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マルタ共和国の大統領に会った話

1枚の写真が一国の大統領に会うチケットに変わった話。

2016年11月頃、一件のフォトコンテストに応募してみました。
それまで17回フォトコンテストに応募して、2回入賞してカタログギフトと革のストラップを賞品として獲得した経験がありました。
とりあえず出して、当たればラッキーみたいな気持ちで出していました。

そんな僕を一気に夢の世界に連れて行ってくれたのが「マルタ共和国日本の風景写真コンテスト」というフォトコンテスト。
日本のギャラリーとマルタ共和国のホテルが主催で、マルタ共和国の文化庁が後援という形で開催され、1作品2,400円の応募料を支払うことで参加できるものでした。
応募した写真がこちら。

タイトルは「星降る夜の見附島 "Mitsukejima in the Starry Sky"」です。
私が住む石川県能登半島の先端にある見附島で撮った写真で、ちょうど撮影したのがペルセウス流星群の時期でした。
撮影のポイントとしては、雲と漁船の光という星空撮影の天敵のような環境を逆に作品の特徴にしたことです。
見附島の低い位置に雲がかかり、漁船がちょうど見附島の真後ろに回ってスポットライトのように島を照らしてくれるタイミングを待ってシャッターを切りました。
風景は生き物で、想像通りの環境で撮れないことも多々ありますが、現場での対応力や創造力で作品に仕上げていくものです。
またレタッチもなるべく幻想的な雰囲気となるよう、なるべく絵のようなテイストに仕上げました。

この写真で2位に当たる優秀賞を獲得し、12月末に突然航空券を取るからという連絡を受けました。
そんな連絡は人生で受けたことない上、パスポートの期限がギリギリ切れることが判明し、急いで対応して、手前味噌でフォトブックも準備して、慌ただしい年末年始となりました。
そして2018年1月、まだまだ疑心暗鬼のまま成田空港へ向かい、初めてのEチケットの発券で本当にチケットが出てくるのか不安な気持ちでボタンをタップし、航空券が出てきたのでとりあえず飛行機に乗ってみました。
お酒飲んで、寝て、映画見て、お酒飲んでを繰り返しているうちにマルタ共和国に到着し、ネットで予約した宿にチェックインもでき、なんだかんだ無事に一人で海外に行くことができました。
そして表彰式。
屈強な男性の隣に守られるように立つ金髪の女性が、なんとマルタ共和国の大統領でした。
本当かよ!?と思ってホテルの部屋に帰ってからウィキペディア見たら、9代目大統領のMarie Louise Coleiro Precaでした。
2014年から現在も現職で活躍されているようです。
賞状を受け取って、一緒に写真を撮っていただきました。

レセプションパーティーではゲストの方へつたない英語で作品について説明をしたり、感想を言っていただいたり、その場で「この写真を買いたいがいくらだ?」なんてことを言われたりしました。
残念ながら英語力の無さ、販売経験の無さから売り方が分からずに販売はできませんでした。
でも写真が評価され、売って欲しいという交渉が生まれるのは今までに無い経験。
そもそも日本でそんなことって気軽に起きるのかな?日本って写真を家に飾るために買いたいなんて感覚あるのかな?という疑問も頭に過ぎりました。
そんな表彰式、レセプションパーティーの様子は下記のリンクから閲覧できます。

この経験でわかったこと

1.意外と一人で海外に行ける
2.フォトコンにチェレンジしたら何か生まれる可能性がある
3.意図して撮った写真はちゃんと評価される
4.日本よりマルタ共和国の方が写真を購入する感覚がある
5.一枚の写真が人生経験を大きく変える可能性がある

意図して作品を作って、評価してもらう土台(コンテスト等)に出して、ダメなら自分の腕を磨き直してを繰り返せば、一枚の写真が一国の大統領にまで会えるとんでもない人生経験に変わる可能性がある。
大事なのは「考えて、チャレンジすること」だと思いました。
その後、今日までに47のフォトコンテスト に応募し、6回賞をいただきました。
全国規模では勝てず地方のコンテストが多いですが、めげずにチャレンジを続けています。
今後は海外のコンテストにもチャレンジしたいなー
「考えて、チャレンジすること」その繰り返し。

建築と写真で素敵な生活のサポートをしたい