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学会の広報戦略を振り返る
2025年2月23日(日)に【第28回福岡県作業療法学会】が行われます!
このnoteでは学会の運営側からの目線で【第28回福岡県作業療法学会】の学会長である私が、学会が出来上がるまでの課題や奮闘についてを書いていきたいと思います。
今回のテーマは「学会の広報戦略を振り返る」です。
学会まであと1週間!
このタイミングで今までの広報手段について振り返ってみます。
誰に何を届けるか?考えましょうね。
事前申し込みは300名を超えてきました!
2月1日〜 第1弾オンデマンドの配信開始!!
オンデマンド参加の申し込みは学会終了後1週間(2月28日)までなのでお忘れなく!
広報は誰に届けるかから
単純に広報と言っても、誰に届けるか?でその方法も変わってきます。
だから、最初に考えるべきは、
「どの方法を使うか?」ではなく、
「誰を対象にするか?」です。
次世代への広報
本学会でいえば、学会タイトルにもある通り「次世代」がメインターゲットになります。
それにはいくつか理由があります。
協会の会員の減少
対面研修会への参加の減少
若い世代の成長の促進
新しい時代の流れを作りたい
など、次世代を対象する理由が背景には整っていました。
なので、その次世代はどうやって情報を収集しているかを調査するんです。
その結果、「Instagram」での情報収集を行っている人が多いことがわかりました(職場の次世代に聞いて回って判明)。
なので、学会自体の広報はメインが「Instagram」になりました。
市民への広報
一方、市民公開講座の「市民」に向けての広報は別の方法をとっています。
「市役所や区役所へのチラシの配布」
「テーマに関連する施設への広報依頼」
「委員の周囲の知り合いなどへの広報」
です。
今回は「自動車運転」がテーマだったので、、まずは対象となりそうな世代の情報収集方法について考えてみます。
特に、60〜80代くらいになると、上記のような方法が良いと考えて実践してみました。
その結果、一定数の申し込みはありましたが、いまいち伸び悩んでいました。
そのため、現在の広報手段は芯を捉えてないように感じたので、申込者の情報から参加申し込みまでの動線を検討してみました。
その結果見えてきたのは、
おそらく40〜50代 → 親世代への口コミ(60〜70代)という流れがありそうでした。
そこがわかれば、広報先は40〜50代くらいで親の運転について悩む世代になります。
40代くらいはSNSも運用しています。
なので、上記に加えて「Instagram、facebook」での広報を行うようにしました。
結果的にはたくさんの方に事前申し込みをしてもらえました。
このように、どの対象を目指すかで変わってくるので、それを考えて、必要な広報方法を検討しましょう。
広報には時間がかかる
ここで注意しないといけないのは、とにかく「広報には時間がかかる」ということです。
先ほどの市民公開講座の広報手段は、学会が2月ですが、申し込み開始が10月くらいでした。
また、今回は事前登録制を取り入れました。
そうすることで、市民の申し込みの動向や動機を知ることができますので、それに合わせた広報手段に変更していくこともできます。
でも、これらを行うには時間がかかりますし、個人的にはもっと早い段階で広報を打てば、もっと別の手が見えたように感じています。
広報はとにかく早いに越したことはないですし、どういった人に届くかわからなければ、トライアンドエラーからうまく方法を変更して広報をしていくことが必要になります。
プロセスエコノミー
今回はこの広報戦略に軸を置いています。
プロセスエコノミーはイベントや商品が出来上がるまでの過程を見せたり販売することで、実際の商品の価値を高めて興味を持ってもらい、参加(もしくは購入)してもらう方法です。
学会は実はプロセスエコノミーの要素が多分に含まれています。
前回の学会にて次期学会の広報
テーマ、会場の決定
演題登録の開始と終了
採択演題の通知
講師の決定
学会誌の完成
参加申し込みの開始
学会前のアナウンス
こうやって見てみると、学会を作り上げていく過程全てが広報のチャンスになるわけです。
が、私がよく見る学会は8.学会前のアナウンスは頑張るんですが、それ以外を広報として戦略的に行えていません(もったいない)。
広報をするにはアナウンスする内容が必要になりますが、学会は実は全てがアナウンスの内容になるため、学会のアナウンスとして、しっかり広報を動かせば、基本的にネタが尽きることはないです。
当学会はこれに加えて、
「noteでの学会長の奮闘記」
「ビギナー発表支援コミュニティで発表の支援」
などを使って、さらに広報機会を増やしています。
これらの内容を「Instagram」などで常に発信することで切れ目のない広報を行ってきました。
これはプロセスを見せることで、学会が出来上がるまでを知ってもらい、学会に興味を持ってもらうための広報戦略です。
その他にも細々したものはあるんですが、大筋は上記のような方法で広報を行ってきました。
特に学会の特徴は「演題が増えると参加者が増える」傾向にあるので、多くの発表を受け入れることがコツになります。
そのため、発表のハードルを下げるための「ビギナー発表」などはいろんな意味で良い取り組みだったと考えています。
広報は戦略的に。
誰に、何を、どのように、届けるかを考え抜くことが必要ですね。