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北海道白老郡白老町 ウポポイ 民族共生象徴空間

こんにちは。今回は北海道にやってきました。冬の北海道ははじめて。やっぱり寒い~。さっそく新千歳空港からJR線で白老町へ向かいます。

白老町の位置。(このあと行く、苫小牧と平取町も載せときます。)

白老駅を出て、ウポポイへ向かって歩き出したところ、、、いきなり転んだ!!北海道の洗礼でした。やれやれ。。。幸いケガ無くすぐに起き上がれました。
教訓! 日陰で氷になっているところは危ない。白い雪のところはまだ安全。おかげさまでこの教訓をいかし、その後は転ぶことなく旅することができました。

さて、白老駅から徒歩15分ほどでウポポイの入り口に到着。すると入口の看板のほかに、もうひとつ看板がありました。「慰霊施設 この先1400m」。

慰霊施設には、こんな経緯があります。

明治中ごろには、日本人の起源をめぐる研究が盛んになり、研究者等によってアイヌの人骨の発掘・収集が行われ、昭和に入っても続けられました。その結果、数カ所の大学等に研究資料等としてアイヌの人骨が保管され、それらの中には、発掘・収集時にアイヌの人々の意に関わらず収集されたものも含まれていたと見られています。
日本政府は、アイヌの人々の遺骨等を巡る経緯や先住民族にその遺骨を返還することが世界的な潮流となっていることに鑑み、関係者の理解及び協力の下で、アイヌの人々への遺骨等の返還を進め、直ちに返還できない遺骨等についてはウポポイに集約し、アイヌの人々による尊厳ある慰霊の実現を図るとともに、アイヌの人々による受入体制が整うまでの間の適切な管理を行うことを平成 26 年 6 月に決定しました。
これを受けて建設されたこのウポポイの慰霊施設が令和元年 9 月に完成しました。
同年の 11 月に大学から遺骨等の受け入れを開始し、同年 12 月にアイヌの人々による最初の慰霊が行われました。
ここを訪れる多くの方に、このような歴史を理解していただくことが、未来の共生社会の礎となるものと考えます。

ウポポイHPより

駐車場整備のおじさんに「慰霊施設ってこっちですか?」って聞いてみると「遠いよお」というお答え。まあ1,400mなら歩けるだろう、と思い「行ってみます!」と応えて歩き出しました。こんな道でした。

歩道は雪が積もっているので車道の端をそろそろ歩きます。行きは上り坂、1,400mでも結構遠く感じました。。やっと到着。こんなところです。

向かって:左が墓所、真ん中が慰霊行事施設、右がモニュメント
研究者の方が無断でお墓から遺骨を持ち去ったという事実があり、その返還が課題となっています。

私のほかには、清掃の方が一人いるのみ。墓所の前で手を合わせて、来た道を戻りました。駐車場整理のおじさんに「行ってきました!」と声をかけると、「とてもいい経験をしたね」というお言葉をいただきました。おじさんいわく、ウポポイに来る方はたくさんいるが、慰霊施設まで行く人は1日あたり3人くらいだそうです。もっと近くにあればいいのに。。。

ということであらためてウポポイ訪問です。入口をはいると目の前にポロト湖が広がります!

ポロト湖(雪に覆われてますが湖です)

広い敷地内には、国立アイヌ民族博物館・体験交流ホール・体験学習館・工房・伝統的コタンなどの施設があります。この中から2つの施設をご紹介します。
◇国立アイヌ民族博物館
アイヌのくらしや歴史などについて学ぶことができます。特に歴史について詳しい展示があるので必見です。
例えばアイヌの方々には、不平等な貿易や苦役などにより和人に苦しめられてきた歴史があります。それに抵抗した出来事のうち大きなものが、シャクシャインの戦い(1669年)です。アイヌの方々が松前藩に対して蜂起しましたが、最後は指導者であるシャクシャインが殺害されて敗北。その後は和人の優位が定着しました。

そのほか、差別の歴史についても詳しい展示があります。

もちろん文化についてもたくさんの資料が展示されています。

◇伝統的コタン
チセ(家)が並んでいるエリアです。チセの中で演奏や歌を聴くことができます。

アイヌの子守歌を聞かせてくれたのが、高橋志保子さん。なんと19歳のときからここで働いているとのことです。よく通る明るくて優しい声が印象的でした。
ところでウポポイができたが2020年。19歳から働いているって??。実はウポポイができる前、ここにはアイヌ民族博物館という民間の施設が53年間あったそうです。それが以下のような経緯で白老町に国の施設ができることになり、それにともないアイヌ民族博物館は53年の歴史に幕を閉じたのでした。(一度更地にしてあらためてウポポイが建設されました。)

ウポポイHPより

youtubeに「ポロトコタン最後の一日」というドキュメント動画があります。高橋さんが思いを語っておられる場面もあるのでぜひご覧ください。

ということで11時に到着して、出てきたのが16時。なんと駐車場整備のおじさんがまだ勤務されていました。
「楽しかったです!」「そりゃよかった。ところで帰りは飛行機?」「そうです!」「そう、こないだ118便欠航した日があったんだよ。無事飛ぶといいね。」「そうなんですか!ありがとうございます!」
やさしいおじさんに出会えてよかった。
あたたかい気持ちになって今日の宿に向かいました。(おわり)

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