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自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep6.親の背中~

Ep6.親の背中
 だが、言うは易く行うは難し。やるとなるとそれなりの困難が付きまとう。ルールを重んじる日本人の中にあって、そこから外れる行為はもしかしたら後ろ指を指されるかもしれない。親の顔に泥を塗ることになるかもしれない。意気込んだはいいものの期待と不安が頭の中で渦巻いていた。「もし、失敗してしまったら・・・」。更に追い打ちをかけたのは、調べれば調べるほど自分で結婚式をゼロから作った人がほとんどいないという事実だった。そんな時に背中をポンっと押してくれたのは僕の両親だった。

 後日、両親に打ち明けた。「式場見学したんだけど良いところがなくて、自分たちでゼロから作ってみようと思う」そう言うと、父母ともに「いいんじゃない。やってみなよ。」と即答された。元々、事業を色々やっていてお金にも苦労していた両親には結婚式を作ることくらいは何てこと無かったのかもしれない。正直、多少なりとも止められるかと思っていたので少々拍子抜けしたがひとまず、第一段階をクリアした。ただ、それでも福岡にいる九州男児のみはるのお義父さんには中々言えずじまいだった。

 そして、お義父さんに話せないまま入籍前の顔合わせの機会がやって来てしまった。僕はその時にきちんと説明しようと心に決めて両家顔合わせに向かった。

 はとバスの都内観光で一通り東京駅付近を回った後、旅客船で昼食をした。お腹も満たされ、お酒も入って気持ちよくなってきた時にふと僕の父親が切り出した。「2人の結婚式のことなんですけどね。自分たちで作りたいって言っているんですよ。私はやってみてもいいんじゃないかなと思っているんですけど、みはるちゃんのお父さんはどうですか?」とお義父さんに話しかけた。お義父さんは「うん、良いと思いますよ。」とあっさりと返答。
父親は昔から人の感情を読めない人だと思っていた。特段、僕からこの日に式のことを切り出してほしいとも話していない。ただ、何かを察したのか責任感からか全てをみはるのご両親に説明してくれた。こうして、親の背中を見せられた僕はいよいよ「結婚式をゼロから作る」ということを本格的に決意した。

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