カタンから他者との距離感について考えた
世界で最も売れたゲーム「カタン」
ボードゲームで世界で最も売れたゲームと言われている「カタン」。1995年にドイツ年間ゲーム大賞も受賞しており、現在でもなお売れ続けている超名作です。僕がボードゲームに関するNPO活動を始めた10年前でも、「ボードゲームはあまり知らないけどカタンは知ってる」と答える人も多かったのを覚えています。
カタンがどういうゲームか? 無人島に上陸し、羊やレンガなどの資源を手に入れながら、無人島を開拓していきます。道を作り、都市を作り、最も無人島を開拓するのに貢献したプレイヤーが勝利するというタイプのゲーム。このゲームの最大の特徴は「交渉」です。
プレイヤーは自分の領土から確保できる資源は限られているため、仮に羊とレンガしか産出されない領土のプレイヤーは、基本的には他のプレイヤーと交渉することで、木や鉄など、別の資源を手に入れなければなりません。
この「交渉」が非常に肝で、ハッキリいえば交渉が下手なプレイヤーがいると、ゲーム全体のバランスが崩れてしまうほどです。
それゆえに、僕はこのゲームを初心者にはオススメしたくなく、うちのボードゲームカフェにも常設はしていないほどです。
攻撃って悪だっけ?
それはそれとして、「盗賊」というルールがあります。これは不定期に発生するアクシデントで、この盗賊を特定の土地に置くと、盗賊が移動しない限り、その土地から資源が産出されなくなります。つまり、他のプレイヤーに対するかなり強烈な嫌がらせなのです。
ところが、この「盗賊」の使い方、現代の若い子だと変化していると聞き、ビックリしました!
なんと、「盗賊」を誰も被害を受けないマスに設置するというのです。
ショックでした。そこまで来たか、と。
彼らの言い分はこうです。
「仮に盗賊をAさんの土地に置くと、Aさんからヘイトを買う。それは嫌なので、誰からもヘイトを買わないような場所に置く」と。
いやいや…。じゃあ何か?
あなた方は、ドッヂボールで相手を当てると申し訳ないからって、相手に投げないのか?
これだと根幹が違うから、正確に例えると、サッカーで相手からボールを奪うのではなく、相手のシュートミス・パスミスの時のみ、攻守交替している、のほうが近いか。
「勝負」という疑似世界の楽しみ方が変化している。
他者との距離感の形成が下手くそになってる(書籍の中では、これは高校~大学時期などをコロナ禍で過ごしたためではないか、と分析されていた)。
傷つけるから絆が生まれる
この話を聞いた時、この話を思い出しました ↓
傷をつけるのを恐れ過ぎて、他者との距離を取り過ぎているのではないか? それでは絆が生まれないのではないか? そんなことを感じました。
ちなみに、これ、もの凄い好きで、最近の講演会でつかわせてもらってます。
「傷」ってネガティブなイメージがあったのですが、確かに他者から良い影響を受けるのも「傷」なのだなと。
なぜ、炎上をくり返すのか?
フワちゃんとやす子の件。
まぁ120%フワちゃんが悪いし、あの言い訳は見るに堪えない酷さだったのですが、それに輪を掛けて酷いのが炎の体育会TVのスタッフ。
フワちゃんも出演していた番組らしいのですが、公式Xアカウントはフワちゃんが活動休止を宣言した際、その投稿を引用し「ぱお!」と。
「ぱお!」はフワちゃんの番組内の持ちネタみたいなやつだったそうです。。
もちろん炎上し、すぐに投稿は削除されたらしいのですが、他者との距離感バグっちゃってるんだろうなと。そういう若手がSNS担当させられて、上司もコンプライアンスがグズグズだから、こんなことが起きるんだろうなと。
そんなことを思った一日でした。台風、怖いですね。
(画像引用:https://www.catan.com/)