シルク・ドゥ・ソレイユVR "Through The Masks of LUZIA", "Alegría - A Spark of Light"
今日のnoteでは、いずれもカナダ・ケベック州モントリオールに本拠地を置く、サーカス劇団のシルク・ドゥ・ソレイユと、VR映画制作スタジオのFelix & Paul StudiosがコラボレーションしたVR作品"Through The Masks of LUZIA"・"Alegría - A Spark of Light"についてご紹介させて頂きます!
シルク・ドゥ・ソレイユは最近、新型コロナウイルスの影響から、残念ながら経営破綻したということがニュースとなっていました。下記の記事の中で「将来の復活のためにも倒産はやむを得ないと判断した」と劇団のCEOが言っているように、いつかまた再び復活して公演が見られる日が来ることを祈りたいです。
"Through The Masks of LUZIA"と"Alegría - A Spark of Light"では、シルク・ドゥ・ソレイユの素晴らしいパフォーマンスをVR空間の中で見ることができます。ただ「生の公演を最前列から見られる」といったものではなく、VRの映像コンテンツに向けて、全く新しい表現にチャレンジしている作品です。
現在Oculus Quest上で、シルク・ドゥ・ソレイユ × Felix & Paul Studios5つのコンテンツをセットで690円で購入することができます。
"Through The Masks of LUZIA"
"Through The Masks of LUZIA "は、シルク・ドゥ・ソレイユが色彩豊かなメキシコの文化を表現した舞台作品"LUZIA:A Walking Dream of Mexico"を題材に作られたVR作品です。
このVR作品の中では、主人公の女の子が虎や馬など様々な生き物を模したお面を被るのと同時に、それぞれのお面に関連した幻想的な舞台空間にワープしていきます。
そしてそれぞれの舞台空間で、男性が水辺の虎に追いかけられながら1本の紐で空中を舞う姿や、超軟体な男性が蛇のように次々と体の形を変えていく姿など、様々なパフォーマンスを楽しむことができます。
このタイトルに限らずですが、シルク・ドゥ・ソレイユのVR作品は最新技術を使いながらも、古めかしいサーカスを見ているような古典的で懐かしい味わいがあります。またそれぞれのパフォーマンスを真下から撮ったり、上から人がミニチュアのように見えるように撮ったりと、そのパフォーマンスが最も面白く見える角度から撮影しているところも特徴です。
"Alegría - A Spark of Light"
こちらの作品はシルク・ドゥ・ソレイユの舞台作品『アレクグリア』が元になっているのですが、昔日本公演をやっていた際に、「アレグリーアー」と連呼するCMソングを耳にした覚えのある方も多いのではないでしょうか。
"Alegría - A Spark of Light"は、他の作品以上にストーリー性を感じられる作品です。静寂に包まれた氷の世界のなかで、かつて活気に満ちた世界の住民たちは、麻痺したかのように固まっています。視聴者は道化役者の姿形をした主人公に導かれるようにして、美しい新体操や、炎を操る男など、様々なパフォーマンスを楽しみながら、再び希望を追い求めていきます。
この作品を見て、実写とCGを組み合わせて作られた幻想的な世界観と、パフォーマンスの撮影の仕方がとても独特なのが印象に残りました。天井から布を使って演技をする空中パフォーマンスも、あえて逆さまから撮ることで空に向かって演技をするように見せていたり、また鏡ばりの部屋の中にいるかのように見せるために、全方位から道化役者の映像を撮ってそれを360°空間に配置していたりと、通常ではやらないような撮影方法を採用しているシーンが多かったです。
今回どちらのVR作品も、Felix & Paul StudiosというVR映画のスタジオが手掛けていますが、シルク・ドゥ・ソレイユの舞台をただVR映像として収めるだけではなく、Felix & Paul Studios側も負けず劣らず個性や独自の表現技法を発揮しており、舞台芸術 × VRの可能性を感じさせられるような映像になっています。日本からもぜひ、こう言った作品を生み出すことができたら良いですね!
以上、本日は"Through The Masks of LUZIA"と"Alegría - A Spark of Light"についてご紹介させて頂きました!その他のシルク・ドゥ・ソレイユ × Felix & Paul Studiosの作品レビューについては、下記からご覧いただけます。
Twitterもやっており、VR映画関連の情報を発信していますので、宜しければぜひフォローしてください!
https://twitter.com/Kanamonomono