アフガニスタンとアメリカ
最近非常に懸念のあるニュースがあります。
タリバンがアフガニスタンの政権を掌握
これは非常に懸念があります。
今大きなニュースは入ってきてませんが、ふたたびタリバンが恐怖政治を始めるかもしれません。
今回のことで、アメリカとアフガニスタン、タリバンの関係をまとめてみました。
時系列を逆算してみる
■今回なぜタリバンがこのタイミングでアフガニスタンの政権を掌握したか。
▲それはアメリカ軍がアフガニスタンから撤収すると発表し、タリバンが攻め込んだから。
■なぜアメリカ軍がアフガニスタンから撤退するのか。
▲アメリカが20年にわたり投入してきた貴重な人命と資金わりには成果が良くなかったから。
■なぜアメリカ軍がアフガニスタンに駐留していたか。
▲アフガニスタンの民主化を進め、治安を維持するため。
■いつからアメリカ軍はアフガニスタンにいたのか。
▲2001年9月11日の同時多発テロから。
オサマ・ビンラディン率いるアルカイダを打倒するため。
■どうして同時多発テロが起きたのか。
▲オサマ・ビンラディンがアメリカを憎んでいたから。
■どうしてオサマ・ビンラディンはアメリカを憎んでいたのか。
▲1990年、イラクがクウェートに侵攻してきた際に、アメリカが介入してイラク軍を撤退させる(湾岸戦争)。
その際に、隣接するサウジアラビアが攻撃されるかもしれないという懸念から、サウジアラビアはアメリカ軍に支援要請し、アメリカ軍はそれを受諾。
アメリカ軍はサウジアラビアに駐留することとなった。
イスラム教の聖地はエルサレム以外にサウジアラビアにもある。
オサマ・ビンラディンは、イスラム教の聖地に、イスラムではないアメリカ軍が侵入することが絶対に許せなかった。
アメリカ・サウジアラビア・タリバンの関係
ここからは順番通りの時系列になりますが、
冷戦時代である1979年からソ連がアフガニスタンに侵攻した。
それに対抗してアメリカも動くが、アフガニスタンはアメリカから遠く、アメリカ軍が直接戦うのは難しかったので、南のパキスタンに資金や武器を支援した。
そして、アメリカから支援を受けていたパキスタンから、イスラム原理主義であるタリバンが生まれた。
イスラム周辺国から義勇兵がソ連を追い払うためにアフガニスタンに集まっていて、その中にオサマ・ビンラディンもいた。つまり、ソ連に対抗するオサマ・ビンラディンは、間接的にアメリカの援助を受けていた。
1989年、ソ連軍は撤退するが、アフガニスタンをタリバンが制圧し、タリバン政権が誕生。
そのタリバン政権は、2001年12月にアメリカの攻撃によって消滅。
アメリカはどうすれば良かったのか
ここまで読むと、あれ、今のアフガニスタンの状況はアメリカにも悪いところがあるんじゃないか?と思った人もいると思います。
私もすこしそれは思います。
しかし、ではアメリカはどうするべきだったのか。
アフガニスタンにソ連が進行して、アフガニスタンの人々が苦しんでいる時に、何もしないほうが良かったのか。
恐怖政治で、特に女性の扱いがひどかったタリバン政権を、倒さず放っておけば良かったのか。
アフガニスタンに駐留していたアメリカ軍は、継続してアメリカの人材と資源を投入し続けたほうが良かったのか。
よく「歴史に if (もしも)」はないと言いますが、私も良い答えを持っていません。
しかしひとつ思いつくのは、もう軍事を使った、暴力の力による介入では、負の連鎖になるだけではないのか、と感じています。
かといって、ガンディーやキング牧師のような非暴力は通じるのか。
答えはないですが、私たちは今こそ歴史を学び、この混沌とした大きな動きのある時代に生かさねばならないと思っています。