ただの「運」は、実力のうちではない。
おそらく去年も同じことを言ったが、今年も同じことを言おうと思う。
「子どものスポーツその他の大会において、メリットがないならば、
もうトーナメント戦はやめた方が良い。」
私は保護者として、アイスホッケーという競技に関わっている。
アイスホッケーは日本の中ではマイナースポーツで、かつてはここ釧路市内でも各学校にチームがあったが、今では指折り数える程度。おそらく他の主要都市でも似たような感じではないだろうか。
メジャーと言われる競技でさえ競技人口が減少しているのに、ましてや元々それほどメジャーでないスポーツで、しかも毎年毎年チーム数が減っていくような状況で、「かつて」と同じように物事を進めて良いわけがない。
トーナメントというのは、当たり前だが、勝てば次へ進み、負ければ終わる。
昔のように何十何百というチームの中から勝ち抜いてきた者たちが、遂に頂上決戦をする、という時代であれば、それも良かったのかもしれない。
でも今は、この状況でも頑張っている数少ない貴重なチームを戦わせているんだ、ということを、運営する側は忘れてはいけない。
勝ち進めるだけの実力のあるチーム同士が予選で当たり、「運悪く」敗退して帰るのはおかしい。
同じチームばかりが毎年負け続けるのも間違っている。
どうしてそんな、当たり前すぎることがまかり通らないのか、全然わからない。
前に、昔競技に関わっていたという年上の人に言われたことがある。
「全道大会、全国大会って、そういうものだからね。」
そういう人たちは、決まって、「運も実力のうち」と言いたがる。
でもそれは違う。
それはただの「くじ運」。ただの「運」は実力のうちではない。
「運も実力のうち」でいう「運」は、それまで必死に練習して、鍛えて、磨き上げて、そして身につけた「実力」から引き出される奇跡みたいなプレーを呼び寄せる「運」のことだ。
だから、実力のうち、なのだ。
その運は、試合のブザーが鳴ってからでないと、誰にも分からない。
大人はそろそろ、本当に目を覚ました方がいい。
子どもに未来の責任だけを背負わせるなんて、理不尽です。