#45. バングラデシュ旅行の話 後編
<2日目>
前編はこちら。
2日目のスタートはランチから。はい、夜更かししたので朝起きれませんでした。ただ「キヨォ(かわいい)」と「チンチャ?(本当?)」をマスターしたから後悔はしていない。
ランチは「Radhuni Restaurant」へ。旅行サイトでも高評価で有名なレストラン(というより食堂)と思うが、英語表記のメニューは無く割とローカルな部類の店だと思う。「チキンorベジ?」とだけ聞かれたので「チキン」をチョイス。それに加えてビーフのカレーも追加。米は何の種類か分からない(チニグラ米か?)けど、一粒一粒をハッキリと感じさせながらもパサついてない絶妙な触感。チキンは身が柔らかく、味付けが全然くどくない。そしてスープ。このスープがめちゃ美味かった。にんにく、ジャガイモ、セロリっぽい野菜の風味があるけど、複雑な味付けは何が基になっているのか想像つかない。けど、とにかく美味い。バングラが誇るべき食文化はこのスープなのではと思う。値段は全部でBDT300ほど。
店を後にしDhaka New Marketへ。ここは本屋、ジュエリー、服屋が多い。バングラのアメ横。日本の書物は見なかったが、唯一『SPY FAMIL〇』があった。
この後はモディ首相も訪れたことのあるヒンドゥー教の寺院「Dhakeshwari(ダケシュワリ)Temple」へ向かう。その途中でチャイをゲット。寺院は閉館時間中だったので外側から。
次にChawk Bazarとその近くにあるスターモスクへ。Chawk Bazarは、食品日用品何でもあるオールドダッカの中心マーケット。人の密度と活気がすごい...。まさにカオス。
市場の後はそこから歩いて15分程にあるスターモスクへ。想像していたよりも小さかった。中には富士模様のタイルも。子供が"だるまさんが転んだ"をして遊んでいた。寝ころび浴びる風が気持ちよい。平和で穏やかな空間。
時刻は1630。次に訪れたのはAhsan Manzil(アッシャンモンジル)博物館。バングラの定番観光スポットで、別名ピンクパレス。1869年に当時のダッカ領主ナワブ家の住居として建てられた。家族連れも多く憩いの場。
その後はSadar Ghat(ショドルガット)というフェリー乗り場へ。ここはブリガンガ川の港で、首都ダッカと地方都市を結ぶ船が並ぶ。入り口でチケットカウンターの係員に「30分~1hくらいの短いフェリープランある?」と聞くも英語が全く通じない。見かねた青年が話しかけてきて色々教えてくれた。中には複数のフェリーが停泊しており、行き先は様々で多分短いプランのモノは無い、とのこと。とりあえず中へ入ることにした。入場料はBDT10。川沿いには幾つものフェリーが連なっている。荷物を積み込む作業員、果物や食事を売る商人、「どうだどうだ!」と呼び込みをする案内人、幾重にも重なる汽笛の音...この雰囲気たまらない。
フェリーのサービス内容を聞いてみたかったので、老齢の船員らしき人に話しかけてみた。
「これ、何時間くらいのプランでどこまで行くの?」
全く英語が通じず分からない。と、その時ハタチくらいの青年と目が合った。どうやら乗客らしき彼はこの会話をした時近くにおり、何か自信ありげにこちらへ近づいてきたので同じ質問をすると、
「I don't know」
と言われた。いや、何だったんさっきの態度。「俺に任せろ」みたいな空気出してたじゃん。
その後近くの人と話をすると、どうやらこのフェリーは10h程のプランらしい。すごく惹かれたけど、これに乗ってしまうと翌日のフライトどころかもう現実に戻りたくなくなってしまいそうな気がしたので断念。"旅行ハイ"になっていたので危なかった。持ってかれるギリギリで踏ん張った。ただ、情緒のある光景を見ることができて大満足。ボーっと川を眺めたりしながら、何だかんだ1h近くをこの場所で過ごした。
時刻は間もなく1800。夕食をとる為「Bird's Eye Roof Top Restaurant」へ向かう。ここはベンガル料理、中華、コンチネンタルとメニューは様々。Special noodleとエビのガーリックソース炒めにした。
身の詰まったエビはガーリックソースによく合う。そして何よりこの麺料理。米粉麺だろうか。これ...美味い...。このレストランは何を食べてもアタリな気がする。そんな雰囲気があった。コスパも良かった。
食事も観光も十二分に堪能した2日目。ホテルに戻りこの日は早めに就寝。
<3日目>
朝食を取りチェックアウト。フライトは夕方。この日行きたい場所は決まっていた。それはバングラの売春街。プレイをする気は無いが、こういう場所を巡るのは自分のライフワークの一つ。漠然ながらいつか何かしらの記事を書きたいとも思っている。「海外風俗特集!」みたいのではなく、社会情勢と絡めた実態を主軸とするような形で。
さてバングラで最大の売春街はDaulatdia(ダウラディア)という場所。この地域を取材したドキュメンタリーを見た。バングラではふくよかな女性が人気とされるらしいが、こうした環境で働く女性は十分な食事をとれず痩せてしまうことが多い。それを阻止する為(=ふくよかにする為)、牛を肥大化させる為の「オラデクソン」というステロイドを飲む人もいるらしい。当たり前だが、これは人間が使用する為のものではない。副作用で糖尿病のリスクも高まるらしい。そうした状況下、1回数百円で相手をして暮らしている。
ただし、ダウラディアは空港から片道4hくらいかかるので今回は行けない。しかしダッカ市内にも売春街はあるので今回はそちらへ行った。地域の名前は「フォスタバ」。この地区内にある「West Rajabazar Jame Masjid」という寺院周辺の通りには約20の売春宿が立ち並んでいるという記事を読んだ。
結論を書くと、この周りを30分程歩いたがそうした雰囲気のある場所は一切無かった。夜になるとまた違うのかもしれないが、少なくとも自分が歩いた通りは八百屋、美容室、飲食店等の小さな商店が並ぶ健全な生活区だった。それを利用する人も学生、10代20代の若い人、家族連れ等で少しも歪な空気は感じない。「プキプキ(=S〇Xの意)」と声を掛けられることも一度も無かった。ランチへ行くためリキシャを呼び止め運転手にも話を聞いたが、あまりピンと来ていなかった。実際のところは分からないが、とりあえず自分が見たその光景も一つの現実である。
さてラスト。ランチを食べて空港に向かう。何を食べようかと思ったが、最終的にこれ。
はい、「泉」です。初日の夜に食べたのと同じものをチョイス。やっぱ美味しかったから。今回はそれにステーキとアイスも追加。食事を終え外に出ると雨が降ってきた。フライトの2h前に空港へ到着。オンタイムでインドへ戻った。
*****
バングラはとにかくご飯が美味しかった。これ大事だよね。自分にとっては寺院や建造物を見るより優先度も満足度も高い。絶え間ない喧騒に生きるその地の生活を見る。空気に触れる。何か高尚な事象や思考への昇華を図ることなど考えず、ただ、ただ、歩く。それでいい。それがいい。今度はダウラディアにも行ってみたい。また一つ目標ができた。
End.
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