無名だから信じられる
はーい、テツガク肯定です。
人は言います、悪名は無名に勝る。
そして、私は言います。
無名は信じるに値し、無名だからこそ信じられる。
最も有名な海賊は誰でしょう?
モンキー・D・ルフィ?
エドワード・ジェームズ・ケンウェイ?
キャプテン・ジャック・スパロウ?
ですが、これらの名前は無名と片付けられるのでしょう。
悪名でも有名でもなく無名と。
なぜなら、歴史という欺瞞には存在しない名前だと信じたい人がいるからです。
歴史を信じる大多数からすれば。
ヘンリー・モーガン。
ベンジャミン・ホーニゴールド。
ヘンリー・エイヴリー。
ウィリアム・キッド。
バーソロミュー・ロバーツ 。
これらの名が有名な海賊達で。
最も有名な海賊は黒髭、エドワード・ティーチ。
そう仰るのかもしれません。
確かに歴史という欺瞞は素晴らしいものです。
なぜって、それに刻まれたら、知らない人が多くても。
権威のある名、有名な存在だと承認されたようなものだからです。
私が最初にあげた三大海賊。
モンキー・D・ルフィ。
エドワード・ジェームズ・ケンウェイ。
キャプテン・ジャック・スパロウ。
この中の誰か1人くらい。
これを覗いているあなたもご存知かもしれません。
ところが、その後にあげた六道海賊。
ヘンリー・モーガン。
ベンジャミン・ホーニゴールド。
ヘンリー・エイヴリー。
ウィリアム・キッド。
バーソロミュー・ロバーツ 。
エドワード・ティーチ。
彼らが何をしたのか。
知っている人は――どうでしょうか?
もちろん、これを描いている私は知りません。
エドワード・ケンウェイ船長の友達の。
ベンジャミン・ホーニゴールドさんにウィリアム・キッドさん。
バーソロミュー・ロバーツさんにエドワード・ティーチさん。
彼らの末路なら、ある程度覚えています。
確か、ケンウェイ船長の友達のキッドさんは女性だったはず――。
歴史って欺瞞のキッドさんはわかりません。
そもそも、本当にいたかも、在ったかも怪しい……。
キャプテン・ジャック・スパロウの悪友、ヘクター・バルボッサさん。
その宿敵のエドワード・ティーチさんの末路ならちゃんと覚えています。
ところが、歴史って欺瞞のエドワード・ティーチさんの事は知りません。
私は歴史に名が刻まれている。
権威のある主について何も知らないわけですが。
それでも、彼らは有名なわけです。
なぜなら、歴史に名が刻まれているからです。
私が1歳の時からその名は歴史にあったはずです。
ですが、ワンピースにアサシンクリード4、パイレーツ・オブ・カリビアンは。
私が1歳の時にはなく、まだまだ先、遥か彼方の話です。
……余談ですが。
私が人生で初めて行ったディズニーランド。
最初に乗ったアトラクションはカリブの海賊で。
まだ、その時は映画のパイレーツ・オブ・カリビアンはこの世になくて。
私はもちろん、誰もキャプテン・ジャック・スパロウを認知していないはず――。
いいえ、ウォルト・ディズニーさんの関係者さんはご存知、あるいは執筆中だったかもしれません。
モンキー・D・ルフィさんもそうですし。
ケンウェイ船長に至っては――つい最近の事です。
その名を私が知ったのは。(2013年)
そういう三大海賊よりも昔から。
知られていたかもしれない六道海賊含む。
歴史って欺瞞で語られる海賊達。
ただ、一つだけ問題があります。
語り手が違えば、その活躍や末路が全く異なる事です。
三大海賊は誰がどう見ても同じ事実を覗けるのですが。
歴史って欺瞞はそうなりません――そんな不確かなものが歴史というのは不可思議ですが。
とにかく、偉い権威ある誰かが。
それが歴史だと承認すれば、それが歴史になりその名は有名になる。
つまり有名というのはこういう事です。
自分の権威を示すための名に過ぎない。
それはエドワード・ティーチの権威を示すためではなくて。
エドワード・ティーチを証明するに値する欺瞞。
それが承認されるだけの事をした自分の立場を示すもの。
エドワード・ティーチの名を借りて。
エドワード・ティーチの第一人者の自分という権威を得たい。
そうやって有名になりたい誰かの権威を示すための名に過ぎない。
だから――それを脅かす名をファンタジーだと斬り棄てている。
実際は自分が提唱した名ですら、ざれ言たわ言、そういう寝言のようなものでも。
自分が信じた名前だけは歴史にあるはずの名だと信じている。
だから、なかなか多くの人に伝わらない。
本当のはずの歴史って欺瞞の六道海賊よりも。
三大海賊の方が信じられているのは――彼らが無名だから。
遠い昔に過ぎ去ってしまった。
歴史って欺瞞の六道海賊とは違って。
同じ今に生まれ、同じ今に活躍している。
だから、彼らがどこで何をしたか、ハッキリと覗ける。
モンキー・D・ルフィがどこへ向かったか。
ワンピースファンなら知っている。
ケンウェイ船長が何を失い、何を手にしたか。
アサシンクリード4をプレイすれば知れる。
キャプテン・ジャック・スパロウは――。
今も私と一緒にいる。
存在と同時に存在しない、いい鍵をありがとうございます。
今では三大海賊も有名人で歴史って欺瞞。
それに足を突っ込んでいるように思えるかもしれませんが。
彼らだって、確実に誰にも知られていない時がありました。
少なくとも私はそれを覚えています。
そして、一緒に今を過ごしてきた。
だから信じられた。
無名だったから信じられた。
これからどうなっていくのだろう、と。
もし、これが歴史の中の有名人なら――。
そこまで強く知りたいとは思わなかったでしょう。
なぜって、既に多くの人が知っているからです。
その結末に向かうだけの物語じゃ――微妙です。
知らない物語だったから。
誰も知らない無名の物語だったから。
信じるに値した。
ケンウェイ船長がどうするのか。
キャプテン・ジャック・スパロウがどう生きるのか。
マジに夢中に楽しめた。
私がその名を知った時、彼らはまだ無名だったから。
無名は信じるに値し、無名だからこそ信じられた。
いいものですよ、無名である事は。
そりゃ、悪名には勝らず、有名ほど偉くはないですがね。
一番、信じる価値がある名前です。
悪名は信じたくないですし。
有名は権威を守ろうとしますし。
無名だけです、素直に正直なのは。
キャプテン・ジャック・スパロウだけです。
聡明で誠実で、思慮深く気立てがよく、責任感に品のある、頼りになる模範的な海賊は。
ケンウェイ船長は――あまりに武闘派過ぎます。
どちらかと言えばヴァイキングのような戦士。
ケンウェイ船長ではカトラー・ベケット卿やデイヴィ・ジョーンズと取引したり、キャプテン・バルボッサと付き合えない気がします。
本当に力で解決してしまいますから……性格はそこまで好戦的ではなく英国紳士だと思いますが。
頭より先に手が動いてしまう――だからこそアサシンなんでしょうが。
とにかく、信じるなら無名を。
一緒に同じ今を進める友達の物語。
ITを1つでも多く知る事が――未知を切り開く力になる。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。