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【生き方と死に方。プライドの話】

【プライドの話】
 
知人の死を知ったので、思うところがあって書いてみます。※長文 

プライドは生命より重い。

そんな風に思う事がある。

「人は命が一番大切だ!」

「命より大切なものはない!」 と言う人もいるが、

生命よりプライドの方を大切にしている人もとても多いと思う。


自殺する人は、その大半が

人に『恥』を見せたくないから亡くなる。

そして、自分のことを理解してもらえない時。

プライドを傷付けられた。と言って亡くなる人もいる。

 
ちょっとプライドの話をしますね。
 

★1つ目のプライドの話。

今日の朝、六時に訃報がありました。
 
メールで連絡が来ましたが、すぐに電話をしました。
 

15年前に経営者の勉強会の勉強を一緒にした仲間です。

 
10年前に会社が倒産して、相談に乗っていた事もありました。

結果として一度復活したんだけれど。
 
その後、最近二回目の破綻をした事は知っていた。

彼は会社倒産の事実をずっと奥さんに隠していたそうです。

今までどんなに辛くても家に決まったお金を入れてきたからバレていなかったらしいのです。

「奥さんが感謝してくれている。それがおれの一番大切な幸せだ。」

「それを守る事だけが人生の大切な事だ。その為にこの事は言えない」
 
と前に話した時にも言っていました。

でも、遂にお金を家に入れられなくなって、その後亡くなったそうです。  
 
たぶん彼にとって、その一線が大切な「プライド」だったんだと思う。
 
「隠していてバカみたい。正直に奥さんに言えば良かったんでは?」

そう思う人もいると思います。
 
確かにその通りだと思う。でも「死」を決めたのは彼の決断。

自殺と言う彼の自分勝手な決断には腹は立つし許せない。

けれど僅かに尊重してあげたいという気もする。
  
 
プライドを守るという「生き方もあれば、死に方もある。」そう思いました。
 
 

 
★2つ目のプライド。

かなり多額の連帯保証人債務を返していたことがあります。17年前23歳の時です。

自分で借りたお金じゃなかったのですが保証人として、
 
毎月人の年収ほどのお金を返していました。

そして順調に返済し、ハイスピードで返済をしました。
 
返済期日よりもかなり早く返していったのです。
 
 
ところが最後の最後の端数2万円を振り込みしなかったんです。
 
それまで多額の返済をしていたのにです。
 
 
どうしてか?
 
それは払うのがバカバカしくなってしまったんです。

「俺はこんなに払ってきたんだから最後の支払い位はいいだろう?!」
 
早く返してそもそも利息は減ったはずなんだから。

と自分勝手なワガママな気持ちが出たんです。

 
それからは意地の張り合い。
毎日数百件の督促電話をしてくる。
俺はそれを拒む。
そんな日々が続きました。

 
突然そこの社長が直接やってきました。

ノンバンクですが金融企業の大手上場企業です。
ハイヤーで会社にきて。
   
話し合いになった時。その社長に言いました。
 
 
「この督促業務で人件費が莫大にかかっているのではないですか?意味がないんじゃないですか?」
 
そういう質問をしました。
  
すると彼は言いました。
 
 
「たとえ残金が1000円だろうが、100億円だろうがそれは関係が無いんです。
 
 
1億円でも100億円の経費がかかったとしても残金は回収する。経費がかかるから、距離が遠いから、面倒だからと言って諦めない。それが金融業のプライドなんです。」
 
そう言われました。
 
「1000円の督促に対しても、100億円の経費をかけてでも回収する。」
 
 
損得だけで考えられる言葉ではないと思います。
  
 
「あーこの人は本物だ。」
 
 
そう思い。直接二万円ちよっと残金をその社長に渡しました。

 
プライド、誇り、意地。
 

こんな風に仕事にプライドかけて経営する事はできますか?
 
 
人間の尊厳や、生命の根幹は、実は肉体などではなく、その想いなのかな?
 
 
そう考えさせられる時間でした。

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