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【医療崩壊の本質は医師に一番辛い「生命の選択」をさせること】

医療崩壊という言葉があります。
それの意味を知らずに色々な発言をしている人がします。
 
未だに医療崩壊なんて起きない。
   
「コロナは大した事がない」
「政府の陰謀」
「経済の方が優先」
「インフルエンザの方が怖い」
  
という人たちが多数いらっしゃいます。
 
 
医療崩壊の本質って、なんだかしってますか?
 
「それは末端の医師が、助ける生命と助からない生命の
選別の責任を負わされる」
 
ということなんです。
 
生命の選別は辛いものです。

死刑囚に対して死刑執行を行う。
死刑執行官ですら、
  
執行官数人数人が一度に執行ボタンをおし、
誰が殺したのかわからないようにします。
人を殺した罪悪感による、
精神的なケアの為に必要な措置です。
  
  
医療現場を見た時にどうでしょう。
  
新型コロナ重傷者。気管挿管して人工呼吸。
集中治療の為にICUでの処置が必要な人もいます。
    
ECMOと呼ばれる人口心肺が必要な患者もいます。
 
 
一つの例で考えて見ましょう。
  
ある病院ではECMOが残り3台しかありません。 
   
あるとき、救命で4名の患者が運ばれてきました。

・全員重篤でした。
1・90歳 男性 1名 独身 身寄りなし
2・20歳 女性 2名 独身 大学生
3・50歳 男性 1名 既婚 家族4名
4・15歳 男性 1名 独身 中学生

順番に治療していきますが、
みんなが同時に心肺機能が低下。
全員にECMOを装着していきます。

そして最後の15歳の中学生の治療の段階でまたECMOが必要になりました。
   
つまりECMOが一台足りません。 

医療チームで話し合いになります。
その時に、看護師が発言します。
 
「実は昨日1台が100歳のおじいちゃんに装着されています。
でも意識はなく、ECMOで回復する可能性も低く。
かろうじて装置のおかげで息をして、生きています。
どうしますか?」 と。。。
   
 
医師は考えます。
昨日のおじいちゃんのECMOを15歳につけられたら、
この子を生存させることが出来るのではないか???
  
・・・・
・・・・・
 
でも、その考えを医療チームにさせた時点で。
その病院は「医療崩壊」へ突入した事になります。
  
どっちにの選択をさせても誰かが死ぬかも知れない。
それが「地獄」なのです。
  
  
インフルエンザでは起きない状況なのです。
  
なぜなら、インフルエンザが悪化しても、
多種多様な医療選択肢があるからです。
  
薬も数十種類以上。選択できます。
悪化しても、何らかの病院で対応できます。 
ECMOがなくても、普段なら、人工呼吸器も不足してないし。ECMOのある病院へ移送すればいい。
   
でもそれが出来ず。
医療チームが出来る治療選択肢がなくなること。
  
  
死ぬか生かすか、
全力で精神を疲弊させて悩む事。 
それが本当に医療崩壊なのです。
この気持ちを考えず。
  
 
コロナよりも
インフルだ、自殺だとかいってるのはナンセンスです。
   
そして、自殺を美化してはいけません。
 
自殺はどんな状況でも、
自殺する本人の弱さに起因します。
プライドが高く、恥をかけ無いから自殺を実行します。
自分に対しての殺人が自殺です。
 
そうならないようにするケアは大事だけど。
絶対に生きる選択肢は会ったはずだから。
病気の人と同列にしてはいけません。
  
 
病気は、とくに感染病は選択肢が無いから、悲劇なのです。 
あれもこれも一緒にして、コロナをなめて掛かる人。
  
医療現場を軽視することはあってはいけないと思います。
 
 
だから、医療崩壊が起きないようにすることが大事なのです。

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