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季節はずれもいいとこだけど、ススキ

 企画展で標本を展示した植物を紹介しているんですけど、下手するとこんな季節外れもいいところなものを書いてしまうことになるんですね。

 企画展「身近でであうちょっとあぶない?植物」の「さわるとあぶない?」コーナーでススキを紹介しました。
 最近は、学校の行き帰りに道端の草をちぎったりするような子供は少ないのかもしれませんが、ススキなんかは意外に身近に生えていて、うっかり触ると手を切ったりしますよ。

 ススキをはじめとするイネ科植物の多くは、土中から二酸化珪素を吸収し、それを葉の縁の細胞の細胞壁などに沈着させて、非晶質シリカとかプラントオパールなどと呼ばれるガラスのようなものを作ります。植物の体の支持や植物を食べる動物に対する防御などの役に立っているそうです。このガラスのようなものが葉の縁にノコギリの歯のような形に形成されるのでうっかり触って手を滑らすと皮膚が切れてしまいます。
 展示ではこれを観察して、持参のスマホなどで撮影して画像を持ち帰ることができるキットを用意しました。百円ショップで購入したスマホ用拡大鏡、ホットボンド、プラコップを加工して作りました。思いついて展示直前に作ったので材料費は自腹です(良くない)。

拡大鏡撮影キット

 これを使ってスマホで撮影すると、下の表な画像を撮影して持ち帰ることができます。細かいとはいえ、これがガラスのような材質と思えば、まあまあ凶悪ですよね?

ススキの葉の縁のギザギザ

 以下は展示にしなかった話題。せっかく拡大鏡を使うので、ススキの果実を見てみよう!ススキの穂をむしるとこんな感じ。白い綿毛が根本からたくさん出ていて、先端には芒(のぎ、のげ)と呼ばれるごついけのようなものがある。これが秋になると穂から外れて風で飛ばされるのかな?

ススキの散布体

で、これをむしっていくと果実が出てくる。2mmよりちょっと大きいくらいか?こんな果実が目を出すとあんな大きなススキに成長するのか。すごいですよね?

ススキの果実

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