スピード勝負!物件を見つけてから売買契約するまで
<前回のおさらい>
建築写真の記事ばかり書いていたので、少し期間が空いてしまいました。
前回は中古物件をどうやって探したかについて書きました。
その際のポイントとしては、以下の2点だとまとめました。
1.中古物件が得意な不動産屋さんにいち早く相談する
2.建築の専門家に同行してもらって内見する
好みの不動産を見つけたことだから、どうやって手に入れるかについて書こうと思います。
<不動産は早い者勝ち>
土地も建物も不動産売買は早い者勝ちが大原則です。
不動産屋さんは売買時の仲介手数料で収入を得るお仕事になるので、売買契約に至るまでの期間が短ければ短いほど効率よく収入を得られます。
上手く売れない場合は、価格を見直してみたり、内装や水廻りの機器を新しくして、再度情報を発信して、建物付きであればその都度内見以来に応えてとなります。
単純に、売れない期間が長ければ長いほど、あの手この手で売れるように導かなければなりません。
仲介手数料の相場は、「売買価格の3%+6万円(税別)」という目安があるので、時間がかかればかかるほど儲からないことがわかります。
仲介手数料に含まれるのは「通常の仲介業務で発生する費用」なので、販売促進のために経費をかけて宣伝したり、工事をしたり、遠隔地で交通費がかかったり等は別途請求になりますが、なにせ対象物件の売買契約ができないと、手間が増える一方なことがわかります。
また稀に仲介手数料無料という場合があります。
その場合、不動産屋さんは売主さんから広告料といった名目等、何らかの形で収入を得ている場合があるみたいです。
個人的な印象として、私が住んでいる石川県では仲介手数料無料はあまり見かけません。
仲介手数料を収入源としている不動産屋さんが効率よく儲けるには、1件にかかる時間を減らし、早い者勝ちでどんどん不動産の売買をしていくことが最短です。
そのため不動産屋さんに「購入検討したいので商談中としてほしい」とお願いすると、「数日だけですよ」なんて言われて、軽くいなされたりします。
長々とした説明になりましたが、不動産売買は売れたら収入になる仕組みから早い者勝ちになっています。
悩まずに勢いも必要ですが、その判断の精度をどう上げるかが買い手側の悩みになってきます。
<不動産のプロ ≠ 建築のプロ>
不動産と建築って同じ建物を取り扱っていますが、全く違う分野です。
ざっくり言うと、不動産は土地や建物を売ったり、貸したりする売買のプロ、建築は建物を建てる技術のプロになります。
そのためある中古物件を売ってくれるのは不動産屋さんですが、その中古物件が買っても良いか技術的な判断ができるのが建築屋さんです。
買っても良いかの技術的な判断というのは、構造的な安全性や劣化度合い、リノベーションの可否、コスト等になります。
先ほど説明した早い者勝ちの不動産売買において、判断の精度を上げるには建築のプロの力を借りるのが一番です。
具体的には、不動産の内見に同行してもらい、現地の実測、壊さずに見れる構造や劣化状況の確認、どのように間取りを変更したいかのイメージをその場で打ち合わせすることです。
そうすることで概算見積を作成することができ、不動産の売買と合わせた総額が出て、想定の予算やローンの借入可能金額との比較ができます。
金額が見合っていて、直して十分に住める状況であれば購入の判断がつきます。
私の場合は現地調査、概算見積を自分自身で行って、数日で判断することができました。
また、どれぐらい効力があるかは不明ですが、不動産屋さんに建築屋さんの動き(概算見積中で○日で出てくる予定等)を伝えて、前向きに購入の意思があることを伝えておくのが良いでしょう。
そうすることで「商談中」と表示してくれる期間が多少伸びるかもしれません。
<建築のプロの力をどうやって借りる>
石川県では、リノベーションを得意としていると意思表示している会社は少ないのが現状です。
おそらく、見栄っ張りな県民性(自分も含めてwww)から新築への執着が強いのかもしれませんし、そこに住宅会社が乗っかっているのかもしれません。
その中でもリノベーションの施工事例を掲載しており、なおかつ耐震補強や断熱補強等の性能向上リノベーション **を実施していることをアピールしている会社が良いと思います。
なぜなら性能向上リノベーションは、高い技術力や知識が必要であり、それが実現できる会社はレベルが高いからです。
首都圏に限りますが、中古物件を買い取って、リノベーションして再販する事業で高い実力を示しているのが株式会社リビタ**だと思っています。
リノベーションの先駆者として、様々な講演会でも社員が講師をしています。
<まとめ>
1.不動産の売買は早いもの勝ち
2.売買は不動産屋さん、目利きは建築屋さん
3.早い判断は建築屋さんの同行と調査精度による
以上3点が今回のまとめになります。
本当は不動産売買のインスペクション(建物調査)にも触れた方がいいんだろうと思いつつ、現状あまり浸透していないので触れませんでした。
理由は、不動産屋さんの手間が増えて、あまりメリットが明確化されてないからだという話を聞いたことがあります。
またアメリカの方が制度的に進んでいるんですが、不動産会社とインスペクションを行う会社の癒着で虚偽の報告書が作成されるなどの問題が多発しました。
なんでそのような制度を、同様の形で日本が実施したのか疑問ですが、あまり言及は避けたいと思います。
間違いないのは、自ら信頼できると思える建築屋さんを見つけて、不動産を一緒に見てもらう!これに限ると思います。
さて、次からは実際の工事の内容を手順を追ってご紹介していこうと思います。
また建築写真の撮り方についても書いているので、是非読んでみて下さい。
建築と写真で素敵な生活のサポートをしたい