侵される領土
好きだったミューシャンが売れてしまった。
最初は自分だけのもので、名前も覚えてくれていたのに、遠い存在になった気がして、
なんとなく好きじゃなくなる。
いや、もしかしたらこの感情は嫌いに近いかもしれない。
そういう感情は、ミュージシャンに限った話ではない。
好きな映画、好きな本、好きなアニメ、
まだ日の目を浴びない時期に見つけたものが
他の人にも見つかり始めると、急に冷めてしまう。
私が最初に見つけたの、私が1番知っているのに、
あぁ、全然わかってない、その映画のいいところはそんなところじゃないのに。
自分の好きが、他人に侵されていくのはやはり不快である。
そうやって好きなものが減っていき、また新しいものに出会う。
RADWIMPSが「君の名は」で大ヒットした時も同じような現象があった。
「前前前世」もいいけど「五月の蝿」とかのほうが私好きだな、、、
「なんでもないや」「スパークル」しか知らないのにファンとか、まじで?笑
RADも変わったな、俺昔の方が好きだった
当時、RADWIMPSの大ファンである僕は、
そういう文を見かけては、いや、、ファンってそういうことじゃないでしょ、とか
それって自分の好きを押し付けてるだけじゃない?とか
口では言ってたけど、実は心の隅には、
同じような感情はあった。
音楽、映画、アニメ、本、
この世に溢れる趣味に、100%純粋な気持ちでそれを好きになることはもしかしたら珍しいことなのかもしれない。
音楽を通して、誰かと繋がることや
映画の感想を書いて、他人から評価を得ることや、
何が言いたいかというと、僕は趣味に対して不純な動機があることはとっても普通なことだと思う。
ただ、その割合が
純粋60 不純40
であれば、僕らはずっとそれを好きでいられるんじゃないかと、
思う。