世界観episode 14 -母親の交通事故 (HSS型HSP中学校編④)
中学生生活も後半に入る頃
とある授業中、突然担任の先生から
呼び出しを受けました。
「お母さんが事故にあったそうだ」
「大事故で意識がないらしい」
一瞬コトバの意味が入ってこなかった。
よく分からないまま母親が担ぎ込まれた
病院へ向かいました。
当時、母親はパートに原付で通っていて
いつも大通りを跨ぐような通路を通って
いたのだが、猛スピードで走ってきた
乗用車にはねられてしまったそうだ。
「下半身損傷」
「全身複雑骨折」
命があるか分からない状態だそうだ。
手術室の前で担任の先生が
色々励ましてくれていたのは
覚えていたが、コトバの内容は
入ってきませんでした。
そしてしばらくして当時大阪で
勤めていた父が猛スピードで
病院へ駆けつけました。
「先生、容体は?」
・
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「下半身不随」
全治1年の複雑骨折です。
命は奇跡的に助かりました。
とりあえず、命が助かった
安堵が駆け巡った。。。
しかしとても大きな大きな
事故だった。
その日から母親抜きの
生活がスタートしました。
その日、母親が作ってくれて
いた最後のお弁当を食べました。
「なんかしょっぱい味がするな?」
自分の感情が良くわからなった
その味は涙の味だったみたいです。
ここからの一年、父親の頑張りが
異常だった。
毎晩料理を作り、
母親の入院の手続きや様子見し
事故を起こした相手との裁判での
日々弁護士との打ち合わせ、
もちろんフルタイムの仕事を
こなしながら、僕たち兄弟を
育てていた。
ムードーメーカーの母親が
いなかったので、とにかく
食卓は暗かったです。
相変わらず父親は厳しい会話
しかしませんでしたが
言葉少なげに黙々と頑張る
その姿は、絶対に折れない
不屈の闘志のようなものを
感じました。
一方、母親の方は入院先の看護の方と
相性が悪かったみたいで、ストレスで
10円ハゲが出来ていたようだった。
結局、下半身は完全に治ることはなく
かと言って車いす生活まではいかない
ビッコをひき歩きになってしまい
それ以降母親には障碍者年金が下り、
そして幸か不幸か、父親が頑張って
いた裁判活動で相手に過失があった
とのことで労災が下り、まとまった
保険金が下りたようだった。
お金には困らないけど
精神的に苦しい家
うちの家庭の事情は一言で言えば
そんな感じだった。
そして色々ありましたが、母親不在の
苦難の一年は、父親の頑張りで
無事、乗り切ることができました。
世界観episode 15 -高校受験と兄が壊れた日
へ続きます