サン・ジョヴァンニ洗礼堂
Battistero di San Giovanni
サン・ジョヴァンニ洗礼堂は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付属の洗礼堂です。
大聖堂の正面玄関に向き合って立っている八角形の建築物で、ロマネスク様式の最も重要な集中形式の教会建築のひとつです。サン・ジョヴァンニとは、フィレンツェの守護聖人、洗礼者聖ジョヴァンニ(洗礼者ヨハネ)のことです。
サン・ジョヴァンニ洗礼堂は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を構成する3つの建物(大聖堂、鐘楼、洗礼堂)の中で1番古く、その起源を4世紀から5世紀までさかのぼります。もともとは軍人マルスを祭ったローマ神殿があった場所で、5世紀にキリスト教の聖堂になりました。その後、美しいロマネスク建築に修復され、1059年、教皇ニコラウス2世によって奉献されました。屋根部分全体は1128年に、頂頭部のランターンは1150年に、司教座のある内陣は1202年に完成しました。均衡のとれたプロポーションと緑と白の色大理石で化粧された幾何学文様は、類まれな優雅さを感じさせます。
洗礼堂が完成した当時、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の場所には、旧聖堂のサンタ・レパラータ教会がありました。しかし、洗礼堂に比べてこの教会が見劣りするという理由から、大聖堂が完成するまでの間、この洗礼堂が礼拝堂として使用されました。
サン・ジョヴァンニ洗礼堂/Battistero di San Giovanni