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裸足のような感覚で歩ける「ベアフットシューズ」本当に大丈夫⁉︎ 靴の専門家が解説します。

「裸足のような感覚で歩ける靴『ベアフットシューズ』が、再び注目されています。
しかし、その魅力の裏にはリスクもあることをご存知でしょうか?」

「10年前、『ベアフットシューズで足は健康になる!』と話題になりました。
しかし、履いたことでケガをした人が続出し、訴訟問題にまで発展。和解金の支払いとともにブームは沈静化しました。

時を経て、再び登場したベアフットシューズについて、一緒に考えていきましょう!

⒈ベアフットシューズの特徴 ⒉靴との比較 ⒊向いている人と向かない人 ⒋実際履いての感想 の順で解説していきます。
解説を聞いた後、ご自分にとって必要な靴なのかを考えてみて下さい。

⒈ベアフットシューズの特徴

1- ①ゼロドロップ

つま先とかかとの高低差がないソールが特徴です。
【メリット】裸足感覚に近くなります。
【デメリット】ヒールの高さのある靴に慣れている現代人には、対応できるようになるまでに時間がかかります。

1- ②フットシェイプ

裸足の足のシルエットのように、つま先部分が広がっている木型を使用しています。
【メリット】足趾のサイドの圧迫を感じることもなく、足趾を使いやすくなります。
【デメリット】ファッションの観点からは、合わせにくいなどの課題はあります。

1- ③ソールが薄い

ソールが薄いので、柔軟で素足感覚の強い履き心地です。
【メリット】より地面を感じることができ、足裏のいい刺激になります。
【デメリット】路面の小石も感じ易くなるので、好き嫌いが分かれると思います。

⒉ ベアフットシューズと靴との比較(3つの観点)

ここでは、象徴的な3つの観点から、ベアフットシューズを靴との比較で観ていきましょう!

2- ①ヒールの観点

ベアフットシューズはヒールがありませんが、靴には存在します。
ヒールの役目は?と聞かれて、直ぐに答えることのできる人は、殆どいないと思います。
ヒールは、人間の安全を考慮してできたものです。

人間は、前に倒れるのと、後ろに倒れるとでは、どちらが安全だと思いますか?
お分かりのように前者です。
人間を後ろより前に倒すようにするため、ヒールはあります。

殆どの道が、土であれば問題ないかもしれませんが、今は、石造り、アスファルトなど硬い路面です。後ろに倒れ頭を打てば、当たりどころによっては命を失います。
そのため、できるだけ前に倒れて欲しいためのヒールです。 

2- ② トゥの形状の観点

靴の先の形は様々のものがあります。
ポインテッドトゥ、スクエアトゥ、ラウンドトゥ、オブリックトゥなど、ファッション性だけではなく、そこには意味があります。

❶オブリックトゥ

足なり、ヘラ型とも呼ばれます。
ゆびは楽ですが、見た目がとてもカッコが良くありません。
足・健康を考えれば、この形がいいと言われますが、この形でなければ足に良くない。
そんなことはないということだけ言っておきます。
このタイプとセットでおすすめされるのが、5本ゆびソックスです。
この5本ゆびソックスはゆびを独立させ、動かせることができるようにということですが、これは靴の設計に問題なので、靴を変える必要があります。
5本ゆびソックスの弊害としては、⑴開帳足になりやすい。⑵ゆびの部分が窮屈になり、靴をハーフサイズアップし、踵が脱げ易くなる。等が起こります。

❷ ポインテッドトゥ

靴の先が尖った形、この中にゆびが入るのか疑わしい靴です。
誰が履いても痛くなる靴です。
そこから読み解けることは、このタイプを履いていた方はとても裕福で、馬車などで移動しほぼ歩く必要がないという証です。
このタイプの靴を朝から晩まで歩き回るビジネスマンが履いている姿を見て、どう思いますか?

❸スクエアトゥ

ゆびも比較的に楽で、スタイリッシュに見えるおすすめのスタイルです。
1日の中で靴を履いている時間が長いとされるイタリア人に好まれていることからも納得です。

❹ラウンドトゥ

見た目はゆびが楽そうに見える靴です。
前足部の長さの取り方によっては、母趾の末節骨が外側に反るIP外反母趾になりやすいので、チェックが必要です。

2- ③ アウトソールの厚みの観点

アウトソールは、用途によって使い分けられています。
登山靴でしたら、凹凸の激しいラグソール。
ドレスシューズでしたら、しなやかな返りの革底。
また、使用目的において、靴底の厚みも変わってきます。

靴底が厚いものは、

【メリット】丈夫。長持ちする。冷たい熱い路面から足を守る。
【デメリット】返りが悪い。重たい。ゴツく見える。

靴底が薄いものは、

【メリット】返りがいい。軽い。スタイリッシュに見える。
【デメリット】底が擦り減りが早い。路面状況を感じやすい。

⒊ベアフットシューズが向いている人と向かない人

「ベアフットシューズ」は誰にでもお薦め出来る靴なのかを見てみましょう。

✅ ベアフットシューズが向いている人

● 素足感覚で歩きたい人
● 足指の自由度を重視する人
● 足の機能を鍛えたい人
   

❌ ベアフットシューズが向かない人

● クッション性を重視する人
● 長時間歩くことが多い人
● ヒールのある靴に慣れている人
 特にハイヒールをよく履いている方は、足首周りがハイヒールの高さに習慣化されていることが予想されます。そのため、ヒールの高さが全くないこのモデルを履くと後ろに倒れそうになることも考えられます。
もし、トライする時は、時間を限定し履くことをおすすめします。

⒋ 実際履いてみて見えた傾向と対策
 〜ALTRA TOKYO GINZAにて〜

アルトラ銀座店にて、ベアフットシューズを履いてきました。
スタッフの方は、歩行動作、体のことも勉強されていて、靴選びも安心してできるお店だと思います。
今回は、下のモデルを履いてきました。

① ESCALANTE RACER 2(エスカランテ レーサー 2)

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