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【初心者に】殺人のない日常ミステリー《タルトタタンの夢》書評

誰もが憧れるミステリー

ミステリー小説はだれでも一回は憧れるもんやろ?でも最後まで読まれへん。そんなこと言っててもこれは読める。そらそうや、俺が読めたんやから。何言うてんねんちゃうで。実家には千冊は下らん本があり、一人暮らしするまでの人生で2冊も読み切ったことがないわしやぞ。そいつに勝たれへんかったらミステリー読んでみたいは、ウソやな。何がそんなに読みやすいって、先ず薄い。これ大事。そうやろ?んで、殺人事件が起こらへん。これは読んだ後に人に勧めやすい。人に「おすすめの本あるねんけど」とか言ってみたいよな。あともちろん面白い。これ以上に読まなあかん本はないな。まあ一回読んでみ。中に入ってるお話一つでいいから。そう、今思ったやろ。薄い上にいくつかの話に分かれてるねん。せやから途中でやめやすい。まあ兎に角これからもうちょっと言うからそれでも読む気ならんかったら諦めるわ。

タルトタタンの夢という小説について

この小説は七つの話でできてて、さらに言うとシリーズの一個目。やから気にいったらまだ後2冊(2021/10/20)読めるよってこと。あとなんかね、シェフは名探偵ってドラマの原作にもなってる実は結構有名な本。そのせいかな、700円。俺は小説は値段見ずに買うけど(だいたい千円以内やから)この薄さの小説の中では高い方かもせん。まあでもお金はその本の厚みじゃなくて価値やから一応おれがその価値はあるって言っとく。

料理は好きですか

この小説はもうおかず。変な意味じゃなくて、ご飯片手に持たないと食べ、、読めないんよ。。正確に言うと作りたくなる。まあ、作らないんだが。
大きな要素として、料理について、ミステリー、人間関係があって、それが互いに噛み合ってる感じがもう気持ちいい。
はじめに出てくるのはクレープシュゼットやねんけど。わかるで、今イラッとしたやろ?それなんやねんって。シュゼットってイキってんのかって。でもね、この小説ではならへん。それがもう意味わからんねんけど、嫌な気にさせずに専門用語を教えてくれる。あなたにそれが出来ますか?って聞かれたらできるって言いたくなるけどまあ出来ん。俺は多少料理かじってるから理解できることも多かったけどそれでも説明台詞がうざくない。読んでてうざくならない本ってだけで俺の中ではポイント高い。もちろん面白いんよ。。どんなにおもろい本にもある、うざワードがないって事。料理が出来る人って憧れるし、作ってって言うけどそこで訳の分からない言葉でうだうだ言われるくらいならどんなに美味しい料理も不味くなるってもんやからな。

大好きな登場人物

基本四人で進む話で、小さなフレンチのシェフ三舟忍。そのお店の2番目の料理人志村洋二。ソムリエの金子ゆき。ホール担当の主人公、高築智行。
僕こと高築は今年から働き始めてだいたい三ヶ月。この小説ではあんまり触れられてないし、特別視されてないけど飲食で働いてた俺から言わせればこの男が有能すぎ。三ヶ月ですべての従業員とコミュニケーションをとり、店の混雑状況やお客さんへの気配りとか。できすぎ‼だからこそ、いろいろなことに気がつき、事件が発覚したりするんだけども。この男が主人公で、最も普通の人。なんでやねんとは思うけどま、そこは主人公マジックで。先ず、三舟さんから生きましょ。シェフはね、本に書いてる自己紹介だと、「彼の料理は気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎を鮮やかに解く。」ですって。武士をイメージした長い髪を後ろで結んで無精髭なんかはやしちゃって寡黙。なんとなく見えてきたよね。ま〜じで格好いい。お客さんの対応がちょっと苦手で。でもそんなことスタッフに言われたくないから頑張ってみたり可愛らしさがほのかに香る凄腕おじさん。そしてそんな三舟シェフを支える志村さん。何で俺はこんなおっさん二人に惹かれてるかわからん。読んでみてわかったら教えて欲しいくらい。志村さんはね、三舟シェフに頼らなくても一人で店をやっていけるんだけども。それでもここで働いてる。もちろん訳があるんだけどそれは良いとして。この人がクレーマーとかは相手してくれる。三舟さんなんかに任せたら喧嘩になっちゃうからね。常に温厚で頼れるお方って感じ。まあ、それだけでわかるよね。凄いいい人。で、最後が一番好きなんよね。金子さん‼ソムリエだで。かっこよすぎやろ。ショートで明るくって。あーはいはい、あなたの好みねって思ったろ。そういうことではナインよ。なんかね。俳句をするらしい。HA?何が良いの?良くないのよ?高築も迷惑してるのよ。なんて返して良いかわからん俳句に。でもさ、聞いて。かわいい子がねぇ、俳句できたって嬉しそうに近寄ってきたら良くない?そういうことよ。おわかり?

好きな話「割り切れないチョコレート」

全部で7作ある中でこの話が一番。まあそれは好みがあるんけど、この話はこの本の中で一つだけお客さん目線で書かれてる話。やからこれだけ読んでもあかんねんけど、ミステリーの醍醐味であるさいごのスッキリ感はたまらん。あー、そうやったんかってなりまくる。大まかに話すと、
「ある日のランチに来てた男女の話。食べ終わって出て行くときに男の方が店のチョコレートにいちゃもんつけてきてん。その人は実はショコラティエやったみたいで、確かめてみたら仕入れてたチョコが確かに悪くなってて。舌は確かみたい。ってちょっと調べてみると修行帰りの人が作ったチョコレート屋さんが出来ててそこの人やってん。それで試しにそこのチョコを買ってみるととても美味しかったからそこから仕入れることになってんけど買ってきた詰め合わせがなんとも中途半端な数で23個入りやった。他にもあったけど2,3,5,11,13,17,23個って感じで全部がこんなん。変わった趣向やなって思ってた。何日か後にまたショコラティエが現れてんけど男女で喧嘩しててん。それで怒ってショコラティエの方が帰ってしもてん。残った女性から話される真実によって男女が兄弟やって知るねん。そこから三舟シェフによる推理が始まる。」
このモヤモヤからスッキリする解決は全く想像できへんて思うでしょ、ホント秀逸。まあここからは是非、読んでもらいたいね。

最後に

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どう?おもろそうやろ?よし。
すぐに買いに行こう。それかポチろう。でも残念なことに1冊買うと気づいたら3冊お持ち帰りしてる。いや全部おんなじ感じで問題起こって解決してって感じやろって思ってるやろ。甘い甘い。タルトタタンの夢は店の主人公高築が視点で話が進むけど、ヴァンショーをあなたには視点が難解な問題を持ってるお客さん。そんな風にいろいろ楽しませてきはる。よし。きっと俺の熱は伝わったと思う。
料理、ミステリー、男の世界、読書初心者には気に入ってもらえる。うん。
まあわかると思うけど最後になってちょっと不安になってきた。ここまで読んでくれてる人はいるかなって。やから「読んだ」とかでも良いから何かコメントして欲しいです。ほんとお願いします。これからもっと僕もミステリーを読んで面白かったものは紹介していきます。よろしくお願いします。

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