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自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep4.式場見学~

Ep4.式場見学

 とはいえ、百聞は一見に如かず。僕とみはるは有楽町駅の国際フォーラムでやっていたウエコレに行ってみることにした。いわゆるブライダルフェアというものだ。そこには、これから結婚する新郎新婦を迎えようと多数の企業が出店していた。結婚式場・指輪・ドレス・ブーケブートニア・歯のホワイトニングなど。保険会社まで出店していた。

 出店しているマルシェのスタッフに話を聞くとどうやら昔と違い今はホテルでの式よりも自然な感じが出るハウスウェディングが人気らしい。ひとまず詳細を聞くためにプランナーの元へ。このプランナーというのが人によって個人差がある。僕たちを案内してくれたプランナーの女性はまるで機械仕掛けのロボットのようだった。疲れていたのかもしれないがとにかく恐ろしいほど説明が分かりづらいし、つまらない。(この人は尻子玉でも抜かれているのだろうか?)iPhoneのSiriの方がよっぽどユーモアがある。

 時間も無かったので僕たちは案内された結婚式場に3件予約をして一週間後、見学に行ってみる事にした。

※ブライダルフェアと結婚式会場見学は別物。ここでは割愛する。

 最初に行った式場は千葉県流山市にあるハウスウェディングの会場。駅から徒歩15分ほど歩くと見えてきた会場は一つの街のような装いで綺麗な場所だった。
 応対してくれたのはヤジマさんという40歳前後くらいの男性。ヤジマさんは僕たちを見るなり人懐っこそうな顔で「遠いところようこそお出で下さいました。今日はよろしくお願いします。」と軽い挨拶を交えて見学をスタートさせた。

 一通り式場を見て回り、昼食を頂き、最後に見積を貰った。拘っていることもあってか一般の式場よりもやや高めに設定されていた。持込料もかなり高い。ただ、ヤジマさんの人柄が僕たちを悩ませた。

 次の結婚式場の見学もあったため式場を出ようとした時にヤジマさんが少し寂しそうに「是非、ご自身が納得した結婚式場を選んでください。私たちがお手伝い出来れば嬉しいですが、お二人が幸せになることが一番です。」その言葉に後ろ髪をひかれながら僕たちは式場を後にした。

 2つ目に行ったところは横浜のホテルに常設された結婚式場。ここではホテルのロビーに式場の受付が併設されていたため宿泊客が賑わいを見せていた。

 対応してくれたのは40代後半の女性のプランナーで、ヤジマさんと違いどちらかというと事務的な印象を受けた。1件目の式場と流れ自体はそんなに変わらず、見学、食事、見積の順だった。最後にプランナーが見積を見せながらクロージングをかけてきた。もちろん、あちらも仕事なので想定はしていたが案外としつこい。適当に理由を付けてホテルを出ようとすると急にプランナーの顔から笑みがなくなった。ホテルを出てみはると目を合わせたときに僕と意見は完全に一致していた。「何か疲れたね・・・」

 3つ目の会場はお台場にあるハウスウェディングの式場。

 ここでは、20代の若い男性がプランナーをしていた。若さもあってか勢いが良い。とにかく元気さと式場への紹介の熱さが感じられた。演出も拘っていてまるで結婚式をしているかのような感覚を、人手を使って行われた。印象としては中々に悪くない。後で調べて分かったがこの式場はハウスウェディングの中でも特に人気が高い式場だったようだ。
 ただ、ここでも気になったのは持込料の高さと自由のなさ。式場自体は雰囲気も良く、ハウスウェディング好きには堪らない空間にはなっている。しかし、自分たちなりの結婚式が出来るか聞いてみると答えはNOだった。プランナーの男性は最後まで食い下がったが、結局僕たちの意志が強くお断りした。

 3つの式場を見ても、僕たちの予算内に自由で理想を叶えてくれる結婚式場は見つかることはなかった。そして、おそらくこれ以上式場見学を続けても理想は叶わないことは何となく理解出来た。

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