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【書評】デイヴィット・パーチ著 『ビットコインはチグリス川を漂う 』


・ビットコインの解説書ではない。
・歴史から丁寧に「マネー」の変遷を追い、「未来のマネー」のあり方を考える。
・「未来のマネー」は現金を電子通貨に置き換えるという単純な話ではない。テクノロジーと社会の関係から「マネー」のアップデートを考える。

本書は最近話題のPayPayなど乱立する電子決済システム解説書ではない。「ビットコイン」と著書のタイトルに入っているが、ビットコインの解説書でもない。「お金」という概念を根本から捉え直し、「未来のお金」について考えるという試みである。「国」が発行するという現在のお金の概念はすでに古いと著者はいう。その議論をホットなものにしたのが「ビットコイン」のテクノロジーである。「お金」を誰が発行し、その信頼性をどのように担保するのかを、現在のテクノロジーと結びつけながら、解説する。

マネーの歴史から丁寧に、「未来のマネー」はどうあるべきかを探る旅の試み。まだ道の途中だが、その先を想像することへの好奇心を擽られる良書。



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