みなさんに、国連気候変動サミットをきっかけに見てほしい、クリスティアナ・フィゲレスさん『2015年「パリ協定」に至るまでの歩みと裏話』(エシカル100考、59/100)
「地球を救うのが仕事だと言われたら、あなたならどうしますか?」
クリスティアナ・フィゲレスさんのTEDトークに感動して、震えています。
国連気候変動サミットで行われた、グレタ・トゥンベリさんの切迫した訴えが話題です。一方で、小泉進次郎環境大臣の「セクシー」云々も話題。
「セクシー」はいいじゃんとは思います。なんせ ”who said ETHICAL is not SEXY?”というテーマは、エシカルに関わる人の胸には刻まれている言葉ですから。化石燃料について無言とかは、なんでやねん!って感じですけど。
それより注目なのは、小泉環境相に「セクシー」云々を言わせた(?)、隣席の方。
クリスティアナ・フィゲレスさんというコスタリカの外交官で、Mission2020議長・前UNFCCC事務局長なんですね。父、兄はコスタリカ大統領経験者で、生粋の国際政治の方で、環境問題を最前線で牽引してきた方。
そんな凄い・本物の方と隣に座って、小泉さんは何の話しをしたんだろうなぁ、、いい学びを得て、国政に活かしてほしいなあ、というか日本の環境政策についてしっかりアドバイスもらったかなぁ、、ということは置いておき、クリスティアナ・フィゲレスさんのTEDトークが素晴らしくて、感動しました。
グレタ・トゥンベリさんの涙と怒りが若い世代の訴えだとすれば、責任ある大人としてそれを受けて歩む姿がクリスティアナ・フィゲレスさんのトークに示されているのではと思います。
『2015年「パリ協定」に至るまでの歩みと裏話』という題。
環境問題についてバラバラな国際社会をどうまとめで、パリ協定にまで至らせたかを振り返る、2016年のTEDです。
チームビルディングや合意形成の学びにもなるし、不可能を可能にする極意かもしれないし、社会をどう動かしていくのかも知れるし、重すぎるプレッシャーを担って進むにはという参考にもなるし、旧来の資本主義社会への警鐘でもある。全てが15分に詰まっている。すごいです。
「地球を救うのが仕事だと言われたら、あなたならどうしますか?」
「「無理」という言葉は事実を指すのではなく、単なる態度であるに過ぎません」「私はその時その場所で、自分の態度を改めよう、気候変動に対する世界の態度を変えるために尽力しようと決めました」
「ひたすら楽観を説き続けました」「楽観なしでは勝利は絶対に得られないものだからです」
悲観的な事実(推測ではなく、事実)は山ほどある。でも楽観を貫くことで関わる人々の認識・態度を変え、さまざまなものを巻き込むことに成功し、パリ協定という合意にまで至らしめた過程が語られています。
「この言葉(楽観)に、勇気、希望、信頼、結束という意味合いも含め、人類の運命を変えていくために一致団結し助け合うことは可能だと根本的に信じることも「楽観」の解釈に加えましょう」
そして後半は、これからの人類が気候変動以外の困難な問題に臨むあり方を話しています。
「誰かが得すれば誰かが損するというゼロサム的な考え方、人類が今まで教え込まれてきた勝ち負け的な考え方を改めるべきであると気づくことでしょう」
「人同士の繋がりが希薄になりながらも、それでいて相互依存性が高まりつつある今の世の中、もはや誰かの負けが誰かの得になることはありません」
「皆が敗者となるか、皆が勝者となり得るか、このどちらかです」
SDGsは、「誰一人取り残さない」を理念として掲げます。でも、この「誰一人取り残さない」が一番取り残されている。SDGsはビジネストレンド!、などと嘯いているウォッシュなお歴々には特に。
社会との関わりは、ゼロサムではない。Aを選べばBを捨てていいわけではない。でもそのことを忘れている人がたくさんいます。
働き方改革云々を叫んでいるのに、ジェンダーの視点が抜け落ちてミソジニー発言を連発する人とか、都会にはよく転がってます。個人的にそういう人、ちょっとキモくて、、、。
直線的な消費資本主義では、片方が貧しくなって片方が富むということはありました。搾取が成り立ちました。しかし、今は循環型の、サーキュラーエコノミーの時代です。
誰かが貧しくなったなら、巡ってきて自分も貧しくなる。ともに豊かになる道を探らないと。
人類が増えて、100億人になっても、人類以外の多様な動植物たちとともに豊かになれると、根本的に信じないと。
「共に勝ちを選ぶか、負けを選ぶかは我々次第です」「共に生きるため力を合わせて益を得るかを決めねばなりません」
「一度やり遂げたのですから、再びできるはずです」
※引用はすべてTEDトークより。