「パン屋まよなかあひる」について
この小説はもっとも小説らしい小説である。衝撃を追う昨今、なにも深い意味のないエンターテインメント呑みを追求する傾向がある世の中なのでこの小説の価値はより高いと思います。真夜中に開店するパン屋そして明け方には閉じるこの奇抜な店を中心に生身の人間達のソープオペラ。この奇抜な設定をする事により多種多様の人間像を描く可能性が拡がり幅広く人間を描く事に成功しています。純文学や私小説に必要な風景描写も鋭く尾道を散歩したくなる素晴らしさです。
内容の紹介は種明しになるので避けますが次の章を直ぐに読みたくなり一気に通読してしまう小説です。
この「パン屋まよなかあひる」を推薦します。