アッシージのサン・フランチェスコ大聖堂
Basilica di San Francesco d'Assisi
サン・フランチェスコ大聖堂は、アッシージで生まれ、死後に、聖人に列せられたフランチェスコの功績を称えるために教皇グレゴリウス9世によって建設されました。
聖堂は丘の斜面に建っているため、この斜面を利用するために上堂・下堂の二層構造を持つことになりました。1128年に教皇グレゴリウス9世によって建設が始まり、1253年に完成しましたが、その後、何度も改修が繰り返されて現在の姿になりました。
1997年9月に発生したウンブリア・マルケ地震で聖堂の建物は大きく損傷してしまいましたが、ボランティアによる修復工事などにより、2000年にはほぼ元の形にもどりました。
サン・フランチェスコ広場から入れる下堂部分は、ロマネスク様式での建築です。天井が低く荘厳な雰囲気が漂う内部では、チマブーエ、シモーネ・マルティーニ、ピエトロ・ロレンツェッティなどの中世の最高の画家たちの名画を見ることができます。また下堂内の階段を下ると、聖フランチェスコのお墓があります。
上堂部分はゴシック様式で建てられており、広々とした開放的な空間には、ルネサンス初期の名匠ジョットによる聖人フランチェスコの生涯、28の場面を描いたフレスコ画が見られます。
とても素晴らしい聖堂ですが、死ぬまで「貧乏こそ讃えられるべきだ」「豊かさは悪だ」と言い続けたフランチェスコが、こんな壮麗な大伽藍を自分と自分の教団のために建てることを、望んでいたとは決して思えません。
アッシージのサン・フランチェスコ大聖堂/Basilica di San Francesco d'Assisi