見出し画像

「贈り物」文化と入会制度について -実体験を通じてアイディアを考えてみた-

 42条施設の開設に向けて、料金制度やサービス内容などに関して様々な取り組みを考えています。

オープン後、トライ&エラーを繰り返しながらより良い施設作りに励んでいく心構えでいますが、そのためにもさまざまなトライを行うためのアイディアが必要だと考えています。

その中で、最近自分の起こった出来事を通じてアイディアを出してみたので共有します。


母が膝の手術をした

術前〜手術施行後、退院までの様子

 先日実家にいる母が膝の手術を行いました。
身体を動かすのが好きで、父とともに近所のフィットネスクラブに通っていました。

スタジオプログラムの1つであるエアロビクスが特に好きらしく、かなり熱中していたようです。
最初は全然ついていけなかったけど、だんだんできることが増えてきてハマってしまった!とのことです。

それが、ある時からエアロビクスを行っているときに膝の内側が痛くなったらしく、最初はエアロビクスの時だけだった痛みが、徐々に日常生活でも出現するようになってきました。

そして地元の病院に受診したところ、変形性膝関節症(以下OA)と診断され、骨切り術を勧められたようです。

ただ、色々話を聞いている感じでは、そこまでOAが進行しているようには思えず、流石に骨切り術はやりすぎじゃないか?なんとか保存療法でいけるんじゃないか?万が一手術を行うことになったとしても、骨切り術でも人工膝関節前置換術(Total Knee Arthroplasty: TKA)でもなく、せいぜい単顆型人工膝関節置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty: UKA)の方が適切では?と思いました。

 その後、県内の有名な病院で再度受診しました。その時は自分も帰省して診察に同席し、MRI画像を見させていただきました。

姿勢やアライメントを見た感じではOAはそこまで進行してなさそうに思えましたが、歩行時の跛行は顕著でした。

診断名は膝OA(Kellgren-Laurence分類でⅡ)、内側半月板損傷と診断され、DrからはUKAを勧められました。

母が膝の痛みを無くしてエアロビクスに復帰したいと考えていたことや、自分の考えも考慮した結果、UKAを行うことを決めました。

その後、術前リハビリ・検査を経てUKAを施行しました。
入院中の経過は良好で3週間足らずで退院することができました。

入院期間中は思ったよりも痛みが少なくて、リハビリの先生に歩くのが上手だと褒められて、自分の状態に満足しているようでした。

退院後の様子


 退院してほぼ普段通りの生活を送っており、病院にも週1回〜2週間に1回程度の頻度で外来リハビリを継続しているようでした。

もう少し頻繁に通院した方がいいんじゃないかと思っていましたが、車で片道40分程度かかるため、頻度を増やすのは難しい様子でした。
また、フィットネスクラブへの復会はまだ見送っていました。

日常生活の中ではまだ鈍痛が残存しており、膝が重だるい状態が残っているようでした。

 術後3ヶ月程度のタイミングで帰省して様子を見させていただきましたが屈曲可動域は正座できるんじゃないかと思うくらい良好でした。
しかし、屈曲拘縮(伸展制限)が15°程度残存しており、ストレッチを行って即時的に屈曲拘縮は改善するものの、内側広筋の筋出力が不十分だったためextension lagが残存していました。
母には家でもできるストレッチと大腿四頭筋settingを伝えました。

現在の様子

 その後、ちゃんと自分のアドバイスを聞き入れてストレッチやsettingを行っていたらしく、鈍痛も軽減されたようです。

普段の生活も特に制限なく行なっており、フィットネスクラブにもそろそろ復帰しようと考えているそうです。

 また自分の息子が11月生まれということもあって、毎年実家からプレゼントを渡しにこちらに来てくれているのですが、息子が来年から小学校に入学するため、自分の両親が孫にランドセルをプレゼントしてくれることになっています。

なので、現在の目標は
「エアロビクスへの復帰」よりも「孫にランドセルを届ける」
になっているようです。

術後4ヶ月程度なので、筋力の改善がまだ不十分なのは明らかなので、近所のフィットネスクラブへリハビリ目的で通って、適切に運動を行うことでさらに状態が改善したり、今後の予防にもなると思います。

なので、可能であれば再び帰省して母とフィットネスクラブに同行して運動メニューを考えられたらいいのではないかと考えています。


今回の実体験を活かせるのでは?

 今回のエピソードの中で何かポイントになりそうな点は

① 自分が実家から出て遠方に住んでおり、母のことが心配だった
② 母が手術を行い、術後もまだ完全な状態とは言い切れない
③ 術後の運動を通じて更なる状態の改善を図れる
④ リハビリテーションを行える期間には制度上上限がある
⑤ 母自身では何をやったらいいのかわからない
⑥ 理学療法士/健康運動指導士としてのスキルが役に立った
⑦ 贈り物の文化(孫へランドセルを届ける)の力は強い!

です。

 同居していようが、別居していようが、やはり家族が何かしらの形で病院に通わなければいけなくなると当然心配になるものです
自分はたまたま理学療法士なので自分自身で母にできることがありましたが、やはりそうはいかないことが多いはずです。

そういったところと、ランドセルのような「贈り物の文化」をうまく入会制度に組み合わせて取り入れられないだろうかと考えてみました。

紹介制度

 現在施設を利用している方が友人・知人を紹介して、入会費を割引するなどの「紹介キャンペーン」は一般的だと思います。

家族や知人の紹介によってフィットネス施設を入会された方は施設の継続期間が長かったり、退会率が低いことを考えると、一時的なキャンペーンではなく、年間通じて紹介による入会を受け入れる制度は作った方がいいと思っています。


「施設を利用できるチケット」を贈り物として

 「紹介キャンペーン」の他にも、
現在施設を利用していない方でも大切な人に施設を利用してもらうためのプレゼント
のようなものもあっても面白いのかなと思いました。

例えば、「回数券」とか「1ヶ月利用チケット」みたいなものを父の日とか母の日とかにプレゼントとして家族の方に贈るイメージです。

その後、正式に入会していただけるような流れができると理想ですよね。

これだと、今回の自分のように親元を離れていても、
元気でいるために運動を続けてほしい
という願いを叶えることができそうです。

そうすると、大切な方にプレゼントをしてくれた側にも何かプラス(リターン)があっても良さそうです。

ただし、リターン目的でプレゼントをするわけはないと思うので、何かものを送るとかではなくて、
例えば
・あなたがプレゼントをして施設を利用してくれるようになったおかげでこれだけの成果が出ました!という事を伝えるための「通信簿?メディカルチェックシート」
→プレゼントをしたことを誇らしく思ってもらえそう!
俺がプレゼントしたおかげで3kg痩せられたんだよ!
みたいな(笑)

まとめ


 現在は42条施設の開設に向けて色々動いていますが、そもそも自分は理学療法士の養成校を出て、理学療法士として保険診療下で働いてきた理学療法士です。

医療施設で働いている方でも地域のイベントに参加してPRを行ったりはすることもあると思います。

しかし保険診療下で働いていると「○○キャンペーン」などの方法を考案して「集客」を行ったり、営業活動を行うことはなかなかないと思います。
集客するための方法などを考える機会すらあまりないと思います。

「患者さんを呼び込む、集める」というよりは「より良い医療サービスを提供して結果を出すことで患者さんが来るのを待つ」というスタンスが普通なような気もします。

自分もまさにそういう理学療法士だったため、こうやった頭の使い方は新鮮だし、非常に勉強になっています。

もしかしたら集客方法に関してもフィットネス業界での考え方や常識みたいなものもあるのかもしれませんが、良くも悪くもそれらには染まっておりません(笑)

今回のアイディアも他の施設ですでに取り入れられていることかもしれないし、以前はいろいろな施設で取り入れていたけどうまくいかなかったから現在は行っていない状態かもしれないです。

ただ、単に他施設の良いところを真似するのではなく、自分でも頭を使って考えることで愛着が湧いたり、そのアイディアを最大限活かせると思います。

この状況を楽しみながら、引き続き様々なアイディアを引き出せるように情報収集を行いつつ考えてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
何か他にも良いアイディアがありましたら是非是非お待ちしております。






いいなと思ったら応援しよう!

桜井 徹也(理学療法士・健康運動指導士)
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!