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共通テスト 国語 論理的文章の解き方

 共通テスト国語の大問一(実用文が入ると、大問二になるのだろうか)の解き方について書いてみよう。論理的文章は、ちゃんとやれば誰でもできるようになる分野だ。ただ限られた時間で高得点を取るには、解き方を身につけておいた方がいい。過去問はネットですぐに手に入るので、受験生でもそうでない人でも、一度試してほしい。

 過去3年分の試験問題 | 独立行政法人 大学入試センター (dnc.ac.jp)

 問題にあたる前に理解していてほしいことが一つある。大学入試は、決して「あなたの考え」を問うものではない、ということだ。中でも論理的文章の問は、課題文と選択肢に書かれていることの適否を問うだけである。書かれていることを正確に読むことができれば、それでいい。自分がどう解釈したかではなく、どう書かれているかを優先することが大切だ。

 では早速どのように解けば、短い時間で正答率を上げることができるかについて書いていこう。

 ① 鉛筆を持って、課題文を通読する。

 重要だと思われる部分に傍線を引きながら課題文を読んでいく。2読目(問を解く際の再読)には、傍線部だけを拾って読んでいけばいいようにマークしておくのだ。ここで気をつけてほしいのは、「大切なのは、論理の部分である(論理的文章なのだから)」ということ。つまり「問題提起」から、どのような論理に沿って「結論」にたどり着くかの、そのステップが重要だということである。このステップに一つひとつ傍線をつけていこう。

 漢字の問題らしき傍線が出てきたら、欄外に書き込んでおくといい。漢字の問題はすぐに解きたくなるだろうが、今、解答者の頭には課題文の内容が染みこんでいるはず。漢字の問題に気を移すと、せっかく課題文の頭になっているのに、現実に戻ってきてしまう。また課題文の論理の流れに慣らすのに時間がかかってしまう。ここでは、とりあえず書いておくだけでいい。

 傍線を引くときは、課題文の今読んでいる段落だけに集中していい。読んでいるうちに、そこまでの流れが分からなくなったり、前の部分と今読んでいる部分の関係が分からなくなってしまうことがある。あわてて前の部分を読み返したくなるが、その必要はない。何よりも大切な時間をロスしてしまう。ここまで、忘れたときのためにマーキングして(傍線を引いて)きたのだから、忘れてしまっても大丈夫なのだ。とにかく、今読んでいる段落の、大切な部分にマークすることだけを心がけてほしい。

 慣れてきたら、自分の引いた傍線同士を結びつけたり、問題部分の傍線(課題文に引かれている傍線A~のこと。自分で引いた傍線と区別するために、以後「問題傍線」とする)とつなげておくこともできるようになるが、最初はそこまで考えなくていいだろう。まず、課題文を愚直に読んでいくことだけを目指そう。

 さて、そうやって課題文を最後まで読み終えたら、次に行こう。

 ② 漢字、語句の問は後まわし。問二から解いていく。
   
 まず、問題文を確認する。現代文の問は、基本的に「どういうことか」と「なぜか」の問に二分される。
 「どういうことか」であれば、問題傍線部の言い換え。「なぜか」であれば、傍線部にある二項の間の飛躍や矛盾をつなげる、ということだ。
 まず、それを確認した上で、問題傍線部のどこを言い換えるのか、どの二項間を埋めるのかを確認する。つまり、問を焦点化するということだ。問題傍線部の「どこ」と「どこ」を答えればいいのか、解答の型をイメージする(この問題の焦点は、複数箇所あるのが普通)。この時点では、まだ選択肢は見ていない。
 その上で、課題文の問題傍線部あたりに戻り、その周辺に引かれている傍線(自分の引いた傍線だよ)を確認して、解答のイメージを作る
 あとは、その自分の解答イメージと選択肢を照合していけばいい。
 その際、「あ、この部分が違うな」とわかったら、そこにマークして、そのあとは読まなくていい。削れる時間は削るのが、共通テストの鉄則。また丸数字に×を付けるのではなく、選択肢の記述部分にチェックを入れることで、間違えたときにどうして間違えたのかの復習がしやすい。

 ③ 最後の問まで解いたら、問一の漢字・語句の問を解こう。

 ここには、特に注意はいらないだろう。

 いつもは問題を手に、口頭と板書で解説をしているので、文字だけで説明するのはちょっと勝手が違った。うまく伝わらない部分があるように思う。慣れるまでは少し時間がかかるだろうが、慣れてくると機械的に対応できるようになる。その頃には、かかる時間も少し短くなり、正答率も上がっていることに気がつくはずだ。

 

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