tetsurofujita

富山市で急性期病院の事務長をしています。1985年富山県上市町生まれ、富山市在住。富山高校→東京大学→国土交通省→民間急性期病院事務長。医療経営士1級、中小企業診断士、特定行政書士、申請取次行政書士。興味は医療・福祉と都市・交通。

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富山市で急性期病院の事務長をしています。1985年富山県上市町生まれ、富山市在住。富山高校→東京大学→国土交通省→民間急性期病院事務長。医療経営士1級、中小企業診断士、特定行政書士、申請取次行政書士。興味は医療・福祉と都市・交通。

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医療機関に完成はない。成長し続けないと死ぬ。という話。

医療機関に完成はない、という話をツイッターでしたらわりと反響あったので、備忘録的にまとめます。 医療機関が組織的に”死ぬ”段階について1.経営の踊り場からの停滞 医療機関が立ち上げ期を乗り越えて運営が安定してくると、収益的な伸びはないものの、人員配置も充足し、離職率も下がってくる【経営の踊り場】みたいな状況になるときがあります。 離職率が下がると追加採用しなくてもよくなり、人間関係が成熟して仕事が円滑に進むようになります。こういうときは管理コストがめちゃくちゃ下がるので

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    • 僕は青い銀行の口座を解約した

      先日、青い銀行の口座を解約した。上京直後に口座開設したので、数えると約20年のお付き合いだった。振り返ってみると、東京にいる間は青い銀行がずっと自分のメインバンクだった。私の青春時代は青い銀行と共にあった。 ------- 初めてのキャッシュカードは大学生協の提携キャッシュカードだった。カードが生協の組合員証を兼ねていて、キャンパス内の生協書籍部で本が割引価格で買えるという優れものだった。構内にATMもあって利便性も高かった。 大学卒業後、初任給を受け取ったのも青い銀行

      • 企業は従業員の【家庭マネジメント】をもっと支援していく必要がある

        「仕事のパフォーマンスを最大化する 戦略としての家庭マネジメント」(藏本雄一著)を読んだ。 本書は、家庭(主に妻)との関係を円満に保つ意義やそのためのノウハウを紹介するもの。バリバリ家事も育児もやってる今時のインテリ男性というよりは、どちらかというと『家事・育児参画に前向きでなかった夫』に向けた啓発書というポジショニングになる。 家庭マネジメントという考え方は、私も最近注目しており、これから重要なテーマになってくると予想している。 この10年ぐらいの労働供給量は女性の就

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        • 【読書記録】リーダーシップ 6つの試練

          ディーン・ウィリアムズ著、「リーダーシップ 6つの試練」(原題:Real Leadership)を読んだ。 世の中一般に言われている「信念を持つ」「道筋を指し示す」といったリーダーシップの"あるべき論"を「偽のリーダーシップ」と喝破し、真のリーダーシップ(Real Leadership)について論じている。 著者は、一般に流通している、◆信念を持つ、◆ビジョンを明確に説明する、◆道筋を指し示す、◆忠実なフォロワーを生み出す、、、といったリーダーシップの概念は、リーダーの取

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        医療機関に完成はない。成長し続けないと死ぬ。という話。

          【読書記録】 階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

          チャールズ・マレー著、「階級『断絶』社会アメリカ: 新上流と新下流の出現」を読んだ。 今も昔も「格差」はあったが、上流層も下流層も一定の範囲内で共通の「文化」を共有していた。ところが、この50年(本書の分析期間である1960年~2010年)の間に、知識労働者の増加や大学進学率の向上等が起き、これまでと違った「新上流階層」が生まれたと筆者は論じている。 知識労働者同士の結婚による二世・三世の誕生、都市部への知識労働者の集積によって、「新上流」と「新下流」は、単に収入や資産の

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          【読書記録】 階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現

          「土木」と「土木じゃないもの」をつなげる

          今となってはもう大昔の話になってしまうけれども、医療業界に流れ着く前は、土木の行政官をしていた。 いま振り返ってみると、土木計画だったり土木工事そのものは好きだった。最初に関わった道路工事やダム計画なんかは、今でも折に触れて思い出すし、鉄道行政も定期的に動向をウォッチしてしまう。子供がいわゆる「はたらくくるま」を見ていると、あれはね・・・などと解説してしまったりする。確かに土木は好きだった。 ただ、物事にはいろんな側面があり、自分自身が行政官として事業にまつわるいろいろな

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          「土木」と「土木じゃないもの」をつなげる

          なぜ病院の経営企画室は安易に原価計算をして炎上するのか

          病院の部門別原価計算で起こりがちなこと 過日、病院経営クラスタでふじいまさし(@fmasashi)さんを起点として、原価計算に関して面白いというか、切実というか、とても重要な問題提起があった。 病院がいわゆる経営企画室をつくると、なぜか部門別原価計算(特に診療科別原価計算)に取り組みがちな印象がある。多分に漏れず、私も経営企画室時代に部門別原価計算をしたことがある。 病院の経営企画室は、理事長・院長の鳴り物入りで立ち上がり、固有業務があまりない場合が多い(#一般論です)

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          なぜ病院の経営企画室は安易に原価計算をして炎上するのか

          医師と教師の働き方改革のアナロジーについて

          「学校の働き方改革」について ご縁で教育系の非営利法人の活動に参画させてもらう機会があり、そこから派生して「学校の働き方改革」というものがあることを知った。 この学校の働き方改革というもの、医療業界の「医師の働き方改革」ととても文脈が似ている。具体的には、以下のような共通点だ。 仕事への全人格的な投入が期待されている(休日も仕事にコミットする) 正規の労働時間以外の活動があるのが当然とされる文化がある 属人的・職人的な仕事の仕方が主流で組織的な分業が進んでいない

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          医師と教師の働き方改革のアナロジーについて

          2022年度改定の短冊で気になったところを備忘録的に書く

          2022年度改定の短冊公表 2022年1月26日の中医協総会で2022年度診療報酬改定の個別改定項目(いわゆる「短冊」)が公表されました。まだ点数や基準の一部が確定してませんが、全体をざっと確認して、特に影響ありそうなところをチェックしたので備忘録的に記録します。 なお、弊社はICU等の治療ユニットがないため、ICU関係の改定はほとんどチェックしてませんので、悪しからずご了承ください。 1.感染対策向上加算 ・加算1の抗菌薬適正使用加算が本体の施設基準に編入。感覚的には

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          2022年度改定の短冊で気になったところを備忘録的に書く

          「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる都市の再生」報告書で感じたこと

          先日、都市局がやっていた「都市の多様性とイノベーションの創出に関する懇談会」の中間とりまとめ報告書が公表された。 2点気になったことがあったので、備忘録的に書いておきたい。 1.ついにやってきたパワポ製の報告書行政の資料はとにかくパワーポイントで作ったポンチ絵が多用される傾向にあるが、それでも審議会の答申や研究会・懇談会等の報告書はワードなり一太郎なりできっちりと文章化されるのが一般的。 ところが、今回の懇談会の報告書は、すべてパワーポイントで作成されている。 確かに

          「『居心地が良く歩きたくなるまちなか』からはじまる都市の再生」報告書で感じたこと

          救急医療の経営学

          大阪府の救命救急センターが、現場の立て直しのためのクラウドファンディングしているのが話題。 医師の平均年収は1500万円ぐらいなので、諸手当や社会保険料を考えると、医師を1人、1年間雇っただけでCFで集めたお金は溶けてしまうことになる。 当該病院の意図としては、まず医師を確保して患者数を捌けるようにすることで売上を確保し、悪循環を打開する切り口にする意図なんだろうが、上述のことを考えると2000万円程度では救命センターを抜本的に改善するのは難しいんじゃないかと思う。 救

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          人を殺すのは暴力ではなく期待

          5年ほど前になるが、以下のようなツイートがあった。(※元ツイは削除済み) このつぶやき、私も似たような体験があるので、すごく共感した。 職場で人を追い込むのは、厳格な労務管理とか暴力よりも他人からの期待(「あいつならここまではできる」というポジティブなもの)や自ら課している期待(周りの期待に応えたい、ここで評価を得るにはここまではできないといけない)である場合の方が多い。時に、暴力よりも期待の方が強い殺傷力を持つ。 私自身、役人をやっていたときは数か月休みが全く取れず、

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          6月・第3日曜日

          Twitterやfacebookのログなどを読み返すと、1日十数時間は余裕で働く過去のモーレツな仕事ぶりが浮かんでくる。それに引ひきかえ、現職でのゆるゆるとした仕事ぶりは、我ながら「こんなんでいいのか?」と焦ってしまうときもあり「もう少し仕事する時間増やさないとまずいかな」と漠然と不安になったりもする。 だいたい、今の企業はフルタイムの正社員だと1日8時間+昼休憩1時間という働き方が標準的だと思う。  通勤時間は長い人短い人いろいろいるが、モデル的に片道30分、往復1時間

          6月・第3日曜日