ELECTRIC PROPHET（電気じかけの予言者）〜これは長い物語で、この歌詞の世界は、僕の夢物語がベースになっているんです（TK Friday#55より）
TK.STAFFです。小室哲哉のプライベートスタジオからお届けしているレギュラー番組「TK Friday」は、小室哲哉の音楽世界を直接感じることのできるお話や演奏を中心に毎週金曜日21時から生配信しています。
今回はTK Friday #55で配信された、1985年11月28日リリース、TM NETWORK「ELECTRIC PROPHET（電気じかけの予言者）」の話題について切り出してみました。（ミニアルバム『TWINKLE NIGHT』に収録）
ELECTRIC PROPHET（電気じかけの予言者）- TM NETWORK
通称"エレプロ"と呼ばれ、8分45秒という超大作はどのように生まれたのでしょうか？当時のことを小室さんはこんな風に話してくれました。
ELECTRIC PROPHET、副題の"電気じかけの予言者"は僕が考えてつけたんですけど、デビュー当時のライブでは、エンディング・ソングとして歌っていました。去年の配信ライブ『How Do You Crash It?』でもそうでしたし。あと"ELECTRIC PROPHET"は、デビューの年、1984年に渋谷PARCO・PARTⅢで行われたライブ・コンサートのタイトルでしたね。
元々はライブでしか演奏しない曲だったんですけど「YOUR SONG」などを収録したミニアルバム『TWINKLE NIGHT』用に、アレンジを相当し直したんですよ。ライブでは3つのコードでシンプルに演奏していたのを、アルバムでは“カノン進行”を使ったアレンジにしているんです（小室哲哉）
"カノン進行"とは「パッヘルベルのカノン」で有名な楽曲のコード進行を指しており、この理論を使ったヒット曲は、世界で一つだけの花（SMAP）、マリーゴールド（あいみょん）、少年時代（井上陽水）など、本当に多く生み出されています。
そしてTM初のライブ・コンサート"ELECTRIC PROPHET"は、渋谷PARCO・PARTⅢのイメージが強いですが札幌教育文化会館との2公演の開催だったんですね！
そんな風にアルバム用にアレンジを施された「ELECTRIC PROPHET」ですが、歌詞の世界観について小室さんはこう教えてくれました。
歌いだしの“Crete Island”は、地中海に浮かぶギリシャ最大の島ですね。当時、宇都宮くんがこの歌詞を歌ったことで、ファンの人にとってはすごく違和感があったと思うんですよ。"Crete Islandって何？？"って笑。パッとギリシャと分かる人は少なかったんじゃないかな。
ほかにも、"Milos Island"などの地名が出てきますね、僕はギリシャには行ったことはないですけど、これは長い物語で、この歌詞の世界は、僕の夢物語がベースになっているんです。（小室哲哉）
なんと、、、！小室さんの頭の中にあった長編ファンタジーだったの!?
おとぎ話のような、韓流ドラマにあるような笑、シンデレラのようなお姫様とお金持ちの男性がいて、だんだん付き合って、その主人公の男性がある日の夜に迎えに行って、ギリシャの島々のお店に連れて行くという。その頃の僕の夢だったのかもしれないですけど笑、プレイベート・ジェットでしょうね笑。
それがメイン・ストーリーで、さらにそういう出来事がいつの日か起きるかもしれないよと、別の人が客観的に予言しているという歌詞の内容なんですよ。僕はこの歳になっても、実現できていないんですけどね笑。（小室哲哉）
「ELECTRIC PROPHET」の歌詞の世界は２つの視点から作られていたんですね。もう一度、歌詞を読み返してみながら、楽曲を聴いてみるとより造詣が深まりそうです。TETSUYA KOMURO STUDIOでは、このお話回のアーカイブもご覧いただけます！
Infomation
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