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頭の中で爆発する音の話、略して頭爆音の話
二回目の投稿です。まだまだ不慣れですが、よろしくお願いいたします。
今回は私が、かつて悩まされていた不思議な現象についてお話させていただきます。それは十年ほど前の事……。
夜、布団に入りウトウトした途端、もの凄い爆発音がして、「ついに始まったか!」と飛び起きます。なにが「ついに」なのかはわかりませんが、とにかく「一大事だっ!」と飛び起きるほどの爆音なのです。擬音で書くなら「ズドドーンンンンッッ!!」……大爆発ですね。私、驚き飛び起きました。だけど見えるのはいつもと変わらない部屋。聞こえるのは驚き高鳴る自分の心臓の音だけ。
「なんだったんだ今のは……」
結局、幻聴の類いだと自分を納得させて、なんとか眠りにつきました。
ですが、次の日も「ズドドーンンンンッッ!!」
その爆発音は、眠りに落ちようとするその刹那にやってくるので、かなりびっくりします。「眠ったら終わり……」映画『エルム街の悪夢』のキャッチフレーズにそんなのなかったですか? その手の超常現象かなにかですか? 人を寝させず疲弊させ、ゆっくり死に至らしめる、そんな類いの魑魅魍魎が障っているのですか!?
しかし生まれてこの方、全くといっていいほど霊的なものに縁がない私ですから、そのセンは即、却下です。(いや、スキなんですけどね、その手の話)
で、次に頭によぎったのは、もっと恐ろしいシナリオです。
どうやらこの音は自分だけが聞こえているようだ。という事は、外からではなく、私の頭の中で起きている爆発なんじゃなかろうか。つまり、頭の血管が破裂したとかの、大病のシグナルなんじゃなかろうか。
ああ怖い。どうしよう。
そんな葛藤をし、恐ろしくなって布団を被って寝てしまい、次の日目覚めると、とても爽快な朝を迎えているのです。
つまり健康。頭も多分、異常ナシ。物忘れが激しいのは前からだし。
寝入りばなに爆音が鳴る、そんな日々が続き、不思議だなあと思いながらも、まあいいやと放っておいたある日の事。いつものように布団に入り、ウトウトして、すううっと眠りに落ちるその刹那に今度は……
「ジャーンッ!」
とシンバルが激しく叩きつけられる音がしたのです。
「意図あるなあ!」(おいでやすこがのおいでやす小田さんの雰囲気でお読みください)
これ、明らかに意図ありますよね。つまり嫌がらせですよね。だって、気持ちよく寝ようとするそのタイミングに、眠りを妨げるような音を、バリエーションを変えて鳴らす。これって明らかに誰かの意図を感じますよね、そう考えるのが普通ですよね。でも、じゃあ、誰が?
先輩「大爆発の音、効かなくなってきたな」
後輩「じゃあそろそろ違う音にします?」
先輩「そうだな」
後輩「でも一番最初に爆発音(特大)を使っちゃったのは勿体なかったですね。最初は爆発音(小)あたりから攻めて、だんだん大きくしていく方がセオリー通りでよかったんじゃないですかね?」
先輩「『クレッシェンド』な。それもう古いから。今の流行は『プログレ』だから」
……と、そんな脳内先輩と脳内後輩の会話を想像し、ますます「こりゃあかん!」と感じました。つまり「オレ、おかしくなってる!?」って。
ここでようやく私、ネットで調べてみました。同じ症状を持つ人いないかな、って。そしたら、いたんです。同じ症状の人が。しかもこの症状、名前が付いてました。
頭内爆発音症候群 (とうないばくはつおんしょうこうぐん)って言うんですって。これは病気ではなく、放っておけば次第に収まるもので、原因はおそらくストレス。って言うかよく分かってない。人によっては話し声が聞こえたり、名前を呼ばれたり、まばゆい光が見えたりと、様々。
まあ、ほぼほぼ寝てる状態だから、夢が開演する合図の「1ベル」的なもんだと思えばいいって事ね? OKOK。問題なさそうだから、放っておいてヨシとしようっと……。
なので私、収まるまで放っておくことにしたんです。まあ、慣れてきたし。問題なく寝られるし。
そして数日後の事、今度は……
「パフ!」
コントのオチで使われるあの「パフ!」ですよ。かくし芸大会で使われていたあの間の抜けた管楽器?の音ですよ。
頭の中でこう叫びました「おふざけが過ぎるなあ!」(おいでやす小田さんで)って。
しかしその音を最後に、頭内爆発音は鳴らなくなりました。やはりあれは六年ほど前の一時期、私の脳が作り出した『寝入りドッキリコント』終了の音だったのかもしれません。(あくまで私が調べた範囲の事ですので気になる方は専門医に診てもらってくださいね)