どうやってまちづくり事業でお金をいただくか?
こんにちは、らしく社・税理士の堀です。
今回は「どうやってまちづくりの事業(事業化支援)でお金を頂くのか?」という点について、自分が実践している事や把握できている事を書いてみたいと思います。
というのも、この点は新たに知り合いになる方からかなりの確率で聞かれたり、また、自分自身も現在に至るまで試行錯誤をしてきた部分(そして今もまだ道半ばです(^-^; )なので、整理も含めて一度まとめておくべきと感じたためです。
まず前回の記事のとおり、らしく社では地域が自立して魅力的なまちになるために、何かしらの方法で事業やイベントを立上げ、資金を活用して持続可能なものとするチャレンジのご支援や実践をしています。
対象者について
あくまで自分のケースですが、まちづくりの事業化で「対象者」と想定しているのは以下のような方です。
①新たに起業される方(営利、非営利問わず)
②まちづくりや地方創生の志向にご理解のある不動産オーナー
③地域密着で長年地元で経営されている非上場のオーナー系企業
具体的なサービス
この3つのジャンルに当てはまる方々から、具体的に対価をいただく際に以下のようなサービスを提供しています。
①起業家向け
・事業化する際に選択する事業体(株式、合同、社団、NPO、財団、組合方式、任意団体など)、その選択した事業体における機関設計
・初期の資金調達のご支援(通常の融資や補助金のほか、種類株や持株会、基金、寄付や会費、遺贈なども含めて総合的に設計)
・最適な資金調達と投資回収プランの設計
・新規事業設計のご支援(事業採算と社会性の融合など)
②不動産オーナー向け
・空き家(古民家含む)、空き店舗、空き地などの遊休不動産活用のコンサルティング。具体的には、半年から一年程度のプロジェクトにて利活用にむけた構想ワークショップ、事業化シミュレーション、テストイベント実施、行政との連携支援など
・オーナー様一族に関する相続対策コンサルティングの実施※
※税理士業務部分は、別途税理士事務所にて受託
・その他、各種専門家やテナント候補事業者とのマッチングなど
③非上場オーナー系企業向け
・一般的な事業承継コンサルティングの実施※
後継者への株式シフト(株価対策、株価算定含む)、先代社長のリタイヤメント計画、社内整備(人事面、グループ会社など)、先代社長の相続対策など
※税理士業務部分は、別途税理士事務所にて受託
・後継者発の新規事業の設計、既存事業見直しのご支援(自社の強み×地域資源の掛け合わせなど)
これらのサービスは、税理士の知見を活かしてまちづくり分野へ派生できると感じた部分をカスタマイズして形にしたものです。
現時点で感じている課題
ここまで書くと「なんか色々やってるな~」という感じもしますが、もちろん課題は山積みでございます(笑)
自分自身、まちづくりの事業化支援を仕事にしてみて感じた主な課題はおおよそこんな感じです。
・かなり属人化ありきの事業であること
やや強引に平準化もできるが「その人ごとの個性を生かした形」にしないと本質が抜けてしまう
・対価をきちんと頂くまでの時間的なロスが生じ易い
多くのケースで金銭以外の対価はきちんと受領していても、肝心の金銭的報酬はかなり後ろにずれてしまう事が多い
・対価が通常のビジネス(例えば税理士業)に比較すると低い
これは自分の感覚だと、税理士業の対価の5-6割でまちづくりの仕事はお請けしているケースが多いと感じます。
・ケースに応じて「まちづくりを事業として認識してもらう」という最初のステップがあり、通常のビジネスよりも一段階ほど工数が多い
これは未成熟で抽象度が高い分野なので仕方ないのかなと例えば税理士なら職業名をお伝えすれば「税金とかお金関係で相談できる人かな」と認知してもらえますが、まちづくりの事業化というジャンルは新規性が非常に高いため、実際のサービス提供前にまちづくりに関する考え方、描いている未来、対象範囲などのお話をして価値観に大きな相違がないことを確認するという手順が重要だったりします。
と、続けて色々書きたいところですが長くなりそうなので(^-^;続きは次回にしましょう。
来週あたりに、
「まちづくり事業と事業規模」
「まちづくりを持続するための所得設計の考え方」
などを書きたいと思います。