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ホラーコンテンツ市場を覗く~心霊系YouTuberが台頭したのはなぜ?~

テンテンです。

私は仕事で、新規事業創出を目的とした教育研修を担当していまして、
最近、”新規事業に関して何か講義して”と、オーダーが入りました。
そこで、社内教育研修資料をnoteで作成してみても良いのでは?と思い、記事という形で残すことにしました!

資料なんて私が好き勝手に話したいことをまとめただけのものなので、社外秘な情報などは特に含んでいません。

タイトルからして、どんな教育をするつもりなんだと思われそうですが、
この記事を読んでいただいた方へ、面白いビジネスの紹介新たな気づきにつながればいいなーという、たんなる情報共有です笑


1.ホラーはニッチな市場?


みなさんホラーは好きですか?
好きな人はとことん好きだし、嫌いな人は絶対に避けたい領域、
つまり本当に好きな人にしか受け入れられないジャンル、それがホラーです。

とはいえ、映画、小説、ゲーム、アミューズメント施設など、エンターテインメントとして親しまれ、時には社会現象を巻き起こすなど、大衆への露出は少なくありません。

有名どころのホラーコンテンツ

特殊な市場ではありますが、2000年前後には、地上波で様々な心霊番組が組まれるなど、マスメディア上でも盛り上がりを見せるくらい、ホラーのコンテンツ力は高いと言えます。

「ほんとにあった怖い話」
「あなたの知らない世界」
「特命リサーチX」
「奇跡体験!アンビリバボー」
「USO!?ジャパン」
「魔界潜入!怪奇心霊(秘)ファイル」
「世界の恐怖映像」
「世界の怖い夜!」
「映っちゃったGP」

心霊系テレビ番組(1990年代~2000年代初頭)

しかし...

現在、これらの番組はすべて放送終了してしまっているんですね(一部特番あり)...それって、ホラーにマーケットとしての魅力が無くなってしまったということなのでしょうか?


2.消費者のニーズはどこに?


心霊系のテレビ番組はことごとく消えていったのに対し、ホラー映画やホラーゲーム、イベントなどの他のコンテンツは今もなお、生み出されては話題になっています。
そもそも消費者はホラーに何を求めているのでしょうか?

そのキーワードとなるのが、「フィクション」or「”ホンモノ”」です。

ここでは、幽霊の存在について言及はしませんが、映像や写真で意図せずとらえてしまった現象を”ホンモノ”と表現することにします。

ここは私の勝手な考察ですが、ホラーコンテンツに対する消費者のニーズを細分化して捉えることをせず、取れ高重視の演出・やらせでリアルを偽った心霊系番組から視聴者離れが進んだのではないかと思うのです。

そうして、”ホンモノ”を求める一部のホラー好きの市場がブルーオーシャンとなったわけです。


3.メディアの変遷(テレビ→ネット)


テレビから心霊系番組が消えた理由は他にもあります。

2000年代中盤以降、テレビ業界全体でコンテンツ規制が強化され、視聴者に恐怖感を与えたり、ショッキングな内容を含んだりしている番組が厳しく制限されるようになりました。
当然、心霊系番組についても、テレビ局へ入る苦情が増え、徐々にその姿を消していったわけです。

それと同じころ、とあるメディアが登場します。
それが、YouTubeです。
規制の緩い動画共有プラットフォームと恐怖感のある映像は、相性が良くないわけありません。

この結果、時代の潮流を捉え、ホラーニーズを見極めた人たちが心霊系YouTuberとして頭角を現したわけです。

心霊系YouTuberとは…
心霊スポットと呼ばれる場所(トンネル、廃墟、廃村など)へ自ら赴き、撮影・編集・配信を行うなど、心霊に関するトピックをコンテンツとして取り上げる


4.心霊系YouTuberを比較してみる


2024/9/10時点のデータ

正直、チャンネルの人気指標をどの数字で比較するのが適切なのか、難しいところなのですが、動画一本一本のコンテンツ力が分かる「一本当たりの平均再生回数」で見てみると、ハイライト部分が上位3チャンネルに当たります。

で、この3チャンネルの共通点は何かを考えていたとき、たまたまCopilotにこんな質問を投げていたのですが...

これ、全く意図していたわけではなくて。
”ホンモノ”を求めている人がなだれ込んでいることが数字として表れているという、私の仮説がそれなりに的を得ていたのだなと。

5.ディープなホラービジネス

最後に面白いホラービジネスをご紹介して終わることにします。

暗夜-ANNYA-

事業概要
いわくつきと言われる廃屋や廃病院に夜間”滞在”できるサービス。(宿泊としていないことがポイント)
一棟貸し切りで21時から翌朝9時までの12時間をいわくつき廃墟で過ごす。

これはお化け屋敷といった類のものではなく、いわゆる心霊スポットになります。
ふつうは、心霊スポットに許可なく立ち入ることはできませんし、許可を取ろうにも誰が管理者かなんて、調べるだけで一苦労です。

暗夜はそこに目を付けてビジネス化しているのです。

そんなところに行きたがる人なんて、そういるわけないと思いますよね?
現時点で2025年4月までの予約ができるのですが、12月、1月は空きほぼゼロ、2~4月もほとんど予約が埋まってしまっているほど人気なんです!

墓地が近くにある、かつて処刑場だったなどなにかしらの要因で売れない土地・建物や、事故物件と言われる部屋は一般的には市場価値が落ちます。
それは圧倒的に需要が少ないからですが、暗夜はそこを逆手にとって一部のマニアに刺さるようなビジネスに仕立てたわけですね。
本当に良い所に目を付けたなと思います。

私もまだこのサービスを使ったことがないのですが、近いうちに利用する予定です。
そのときは必ず体験レポートを書きたいと思います!

まとめ

・全く知らないことは知りようもないということで、ホラーコンテンツ市場をご紹介しました
・(時勢の)変化に注目し、正しくニーズをとらえることで、ビジネスチャンスをものにしてください

それでは、また。

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