子供たちにとってもかけがえのない存在であることを知りました。

ペットに話を聞いてもらうなんて子もいたので、本当に兄弟のような存在なのですね。


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