大翔(ひろと)

慶応義塾大学大学院 哲学研究科(修士課程修了)。出版社に勤務し、9年間、総合月刊誌のライターおよび編集者として活躍。その後、教育研究機関で哲学系の授業を担当して9年目(毎年50人以上を指導)。西洋哲学の教養を日本に広めたい ‼

大翔(ひろと)

慶応義塾大学大学院 哲学研究科(修士課程修了)。出版社に勤務し、9年間、総合月刊誌のライターおよび編集者として活躍。その後、教育研究機関で哲学系の授業を担当して9年目(毎年50人以上を指導)。西洋哲学の教養を日本に広めたい ‼

最近の記事

プラトン④ プラトンの国家論

前回記事「プラトン③ イデア論を徹底解説」では、プラトン哲学の核であるイデア論について解説しました。 プラトン最終回の今回は、プラトンの政治思想を解説します。    魂と国家の「3部分説」    プラトン中期の大作で『国家』という本があります。後世の西洋思想にとてもとても大きな影響を与えた本です。   これはいろいろな論点があって、国家や政治だけが扱われているわけではありませんが、あえてそこだけにポイントを絞ってお伝えします。     ソクラテスをはじめ、登場人物たちは

    • プラトン③ イデア論を徹底解説

      前回記事「プラトン② ソクラテス丸分かり」では、プラトンの師ソクラテスの教えについてご紹介しました。 それでは、プラトン自身はどんな哲学を説いたのでしょうか? ポイントはいくつかありますが、今回は「イデア」について解説します。 プラトンと言えばイデア論、イデア論と言えばプラトン……というくらい、両者は切っても切れない関係です。 イデア論は後の西洋思想に絶大な影響を及ぼしており、現代でも底流では西洋知識人の必須教養になっていると言っていいでしょう。   イデア論につい

      • プラトン② ソクラテス丸分かり

        前回記事「プラトン① イントロダクション」では、プラトンについての基本情報をまとめました。 今回はプラトンの師ソクラテスの思想について解説します。   ソクラテス自身は著作を遺しておらず、彼の思想は弟子プラトンの著作などから推測するしかありません(同じくソクラテスの弟子であるクセノフォンの『ソクラテスの思い出』という書物もありますが)。 しかしプラトンの初期の作品群はソクラテス(前470年頃ー前399年)の思想をある程度きちんと伝えていると考えられているので、ここでもその

        • プラトン① イントロダクション

          歴史上、最大の哲学者は誰か? こう質問された時、真っ先に候補の1人に挙げるのがプラトンではないでしょうか? それくらい、哲学の歴史におけるプラトンの影響力は突出しています。   イギリスの哲学者ホワイトヘッドが「西洋哲学の歴史はプラトンへの膨大な注釈にすぎない」という有名な言葉を遺しているほどです。   それだからこそ、「プラトンについてまったく知りません」というのはちょっとマズいわけです。   そこで…… プラトンについてなら「これくらい知っていれば、まぁいいかな」と