"𝐂'𝐞𝐬𝐭 𝐥𝐚 𝐯𝐢𝐞"から学ぶフランス人の生き方

ある時、国ごとの文化などについて色々と話す機会がありました。その中で一番興味を惹かれたのがフランス人のマインドセット。ラテン語圏であれば、ほぼ似たような感じだそうです。

このフランス語🇫🇷、日本でもたまに耳にするがありませんか？

"𝐂'𝐞𝐬𝐭 𝐥𝐚 𝐯𝐢𝐞"

それが人生さ！

｢セラヴィ｣は、そう翻訳される言葉ですね。良い事が起きても、悪い事が起きても、人生とはそんなもんさで割り切ることができる。これは長く培われた民族性、精神性だとは思っていました。

話の流れで、この意味合いをもっと掘り下げて知りたいと思い、問いかけてみました。すると…

全てなんでも自分の思い通りにはならないじゃない？何かの物事に挑戦すれば失敗する事だって少なくないよね？自分の力ではどうにもならない事だってある。人生のあらゆる場面でね。世の中や自然の大きな流れの中でね。

もしそれに畏敬の念を持てないなら、とても烏滸がましい事だよ。物事は人知の及ばない事だからけだからね。起きた事をあるがままに受け入れる。皮肉や諦め、開き直るような境地とは違うんだよね。

それが人生さ！

とは、そういう事なんだよ。

考えていたより深い精神性に根付いているものだと改めて感じさせられました。

日本だとよく言われるよね？「努力は必ず報われる」って。そんな事って無いよ。報われない事だってある。でも努力をしなくていいって事ではない。どんな立場であろうと人は生きるために必死でしょ？

あとは日本の皆さん「夢」や「希望」、「目標」で自分をがんじがらめにしてねばならないと思い描く自己像をと今の現状の乖離に苦しんでないかな？当然、メンタル的には追い込まれて苦しくなるよね。

確かにそれを言われるとハッとする思いがしました。もちろん、何かに猛烈を頑張って取り組むからこそ結果は現れます。結果が良かれ悪しかれ。

生きるために必死であるかどうか。これすらも自らが社会の中で置かれた立ち位置、更には健康など様々な要因により、その感じ方も人それぞれ様相は全く異なります。
ただこれだけは言えるでしょう。
健康の有難みは健康を失って初めて分かる。

そうして人生を歩む中で、何かの切っ掛けでそこのボタンを掛け違えてしまうと、人と比べてしまったり、果ては妬むという感情すら生まれてしまう。このようなケースは決して少なくない事ではないでしょうか。

因みに妬むという言葉は西洋言語には直訳できません。英語であれば「羨ましい」という意味のEnvyや「嫉妬する」というJerseyという言葉が近いのですが、妬むという言葉が持つ、ある種の怨念や呪いのような意味の言葉はありません。

つまり妬むという語がある時点で日本人はそのような感情を持ち合わせている。という事が言えるでしょう。

今の自分がどうあろうと、人と比べる事に何の意味もありません。あくまで自分は自分なのですから。ただあるがままを受け入れる。そんな気持ちで肩の荷を少し降ろして楽になる事はかなり多いでしょうね。まずはやれる事をやる。時にはボーダーを超えて思いっきり挑戦する。

そして、起きた結果をあるがままを受け入れる。

何がどうあれ、ラテン語圏の人達の多くが人生を謳歌しているように見える理由が少し見えた気がします。

もし今、辛い環境の中にいる人がいたら、それは周りと比べてしまい、自分を苦しめていないですか？「ねばならない」という思いで自分を苦しめていないですか？

恐らくそんな時は、今は起きてもいない先の事ばかり心配して、それが頭の中を堂々巡りで占めていないですか？
人の悩みの7割は取り越し苦労。などと言われます。それで必死に考えあぐねて将来が好転するなら誰も苦労しないでしょう。
もちろん、取り越し苦労をなるべく控えるという事で、必要な物事についても考えなくてもいいという事ではありませんよね。

また、こんな言葉も教えてくれました。

𝐋𝐚 𝐯𝐢𝐞 𝐞𝐬𝐭 𝐛𝐞𝐥𝐥𝐞
𝐦𝐚𝐢𝐬 𝐭𝐫𝐨𝐩 𝐜𝐨𝐮𝐫𝐭𝐞

人生は美しい！
だがあまりにも短い

𝐋𝐚 𝐯𝐢𝐭𝐚 𝐞̀ 𝐛𝐞𝐥𝐥𝐚

イタリア語🇮🇹だとこうなります。映画のタイトルではライフイズビューティフルと訳したそうです。

𝐋𝐚 𝐯𝐢𝐞 𝐞𝐬𝐭 𝐛𝐞𝐥𝐥𝐞 も
「その人にあたえられた人生を全うすること」
「うんうん、よくやった！」
という意味もあるとのこと。

身の回りの小さな幸せを見落としてないですか？
たまには肩の力を抜いてみると違う景色が見えるかもしれません。だからこそ！

"𝐂'𝐞𝐬𝐭 𝐥𝐚 𝐯𝐢𝐞"

もっと人生を謳歌しよう！！

2025年1月10日
奥津哲雄